決着
王国軍が大勢を整え、国境に向け進軍する。魔物の死骸を踏みつけ、味方の亡骸を丁重に葬りながら。
国境近くまで到達すると、
「団長!白旗が見えます!」
「なにっ?!」
兵の指差す方向にバーバとブッチャーが目を向ける。
そこには確かに白い旗がたなびいていた。
「どう思う?」
ブッチャーの問いに、バーバーはふるふると頭を振る。
すると帝国側の兵が、小さな白旗を掲げながら、こちらに馬を走らせて来た。
「帝国騎士団、副団長のアリマ・コーリャーと申します。帝国の意思は未確認なれど、騎士団としては、停戦を申し入れたい。停戦か無理ならば、降伏も受け入れます。とにかく戦える状況にありませぬ。何卒、良しなに。」
帝国の騎士団の副団長の言葉に、バーバとブッチャーは困惑する。
「いったい何があったのだ?」
ブッチャーが聞くと、副団長の言葉には、
ボーンドラゴンが倒され、意気消沈していた帝国騎士団に、数日後、帝都内よりとある情報がもたらされた。
帝都壊滅、帝、貴族等多数死亡、または行方不明。
帝都内は大混乱。残った僅かな子爵や男爵が、治安維持に努めるが、いかんせん人数不足。
次の日、騎士団は速やかに帝都内に戻り、治安維持に努めよ。との命令が届く。
騎士団長と大半の騎士団は、急ぎ帝都内に戻り、副団長にこの場を任せたとの事。
「そもそも、ボーンドラゴンは帝国が?」
「いえ、ボーンドラゴンのような高位の魔物を操れる者など、帝国には居ません。たまたま、おそらく魔物の血の匂いに、誘われたのかと。」
ボーンドラゴンは、帝国が差し向けた訳ではなかったようだ。
まあ、副団長が知らなかっただけの可能性もあるが。
バーバは、「帝国騎士団の降伏を容認する。捕虜として、命と身分は保証しよう。副団長殿には、王都にて詳しい説明をして頂いたのち、帝国との交渉まで、王国に滞在して頂く。宜しいか?」
と、問う。
「感謝する。」
熾烈を極めた王国と帝国の戦は、一応の決着が着いた日であった。




