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3分

風によって帝国に流された灰は、帝の住む城の近くで小さなつむじ風によって纏められた。


帝国にとって不幸とはこの事であろう。


灰と黒い魔力が、絡まるように、つむじ風から竜巻へと変化し、竜巻が消えたところには、


「なっなんだアレは!?」

たまたま城の窓から外を見ていた皇帝は、思わず右手に持っていたワイングラスを落とした。



城は尻尾の一振りにより、瓦礫の山に。

貴族街は、飛んできた瓦礫と、ボーンドラゴンが歩いた事により、空爆を受けた街のように。

たった3分。

それだけの時間で、帝国中枢部は壊滅、主だった帝位継承者や、上級貴族は、瓦礫の下敷きに。

のちに帝国の悪夢と言われ、語り継がれる破壊は、ボーンドラゴンが消滅したことにより、ようやく終わったのであった。





とあるテントの中は野戦病院と化し、重体の兵や重傷者で埋め尽くされていた。テントの外には軽症者で溢れているが、命の危険が無いから、後回しにされている。

これは仕方ない事であろう。

治療魔法を使える者は、まさに猫の手でも借りたいくらいである。

1分1秒を争う程の重体の兵が、3分後にはベットから起き上がる。


こちらは王国の奇跡と呼ばれ、のちに神の使いと呼ばれたエルフが、人の命を繋いでいた。



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