呟く
「にっ、逃げろっ!アレは勝てん!少しでも逃げて王に、お知らせしろっ!」
ブッチャーが大声で叫び、騎士団員は走る。
ブッチャーは、騎士団員達とは真逆の方に足を向ける。
「どうなさるおつもりで?」
「バーバか、お前も逃げろ。ワシは名誉挽回のチャンスだ。」
「死ぬおつもりか?」
「元々死罪予定だ、だが陛下の温情によりこの地に居る。団員達が一人でも多く逃げる為に、1秒でも良いから、時間を稼ぐ。1秒、その為にこの命を使おう。お前は逃げろよ。」
そう言うやいなや、走り出すブッチャー。
その背中を見つめ、バーバは、
「勝てる訳無い、あの人に。」
目に光るモノがあった。
ボーンドラゴンは地上に降り立つ。
普通ドラゴンの攻撃と言われて、何を思い浮かべるだろう?
炎のブレス?ですよね?
通説によると、炎のブレスとは、ドラゴンの胃酸と肺の中で高度に圧縮された、空気による燃焼と言われております。
ディーゼルエンジンをご存知だろうか?
ガソリンエンジンの場合、ガソリンと空気を混合して、圧縮した状態で、点火プラグにより火を着けて爆発させます。
しかしディーゼルエンジンの場合、点火プラグは有りません。
ん?どうやって火をつけるの?と、お思いでしょう。
圧縮した空気に、適量の軽油を噴射すると、それだけで爆発します。
何が言いたいかというと、胃酸が軽油の代わりで、ブレスが放たれるということです。
が!
ボーンドラゴンには、骨しか有りません。
肺も胃も無いのです。
つまり
ブレスが放たれる事が無いのです。
攻撃方法は肉弾戦です。
弱いと思う?
心臓や脳も無いんです。
なんで動いてるんでしょうね?
まあ、これは他のアンデット系、特にスケルトン系に共通したことですが。
スケルトンを倒すには、焼き尽くすか、砕いてから、光魔法で消滅させるのが一般的です。
「あの巨体を砕く事は無理だろうが、邪魔な虫だと思わせて、ワシを殺す事を選べば、1秒稼げるだろう。」
1人呟くブッチャー。




