襲来
日にち空きました、申し訳ない
バーバは順調な戦果に、内心浮かれていたのかもしれない。
敵は散発的な攻撃を繰り返し、それを大きな被害なく押し返していたので。
「このまま勝ち続ければ、私の地位も安泰かな。」
思わず口にしたのがいけなかったのだろう。
「たっ、大変です!てっ敵がっ!」
走り込んできた伝令が、真っ青な顔でバーバに迫る。
「何事だ?!敵がどうかしたか?!」
「敵が退却していきます!」
「なに?!」
バーバは馬をひき、戦場に向かう。
そこには敵が1人もいない荒地が広がっていた。
「ふむ、奴ら、我が軍に勝てぬと諦めたか?」
ニヤリと口元を緩めたその一秒後、遠くの空に黒い雲のようなものが見えた。
「なんだ?あれ?」
誰かが呟く声に、バーバも空を見ると、その黒い雲のようなものが、こちらに向かってくるではないか。
そしてその雲の下には土煙りのようなものまで。
「誰か遠見筒を!」
バーバが命令し、兵が走る。
「お待たせ致しました。」
兵が遠見筒をバーバに手渡す。
ゆっくり覗きこむバーバ。
「なっ!なんだアレは!なぜこちらに向かってくる?!」
バーバが砂煙りの中に見たものは、無数の狼型の魔物と、オークの群れであった。
「そ、空は?」
バーバが空に遠見筒を向けると、そこにはロックバードと呼ばれる、鳥型魔物の群れと、数匹のワイバーンが居た。
「てっ、敵襲っ!直ちに戦闘準備っ!急げっ!空からくるぞっ!」
バーバは焦り大声で命令を下す。
伝令が走り回り、兵は武器を持ち走りだす。
「弓隊を揃えろ!槍隊は弓隊を守れっ!」
指揮官の命令で弓隊が集まり、その周りを槍隊が囲む。
「攻撃魔法が使える者は、ワイバーンを狙えっ!弓隊はロックバードだっ!
合図で一斉に撃つぞ!
放てっ!」
無数の矢がロックバードの群れに向かって放たれる。
魔術師達は、詠唱が終わった者から、ワイバーンに向けて攻撃をする。
ファイヤボールや、ファイヤアロー、ウィンドアローなどが、ワイバーンに向かっていく。
ロックバードが数羽、矢を受けて落ちていく。
ワイバーンにファイヤボールとファイヤアローが当たる。
が、ワイバーンの皮膚を少し焦がす程度、ウィンドアローに至っては、かすり傷が関の山。
矢を回避したロックバードが、兵に向かって飛んでくる。
槍隊は懸命にロックバードの爪から、弓隊を守っている。しかし空中から迫る爪に四苦八苦する。
「弓隊っ!各自の判断で撃てっ!」
至近距離からの矢に、ロックバードは倒されていくが、ロックバードが落ちて、その下敷きになる者や、ロックバードの爪に切り裂かれる兵。
負傷兵が次々に出る。
「ああっ、ワイバーンがっ!」
誰かが声をあげた。
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