開戦前
帝国軍が、食料や武器を準備しているという事は、王国の諜報部隊により、王の耳に入る。
「戦の準備をせよ。」
王の苦々しい顔と共にその命令を宰相は受けた。
その日から鍛冶屋は槍や剣を増産する。
国中から余剰食料を買い上げ、保存食を作る。
そして、
「志願兵の募集かぁ。」
ギルドに集まった冒険者達は、1枚の依頼書に溜息をつく。
冒険者は、基本的に人相手の商売では無い。
もちろん、護衛依頼などには、盗賊からの護衛も含まれるが、基本は人以外である。
だが、戦争は人と人との殺し合い。
できればやりたくない。
だが、戦争に負ければ、今の暮らしは保証されない。帝国に支配されて税率を上げられるのは、ほぼ確定だ。戦争の出費を、ぶんどった領地から取り戻すため、だいたい占領された地域は税が上がるのが、この世界の常識なのだから。
そうこうしている間に、帝国の国境沿いの町に、帝国軍が集結しつつあると、城に報告が入る。
王は、王国騎士団と、王国軍、貴族領軍、そして志願兵を国境沿いの村へ派遣するよう、命令をした。
志願兵には、職にあぶれた一般国民が半数以上だが、国を守りたい冒険者も、数多く居る。
その中に、とあるラーメン屋店主の姿があった。
さて、どうなることやら。




