脳筋
「エルフのラーメン屋店主、キルヒアイス殿、突然の挨拶失礼致す、我らは、王国騎士団。
それがしは、騎士団長のブッチャー・アブドラザ。少しお話しよろしいか?」
騎士団長って、おいおっさん、その名前って思ったが口には出さない。
「騎士団長?そんな偉い方が私に何用でありましょうか?」
一応丁寧に尋ねてみた。
「紅蓮の牙は、キルヒアイス殿が?」
ああ、あの件かと納得する
「あの、確かに私ですが、マズかったですか?営業妨害されたので、ムカついちゃって」
捕まるのかな?と思ったけど
「おお、やはり噂は本当でしたか。いえ、奴らは我々も問題視してあったのですが、騎士団は基本的に国を守る為に動くもので、治安維持は、憲兵隊の仕事で手出し出来ず、憲兵隊は戦力に不安ありで、紅蓮の牙に腰が引けておったので、ちょうど良かったのです!奴らが壊滅したおかげで、治安も少し改善したので、犯人を捜す必要無しと、王のお言葉も有り、貴方をどうこうする事も無いので、そこはご安心を。」
どうやら逮捕は免れたようだ。
「その事を伝えに、皆さんで?」
そう、何で団体様なのか?
「いえ、キルヒアイス殿の腕前は冒険者ギルドからも聞こえておりましてな、我が騎士団とどちらが強いのかと思いましてな。」
ニヤリと笑うブッチャーに、少しイラッとした。
「えっと、もしかして模擬戦とか考えてます?」
一応聞いてみた。
「ご明察!」
ああ、ここに脳筋が居たよ。しかも団体様で。
「国民が一番強いのは、ラーメン屋店主だと噂でな。国民に一番強いのは騎士団だと思い知らさねばならんですよ!かかれ!」
ブッチャーが言うと、団体脳筋が俺を取り囲んで、槍を向けて突進してきた。
うん、とりあえず騎士団全員、ぶん殴って、戦闘不能にした後、ブッチャーの頭踏んづけて、地面にキスさせて、全員縄で縛って数珠繋ぎにして、市中引き回しのうえ、王宮まで引きずって行き、ブッチャーの口から王国宰相とやらに、自分の非を説明させ、迷惑料を頂きましよ。
最近チンピラ来ないと思ったら、脳筋が湧くとか、何の冗談だよ!
あ、オーク狩るの忘れてた。




