初老の男
お久しぶりです。
待ってた人って、いるのだろうか?
紅蓮の牙壊滅
この情報は、すぐに拡散した。
どこの誰がやったのか?いや、個人では無いだろう。敵対組織との戦争だったとか、騎士団との戦闘だとか、色々な噂が広がったのだが、とある店で、とある場面を見ていた客達から、とある話が広まるのに、これまた時間はかからなかった。
あれ以降チンピラみたいな客は来なくなった。
少し前までは、従業員を口説いたり、態度の悪い客もいたのだが、最近全くいない。
なんか前まで態度の悪かった人が、ラーメンを食べる事だけに集中し、食べたらすぐに帰るのだ。
まあ、客の回転が良くなったと思うことにした。
が、ある日、強者の雰囲気を纏う初老の男性が、店に来た。
注文はラーメン。カウンターに座って、ずっとこっちを見てる。
ラーメンを食べてる時は、ラーメンしか見ていなかったが、食べ終わってからは、またこっちを見ているのだ。
「噂通り只者では無いな…」
そう呟いて帰ったのだが、次の休みの日、オークを狩りに出かけた森の中で、森には似つかわしく無い集団と、それを率いると思わしき初老の男が、全身鎧を身につけて、俺の前に現れた。




