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初めました

とある店の扉に、張り紙がしてあった。


冷やしラーメン、初めました。



そこには、そう書かれていた。



ネーミングには、かなり迷った。

冷やし中華では、中華の説明をしなければいけなくなる。だいたい張り紙で伝わらない。

冷麺では、俺の中では別の食べ物である。

妥協案として、冷やしラーメン。

この店に来る人には、ラーメンは認知されている。

いや、この街と言ってもいいだろう。

今やこの店は、この街の住民で知らない人は居ないだろう。

そこに新たなメニューである。

暑くなってきたこの時期、人は冷たいものを欲しがる。

だが、冷蔵庫など無いこの世界、暑い時期に冷たいものは、高級品だ。魔法使いが氷の魔法で冷やす。

氷の魔法を使える魔法使いが、果たして何人いるであろうか?

炎を出す時と比べ3倍の魔力を必要とし、並みの魔法使いでは、習得してすらいない。

そんな魔法。


店の行列が落ち着いてきていたのに、その日は、オープンの時より、長い列ができたのであった。


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