ついに開店
焦る気持ちを抑えながら、用意を終わらせ、いよいよ開店。
「お待たせいたしました、開店です!」
俺が店の前で宣言する。
どっと押し寄せる客。
カウンターもテーブルも一気に埋まる。
「オーク骨ラーメン!」
誰かが大きな声で注文する。
「こっちは定食を!」
あちこちで声がする。
注文を聞いてまわるのは、ローラとセーラ。
ニーナは、厨房でワイバーンの肉を唐揚げにする。
リラは、器を用意し、魚醤ベースのタレを規定量入れ、そこにオーク骨のスープを入れる。
そこに俺が茹で上がった麺を投入。
投入された器に、リラがトッピングをのせていく。
「麺五丁あがり〜!」
リラが声を出すと、ローラが麺を3つテーブルに持っていく。
セーラも2つカウンターに運ぶ。
どんどん茹でる俺は、ニーナに聞く。
「唐揚げまだか?」
「今、揚がりました!ローラお願い!」
「了解!」
ローラがご飯をよそい、唐揚げと一緒にテーブルに持っていく。
「定食の唐揚げとご飯お待たせしました。」
「おおっ!これがワイバーン唐揚げかっ!」
客が声を上げる。
「何この麺!美味い!」
「唐揚げ最高だぞ!お前も頼めよ!」
どうやら気に入って貰えたようだ。
ちなみに、箸の使い方というボードを店の壁に打ち付けてあり、一応スプーンとフォークもお客さんには渡してある。
箸にチャレンジして、上手く使えない人はフォークとスプーンで食べている。最初は無理だろうしね。
開店して1時間、そろそろお昼タイムも終わるかなっと、思っていたのだが、客足は途絶えない。
「リラ、外で待ってる客の人数確認してきて。」
リラが、サッと店の外に出て、仰け反るのが見えた。
「ヤバイです!減ってません!」
リラの顔に焦りの表情がみえる。
「もう少ししたら、リーニャが来る、それまで頑張れ!」




