開店の朝
開店の朝、1人店で仕込みをしていると、元冒険者組の4人が出勤してきた。
「おはよう。」
声をかけると、
「「「「おはようございます!!!!」」」」
と、元気な声が返ってきた。
「今日はようやく開店だ。忙しくなるかは分からないが、しっかりやって繁盛していくように頑張ろう。では、1人掃除で、3人は仕込みを頼む。」
そう言うと、4人はジャンケンで掃除係を決め、テキパキと動き出した。
ジャンケンで負けたのはローラ。
時は昼前。
とある一軒の店の前には、およそ100人が開店はまだかと列をなしていた。
先頭にいるのは一度ラーメンを食べたことのある取引相手の男である。
「俺は試食させて貰ったけど、メチャ美味いぞ!開店が楽しみだったんだ!」
どこか自慢気な男の言葉に、
「どんな味だ?てか、どんな食べ物だ?」
聞いてきるのは、いつぞやオークの群れから襲われていた、冒険者パーティのリーダー。
「スープパスタのような感じだが、スープの量が凄く多くてな。それでスープが濃厚で美味い。それにオークの肉がのっていて、それがまた美味いんだ!」
おおっ!と、冒険者パーティ連中から声があがる。
「そんなにか?!」
声をかけてきたのは、ゴブリンに襲われていた冒険者達。
「ああ!初めての味だったが、あんなに美味い麺、無いぞ!」
「どうしよう、お客さんいっぱい並んでいるけど、大丈夫かな?」
店内の掃除が終わり、店の前を掃除しようとした、ローラが言ってくる。
「何人くらい?」
俺が軽く聞き返すと、
「100人以上。」
「「「「マジで?!」」」」
厨房が焦り出した。




