日替わり定食
町外れの家を出て、王都を歩く。
このあたりは、インストールのおかげで、迷う事はない。
一軒の食堂に入る。
「いらっしゃい!何にしますか?」
テーブルに着くと、人族の娘が注文を取りに来る。
「今日のオススメは?」
娘に聞くと、
「日替わり定食か、オーク肉のシチューセットかな。」
「日替わり定食は内容は?」
「オークのソテーと、黒パンとスープだよ。」
「じゃあ日替わり定食を。」
「はい、銅貨8枚ね。」
言われて銅貨を渡す。この世界食堂は、前金制だ。
渡すと水を置いていった。水が置いてある客は、注文済みと分かるようにしてあるのだろう。
これは採用しよう。
しばらく待つと娘が定食を持ってきてくれた。
木の器に野菜が細切れに入ったスープ。
木の皿に、黒パン2つ。
鉄の皿に肉が二枚。五ミリほどの厚さで、飾り気は無い。添え物がないのだ。
匂いは、豚の塩焼きっぽいな。
先ずはスープから。
人参の様な物と、キャベツの様なものが入っていて、味は、塩とおそらく鳥ガラ。ほんのりハーブの香りがする。
味はそこそこ。
次に黒パン。
想像どうりの、黒糖が少しだけ使われた、ほんのり甘いかな?程度の甘みがある。しかし固いな。
次にメインのオーク肉だ。
味は、まんま豚だ。塩とニンニクで味付けされてる。
不味くはないが、素晴らしく美味い訳ではない。これがこの世界で一般的なのだろうか?まあ、一軒では解らないなと、とりあえず全て食べる。
道具や器を下見しないとと思い、王都の商店街に向け歩くことにした。