表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/14

6

 

 

 

桜色のくせのない髪、薄ピンクの愛らしい瞳、

小柄で華奢な身体にマスコットサイズの背。

 

頭には何故か、黒色のハチマキ。

 

 

 

(なんでハチマキしてるんだろう……しかも黒)

 

 

 

そう聞こうとして口を開きかけるけど、慌てて口を噤む。

今この人に何を言っても怒られそうな気がしたんだ。

 

 

 

「そーいやお前、見かけない顔だけど……誰だよ?」

 

 

 

怪訝そうに下から見上げられ名を名乗っていないことに気づいた。

それで僕はピッと姿勢を正した。

 

 

 

「七瀬千秋という者です。今日からここのお屋敷で執事として働きます故、どうぞ宜しくお願い致します!」

 

 

 

さっきよりは手短に言うと男の子は満足そうに頷いた。

 

 

 

「ん、俺は桃瀬(モモセ)さくら。この屋敷の主だから忘れんじゃねーぞ」

 

 

 

さくら、かぁ。いい響きの名前だな……。

 

 

 

「って、女っぽい名前とか思うんじゃねーぞこのヤロ! 思ってたりしたらぶん殴ってやっからな! 覚悟しとけよ、じゃーなっ」

 

 

 

ハチマキ少年は機関銃のように一気にそう言うと、

僕が通った道を走っていってしまった。

 

 


(お、思ってませんよ! 女っぽいだなんて!!)

 

 

 

小さくなってゆく背中に向かってそう叫びたい衝動を堪えた。

 

 

 

なんと呼べばいいのか分からないけど、さくら様、でいいのかな?

 

というかぶつかった原因は、

さくら様が廊下を走っていることもあると思うんだけど……。

 

 

 

心の隅でそう思いながら、僕は下がっていた顔を上げた。

 

さくら様とぶつかって気づかなかったけど、

ここの突き当たりに一つの部屋があった。

 

 

 

ドアノブには、“図書室”と書かれた文字のプレートが掛けられてある。

 

 

 

「こんな所に……、図書室……」

 

 


誰にともなくそう呟くと、

僕はそろりとドアを開けていた。

 

 



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ