夢
夢だとわかる世界に私は訪れていました。
そこはいかにも商店街と呼ばれる場所で活気溢れていました。
でも店の名前やどんなものを売っているのかわからないのです。
ただ店の人が、お客さんが笑って会話をしているんです。
私は誰とも話さずに奥へ奥へと進んでいったのです。
別に誰かに話しかけようなんて気は起こさず、ただ前へ。
歩けども歩けども同じ景色、同じ光景。
ただ、だんだんと天井から漏れる光がうす暗くなっていました。
そうなってくればもちろん他の方の顔が見えなくなるわけで。
あ、忘れてましたけど視覚しかない世界なんです。
匂いやら音やらは全く機能しないんです。
まぁ夢の中なんで気にもしないんですが。
ともあれ、暗くなっていくに従って人の数が減ってきたんです。
それでも私は奥へ奥へと足を運んでいくわけでして。
気がつけば誰もいない、言わばシャッター商店街につきました。
おまけに真っ暗で、街灯も小さなものがチカチカしてます。
その時初めて私は入口に帰ろうと振り返るわけなんです。
そしたら思ったとおり暗い商店街から抜けられないんですよ。
戻っても、進んでも同じ暗い商店街ばっかり。
私は涙を流しながら何かを叫んでいるわけですよ。
もちろん自分の声なんぞ聞こえませんし、誰も聞いてくれません。
それでふと、目が覚めるんですよ。
陽の光が漏れた自分の部屋を天井を見つけているわけでして。
ほっと安心をするんですよ。
そんで私は今日も頑張ろうと気合を入れます。
それで疲れて帰ってきて...夢だとわかる世界に私は訪れていました。