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〜Prologue〜
なにもない場所があった。
その場所は時も、空間も、本当になにもなかった。
そこに神様が現れた。神様はそのなにもない場所に唐突に現れた。
神様はこのなにもない場所がいやだった。だから神様は『空間』を創った。なにもなかったところに上下があらわれ左右があらわれ、前後が生まれた。
だが、その『空間』にはなにも変化がなかった。だから神様は次に『時間』を流した。
しかし、ただ広がった『空間』にはその『時』によって変化するものはなかった。
神様は次に『物質』を創った。物があらわれ、星になり、生物になった。実に様々なものに変化した。
神様は次に『心』を与えた。『心』は複雑で全く同じものは存在しなかった。神様はそれらができたことに満足した。
―――これで、一人じゃない。
神様は満足げに笑った。
創造物語 第一章から引用。