第六十二話 講習会③
最近小説執筆するのがまた再燃してきたんですよねぇ。
誰にも見られてなくても、自分が読めればいいし…。
だからこそ好きなペースで投稿できるってのもあります。
あと彼女からのお題で短編小説書いたりもしてます。
あれから数十分歩き続けて馬車乗り場へとたどり着くと、王立魔法研究所直通馬車へと乗り込み…馬車で移動しても1時間くらいはかかって、研究所へと到着した。
魔法研究所は王都の郊外に建ってこそいるが、王城と大差がないくらいの規模だった。すごいなー…こんなところを見学させてもらえるなんて…なんか我ながらよくやったと思うな〜♪
「ここが王立魔法研究所だ。ここからは研究所の職員であるアベル氏に任せる。」
「王立魔法研究所スキル分析室副室長のアベル・フィアーだ。各方面から推薦された騎士、貴族の子弟諸君並びに有望な冒険者諸君…王立魔法研究所へようこそ。全てを紹介するには時間があまりにも不足しているが、ほんの一部でも紹介出来れば幸いだ。」
アベルさんは、紅い髪をした30代前半くらいっぽいけど、研究員って感じはしないなぁ…。なんかビジュアル系バンドにいそうな雰囲気だ。ピアスとかもしてるし、なんか外面はチャラそう…。でも口調はすごい真面目っぽいんだよなー。
そうしてくだらないことを考えながら、アベルさんについていくと、講義室?みたいなところに案内される。
そうして各々好きな席に座るように指示があった。
皆が席に座ったのを確認すると、少し離れた教卓から俺たちへ話し始める。
「今さら説明しなくとも重々承知しているとは思うが…諸君は世の中に存在している属性は何があるかはご存知かな?」
ヒイロが手を挙げて答える。
「はい。属性魔術は火・水・風・土・光・無です。他に光が派生されたものとして聖属性が位置しています。…魔族が持つ属性として闇属性などもあるみたいですが、今はほぼ失われたと聞きました。」
「ヒイロさん、素晴らしい模範解答をありがとう。ヒイロさんが説明した通りの属性で概ね合っている。だが他にも実は属性は存在している。雷属性というものがあり、これは勇者由来のものとされている。王国内でも所持している人間はいるが…そのどれもが使いこなせてはいない。落雷や雷魔術を放出できる者はいないので、まだ研究が進んでいない属性ではある。」
「アベルさーん!ちょっといいですか〜♪自分学がなくて申し訳ないんですけどー。そもそも魔法と魔術ってどう違うんですか?ここは魔法研究所みたいですけど。」
「魔法というのは…そうだな。そのものを指すというべきか。魔法を用いた技を魔術と総称している。剣術が剣を扱う術、技といったように魔法を使用する術及び技のことを指すんだ。だから魔術やスキルといったものを統括して魔法という名称にしているわけだ。」
うーん、理解出来たような出来ないような。まぁ、とにかく俺らが普段使うのは魔術ってことでいいんだよね?
その後もアベルさんは魔法を学ぶにあたっての基本を説明してくれていた。魔力によって身体強化をすることができたり魔力は万能なものだが…魔力による身体強化は扱いがムズいようで注ぎすぎて筋肉を酷使することによって筋肉痛になることもあるらしい。
「次にスキルだが発動型と特殊型が存在する。発動型は何らかの条件をきっかけに発動するスキルで、多くの場合は魔力を適宜消費する。きっかけ自体も当事者が無意識に達成しているらしく、そこまで深く考える必要はない。
特殊型は対象者の不利となることをきっかけに発動することになる。魔力消費がほぼないのにも関わらず強力なものが多い。」
なるほどねー。俺の《偽善実行》がその特殊型だろうなー。細かい部分は分からないけど、俺がゲスなことをしたら発動とかそういう系かもしれない。
「発動型は主にスキル名を発音することや、特定の武器を用いることなどが条件となっていることが多いのだが、中にはいくつかの条件を達成して初めて発動するものなどまだまだ未知数なものだ。」
スキルのことを説明し終えると、アベルさんは教卓を少し移動させる。そうして自分自身もある程度教卓から距離を取りはじめる。
「魔術というものは、詠唱はあらかた決まっているが使用者の魔力量や言葉の使いようによって、詠唱を長くすることも短くすることも出来る。詠唱を長くすれば魔術の射程や威力は上昇こそするが…。剣や槍といった武器を主力としている場合はできる限り詠唱を短くするのがいいだろう。」
そうしてアベルさんは王立学園に置いてある基礎の魔術書に載っている詠唱とその魔術を各自披露していく。
教卓はある程度の魔力を弾く素材で出来ており、簡単な実演程度ならこうして行っているそうだ。
「俺が持っている属性は火・風・土の3種類だが、他の手段を除けば一人の人間が元から持っている属性は3種が限界だ。
ちなみに他の手段というのは婚姻契約や魔術を用いた契約を交わしている時でその場合は契約を結んだ相手の属性を使用することが出来る。簡単に結べるものではなくて、解除するのにも手間も時間がかかる。」
魔力ポーションという、魔力を回復させるものを飲み終えるとすぐに魔術を発動させる。
火の矢、水の球、土の壁、といったほぼ単語だけでも発動こそしたが、アベルさんのド至近距離くらいの射程ですぐ空中に分散していく。ある程度の詠唱がなければ魔術として効果がないみたいね。
「ふぅ…。実演講座はこのくらいにしておくかな。魔法研究所が実用試験中のカルブンクルスを見学して欲しい。」
講義室を出て、アベルさんの後をついて行くと道幅が広い階段があった。俺たちは黙ってアベルさんについて行く。
ついて行った先にあったのはだだっ広い廊下だったが、廊下は透明な材質で出来ていて、その下には前にぺぺ君が操っていたカルブンクルスとかいうゴーレムがたくさん配置されていた。
「カルブンクルスを置いている倉庫の上を、オシャレな感じに廊下にしている。広報担当がやったのだが…なかなか好評でね。諸君らのように目を輝かせる若者は多い。」
「…すごいな。この光景もすごいと思うけど、ミントはこの中の一体を倒したんだろう?」
「操縦者が未熟だったとはいえ、目の前で対峙したら気後れしちゃうわね…。」
ぺぺ君が乗っていた時と違って、下にたくさんあるカルブンクルスはどれも黒い石像みたいな感じだ。燃えてる感じがしないのは操縦者がいないからなのかな?
「フジー君は以前、カルブンクルスを倒したのだったね?いやはやお見事だ。いつも講習会では毎回カルブンクルスと模擬戦をしてもらうことにしているんだが…。本来なら志願してもらってるが、今回はフジー君を指名しよう。」
「ほえ?マジすか…!」
アベルさんにその後連れられたのは魔物模擬戦闘所でも見たようなコロシアムのような造りの戦闘場であった。
いざという時にはアベルさんが助けてくれるらしく、カルブンクルスを操縦するのは、魔法学園の学生さんらしい。
なんでも運用試験をしている中でも、なかなかの好成績を残している人みたい。他の人は予定が合わなかったり講習会に協力する義務はないとかでそもそも断られたりしたらしい。
「王立ウルイーブカ学園中等部魔術運用科のアニエス・テイラーよ。よろしく冒険者さん。」
「あ、冒険者やらしてもらってるミント・フジイでーす♪今回は戦闘よろしくお願いしゃーす!」
ぺぺ君の時と同様にストーブに当たってると思うくらいの熱気を感じる。そして目の前のカルブンクルスの全身が炎で燃え盛り始める。関節部には補強するかのように黄色い石がついている。
「両者ともに魔力ポーションを3本渡してある。各自魔力が不足した時は飲んでくれ。では試合開始といこうか。
それでは……っとアニエスさん待て!」
アベルさんが試合開始を宣言する前に、カルブンクルスに搭乗済のアニエスさんは俺に腕を振り下ろしてくる。
フライング攻撃かーい…。これはアレかな?まためんどくさい性格の方か?
「…確かにランディー君が悪かったのかもしれないけど、それでもあんなに痛めつけなくて良かったじゃない…!あの傷のせいで外にも満足に出れず…!絶対許さないんだから!」
「既に助けてほしいんですけど…。おわっと!うーん無理そうだなー。なんか揉めてら〜♪」
俺が軽口を叩いている間にもカルブンクルスは腕を振り回しており、ぺぺ君のときと違って動作は速い。それと火の粉も舞っていて地味に火傷してそう。
助けが欲しくて、カルブンクルスの動きを察知できる程度にアベルさんに目を向けると、アベルがいる席がなんかバリアみたいのができてて、閉じ込められているみたいだ。
事態を察知したほかの研究員の人が部屋から出てきて、直ぐに止めようとするも、カルブンクルスの目から放たれたビーム…研究員の人がでてきた扉から観覧席にかけて辺りを薙ぎ払う。
ヒイロや二ーバス、一部の講習生は何とか喰らわなかったが、講習生の中に直撃したものなどが出てきていた。
「いやぁ…こんなことして退学になっても責任取れないっすよー。」
「私はどうせ落ちぶれた商家の出だから、退学になったところで何も怖くないわ。ランディー君とは実家が競走相手とはいえ仲良くやってたのに…!お前が…お前がぁ…!」
「逆恨み〜♪困ったなー。とりあえず頑張るか!前回と同じ感じで攻めてみよっと!えっと…水よ。我が魔法と交われ…!
魔砲騎士♪」
水の大玉と光の光線が俺の後方に出現する。前から思ってたけど光属性でもないのに光線?が出るんだよねー。実は無属性だったりするのかなぁ?まぁ、そんなことはさておき…集中っ集中!っと。明確に相手に当てるイメージをしないと水は当たらないからね!
以前と同じように水の大玉をカルブンクルスに当てていく。
腕や足に欠損ができ始めるが有効打になりえず、魔力によって修復されてしまっており、カルブンクルスが腕を組んでタックルしてくる。
「うおおおおぉ!?あっっっぶね!!!」
タックルしてきたので直ぐに後方に待機させていた光線を核の部分へとぶん投げる。俺自体はカルブンクルスの股の下をスライディングでくぐる。超熱い!二の腕やけどしたぁ…。
「お前!何をした!?」
「あら…綺麗なお顔が台無しだぁ…。」
振り返ると核の部分から顔を覗かせるアニエスさんの姿があり、その顔は左半分が血だらけになっていた。
核の中心からは左寄りに外れていたようだったが…それでも効果はあったらしく、左側の核が崩壊していた。
腕を振り回すだけではなく、燃え盛る炎からムチのようなものを展開させたり、炎の矢などを放ってくる。
そういう使い方もできるのね…。でもアニエスさんは流血しながらも操作に集中してるっぽい。
炎のムチや矢を必死の思いで避けながら、どうするかを悩んでいた。
「まぁ、とりあえず…十八番の技を使うかな♪
《魔砲騎士》《魔砲騎士》もうひとつオマケに《魔砲騎士》!!」
光線…うーん。魔力の矢っていった方がピッタリかも。
俺の身長の半分くらいの魔力の矢を3本ぶん投げる。1本は右腕、もう一本は同じところ、2本が着弾したのを確認してから最後の1本は…右側を破壊して見えた壊れてない右側の核の部分を狙う。ホントだったら左側を重点的に攻撃してアニエスさんを狙っても良かったんだけど、さすがに殺すのは忍びない…。向こうが殺す気だったとしてもねぇ…。
俺の魔法騎士三連撃を喰らうと、カルブンクルスは動かなくなり…というか崩壊した。
ぺぺ君の時と同じように瓦礫に埋もれるアニエスさん。白目を向いて腕はだらんとしているが、小刻みに動いてるから生きてはいるっぽい。
上半身の衣服は吹っ飛んでしまって、おっぱい丸見えになってる。……思わずガン見しちゃった!!でも肌が露出しているところから肉が焼ける音がしてるし…助けてあげよう。
「水よ。目の前にいるものを洗い流せ
『ハード・シャワー』!」
燃え盛っていた炎は、ほぼ鎮火していたが水魔術によって温度を下げていく。周囲に蒸気を出しながら瓦礫の温度を下げていく。助けるにしたって高温の瓦礫なんて持てやしない。
「おーい、今助けてあげますからね…?…重い!ヒイロ!ニーバス!手伝って!」
「ミント…。ほんとにお人好しねぇ…。まぁ仕方ないわね。」
「非力な俺が手伝ってどうにかなるといいが…?」
「僕も手伝わさせて頂きます。」
クロードくんも手伝ってくれて、瓦礫を協力してどけていく。他の講習生の人たちも降りてきて手伝い始める。
10分くらい経過した頃には、瓦礫をどけてアニエスさんを少し離れたところに寝かせることが出来た。
「あ、あの…私。王都支部の教会から来たチェルシーって言います。拙いとは思いますが応急処置程度には癒しの魔術を使えます…。」
「お?じゃあよろしくね!」
「はい…!」
チェルシーちゃんがアニエスさんの身体に両手をかざすと、一応は肉が焼けていた部分が治っていく。渡されていた魔力ポーションをチェルシーちゃんに渡して、本格的な治療ができる場所までの繋ぎとして回復魔術を発動してもらった。
「いやはやお見事。…フジー君、君はなかなかの有望株のようだね。感心したよ、全く監督席に予め魔力障壁の陣が敷かれているとは気付かなかったな…。思わぬ不覚をとってしまい申し訳ない。彼女は…まず治療を施さないとな。そのあとは…まぁ君らに聞かせる話でもないか。」
バリアに閉じ込められていたアベルさんが申し訳なさそうな顔をして、いつの間にか側に立っていた。そうして手配した研究員らが担架を持ってきて、そのまま運んで行った。
「それで遠くから拝見して思ったことがあるんだが…。フジー君?他の参加者の前で言ってもいいかな?君のその魔砲騎士について気づいたことを。」
「まぁ大丈夫ですよー。」
「俺が見ていて思ったことはだな、多分君のソレは…防御を貫通して相手に攻撃を与えていると思うんだ。カルブンクルスは魔力で修復できる魔石を用いている。君が戦ったのは炎を纏うタイプだが、風や水を纏うものもある。そのように属性を纏っているから魔力に対して一定の耐性がある筈なんだが…関係なしに威力が出ていた。」
「あー、なるほど。」
「…ミント。あまり理解してないな?」
「あったり〜♪」
ヒイロが俺をジト目で見ていた。だって小難しい話苦手なんだもーん。ようは結構強いってことだ。それに魔力消費もお手頃だから汎用性が高くて気に入ってるんだよねー。
そうしてなんだかんだあったけど研究所の案内はカルブンクルスの見学を終えると、あとは魔石などの製造といった市販に流通している品々の作成過程を見学するくらいだった。
そうして講習会は終わり、また馬車に揺られて…馬車乗り場まで到着する。その後は現地解散ということでクロードくんやかチェルシーちゃんに別れを告げて、俺たち3人は綱貴達が待っているであろう宿へと戻っていくのであったー。
今回は説明多めでした。あと戦闘描写入れると長くなりますねー。7000文字近くいってましたー。
だいたいいつも2500〜4500くらいなので7000文字いったのは過去一です。
話を見返してみても戦闘した回は文字数が多めです。
戦闘がない回は2500いかないぐらいでしたねー。




