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第五十九話 竜退治④

3カ月ぶりくらいの投稿。

ほぼ書き終えていて、実質付け足したのは300文字程度…。

やっぱり後でやるは駄目ですね♪

無事、その後は特に問題なく件の集落の入り口へ到着した。

だが、何か焼けた跡や木の根本に血だまりが形成されてることから何人か斥候として先に様子を見てくることとなった。


残りのメンバーは、入口で待機だ。最悪何か起きた場合は逃走の準備も整えておいてもらう。


「わぁお…。何がどうしたらこんな光景が生まれるんですかね?」


「たとえスライムが相手であろうと、前衛もなしにそれの対策すらない魔法使い数人がいったところでこうなるのは目に見えている。だろう?マークよ。」


「そうですね、隊長。全て無くなっていないのが救いですね。葬式を執り行う親族にとっては悲劇としか言えませんけど。」


偵察にきた面子は、シエル・マーク・明人・ラヴィ・ニーバスだった。


五人が見た光景は、元は魔術師達だったと思われる肉塊の数々である。殆ど原型が残ってるものはなく、棺に納めるとするならばここにある全員まとめても空きが出来るだろう。


「ミント君。すまないが、ジュレドラゴン退治は中止だ。僕らの過失だから全てとは言えないが、金貨1枚は払おう。」


「やっぱりこうも壊滅しちゃってると、新米冒険者の私達が束になったところで無駄ねー。」


マークさんが凄惨な現場を見て、依頼の中止を言う。ラヴィもあまりの状態に直視出来ず、現場から背を向けてマークさんの意見に賛同した。


「あれ?あそこら辺何だか動いてません?」


明人が指差す方向は、魔術師達が放ったと思われる火の魔法によって焦げ付いた家屋だった。中は薄暗くてよく見えないが、確かに何かが蠢いていた。


マークはシエルに制止されたが、その家屋に近寄り恐る恐る仲を窺った。そこでマークが見た光景は―



―自分に御者をしろと命令をしてきた魔術師張本人が上半身のみで口をぱくつかさせる姿だった。微かに助けて、と聞こえるがすぐにその声は掻き消えて魔術師の顔が沸騰するかのように皮膚がぼこぼこと揺れ、胸もどんどん膨れて中から何かが飛び出してこようとしていることは明白だった。


「隊長!戦闘態勢を!ミント君達もすぐに武器を構えろ!」


咄嗟に何が起ころうとしているのかを判断したマークは後方にバク転しながら剣を取りだし、戦闘態勢を整えた。


家屋の中から激しい爆裂音がして、屋根が激しく吹き飛ぶ。その吹き飛んだ屋根があった場所から4メートルはゆうにあるゼリー状の頭らしきものが現れた。形は定まっておらず牙のついた口が唯一固定された部位のため頭だと分かったほどだ。


家屋の左右に付いている窓からは、同じくゼリー状の触手が出てきて、マークが先ほど様子を窺った入口からは、続々とスライムと色違いのスライムらしき魔物が出てくる。


「不味いな…。生殖行動を行っていたか。そういや、魔術師の中に恋人やら愛人やら連れて行った馬鹿がいたし、女性魔術師も少なからずいた。」


「マーク。更に不味いことに普通のスライムだけならまだしも、亜種や変異種まで生まれているぞ。」


「一旦、馬車まで後退しましょう。そこで迎え撃ちながら王都へ撤退します。隊長は騎士団専用回線で救援要請を呼び掛けてください。」


そうして所々、魔石を用いて炎を発生させ撃退させながら馬車まで戻ると、馬車は馬車で何やら騒がしい。


「貴様らのような薄汚れた屑よりも生き残るべきなのは我々だと思わんのか!」


「黙れ。糞爺。」


綱貴が馬車に乗ろうとしてきた年配の魔術師の顔面を思い切り蹴る。思わず杖を取り出した周りの魔術師数人に対しても綱貴は素早く近寄り全員に腹パンする。


「あ、隊長!…よし、コーキ君。下がりなさい。

風よ、こやつらを吹き飛ばせ『ウインド』」


トリスが発生させた風はまとわりついていた魔術師全員を吹き飛ばし、スライムの大群から逃げていたマーク達偵察班をも乗り越えてスライムの大群の真ん前に落下した。


魔術師達は案の定、パニックに陥りスライムの大群に向けて手当たり次第に魔法を連発する。


「流石のポンコツ魔術師共も頭はあれだけど腕はそれなりにあるわね。あれなら暫く時間は稼げるでしょう。」


後ろを振り返らずにマークは、馬車をさっさと発進させた。


一方、取り残された魔術師はスライムを風の刃で切り刻んだり、炎で焼き殺したりしているものの、遠目から見た限り一向に減る気配がない。むしろどんどん集まってきて魔術師たちの逃げ場を塞いでいる。


そうして家と合体しているジュレドラゴンらしき生物が魔術師達の元へ来ると屋根から突き出た頭は一人の魔術師の肩から上を咥えそのまま持ち上げたのちに、一呑みした。

それは風の刃をしきりに展開させてスライムたちを近付けさせないようにしていた中年小太り魔術師であり彼のお蔭でスライムたちは近距離まで接近できなかった。彼が丸呑みされた今、こぞってスライムたちは残った魔術師へと集まりその胴体を侵食し始める。


簡単にいうと、体の中から喰われようとしている。一匹程度じゃせいぜい取り付いた場所に内出血を微々たる程度起こすのみ。しかも装備品さえも満足に溶かせない。だが、その数が数百匹になると、話は違ってくる。全身に…それこそ口や鼻、腹部や足に取りつき動きを徹底して封じつつ中から食い殺そうとする。


1つの壁が決壊すると、すぐ魔術師たちは全滅した。まだ生きてはいるものの数時間…いや数十分もしないうちにスライム達の養分に成り果てるだろう。


「あの数はヤバイわ…。スライムの生態って知ってる…筈ないわよね?コーキ。」


「たりめーだ。じゃあヒイロさんよ。アホな俺と明人に教えてくれ。」


マークが手綱を握り、シエルが通信石を用いてどこかに連絡している傍ら、馬車の中で特にすることもない明人らは唐突にヒイロが切り出した話題に乗っかることとした。


「まず、スライムは魔物の中じゃ最弱。これが全世界においての前提。一匹だけじゃなくて数匹固まっても武器を持てば子供だって倒すことが可能。ここまでは大丈夫かしら?」


「ああ、大丈夫だ。ようはスライムは雑魚の中の雑魚。いわばカスってことだろ。」


「だけどね…厄介な特徴が1つだけあるのよ。それは数が増えれば増えるほど強くなるの。そうね、30匹くらい集まって初めて一段階成長したような気がするわ。…単体では弱いままだけど複数だと最終的に国1つ滅ぼしたこともあるわ。」


ヒイロの突拍子もない話とスライムの謎の生態に明人と綱貴は頭がこんがらがっていた。単体では弱いが複数では強い、という矛盾が生まれる話を切り出されれば誰だってそうなるであろうが、そこはやはりトリップしてきた者だけが感じる不思議だった。


元々、この世界にいるラヴィやソルからしてみれば教養の一つであり、二人とも小さい頃はスライムの群には近づかないように言われて育っているためヒイロの話もそこまで驚かない。むしろ話というよりは明人や綱貴の反応を楽しんでいた。


意外にもニーバスは、驚いた様子もなくただ後ろから追いかけてくるスライムの群れを見ていた。全速力で動く馬車に対して、ちっとも諦めずに追いかけてきている。


「スライムっていうのは、複数になると素早くもなるんだな…。」


「…!ニーバスくん。よく気づいたわね、お手柄よ!…隊長、奴ら滑走してきてます。」


スライム達は、先程の魔術師達を養分にし終えると更に増殖を繰り返し、地面を滑ってきていた。何体かのスライムが地面と同化し、その上を仲間達が次々と通過していた。それはあの巨大なジュレドラゴンも同様であった。


「ふむ…。では、奴らに魔法でも喰らわせて少しでもペースを落とすこととしよう。騎士団に要請は送ったから、水属性以外なら何でもいい、魔法をぶちこんでやれ。」


「俺…水が主体なんですけどー。ま、仕方ないルーナさんに教えてもらったこいつをぶちこもう。

魔力よ、矢となりて奴らを射殺せ。

魔矢(エネルギーボルト)』」


明人は迎撃の為に開放された馬車の後方へ行きスライムの大群へと目を向け、そして詠唱した。

空中の白く半透明な矢が10本ほど出現し、スライムへ射出された。大きさとしてはそれほどでもないが、全弾命中した。命中したスライムを起点に僅かな範囲だが魔力が炸裂したもののスライムの数の前ではそれも束の間であった。


「《小活火山(インスタント・ヴォルケーノ)

》!」


続けて綱貴が、スライムの進路を阻むように火山を創り、迫ってきたスライムらを地面に同化しているスライムもろとも焼き尽くした。そのまま周囲を

溶岩が侵食したが、大して燃え広がらなかった。


だが、進軍速度は大きく減少させることが出来たようでみるみるうちに馬車と大群との距離は離れていく。


クアォォォォン


ここに来て初めて、ジュレドラゴンが甲高い?咆哮をあげた。するとスライム達は、それに従うかのように馬車を追うことを諦めて周囲の森の中へ散らばっていった。当のジュレドラゴンは、周りの変異種スライムの一団と共に先程の集落の方へ帰っていった。


「何とか…撒けたようだね。これはコーキくんのお陰かな?」


「それもあるかもしれんが、大分遠くだが第七騎士団の旗が揺れるのが見える。ジュレドラゴンなら尚更たくさんの武装した人間が接近してきているのは見えただろうな。それで撤退したんだろう。」


「第七か…。出来れば四か六が来てほしかったけどね。彼等も決して弱いわけではないけど、対人戦かつ防衛に重きを置いてるから、スライムと交戦したとしてもそこまで成果は挙げられないかも。」


マークは助けに来てくれたことに感謝しつつも、こういったケースに適任である他の師団が動かなかったことに関して少し落胆した。


「とりあえず彼らと合流しようか。」

えー。今回もキャラを呼んで質問コーナーをしようかと思ったんですが、何か急に質問が来たため丁度良いので解決しちゃいましょう。


Q.明人たちが異世界に来てから、大体何日くらい経過してるの?


A呼んでる感じじゃ、せいぜい数週ですが実際は2カ月くらいだと思ってください。そこら辺の描写は…今後の改稿に期待ということで♪

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