第五話 ギルド②
誤字訂正と内容を深くしました
お姉さんの話を聞き終えたあと、何故か不機嫌な幽平くんが買い取りカウンターへの階段を登って行ったので、相談とかなしに方針が決まりました。
「おい、まさか幽平お前が此処にくる途中、拾った草とかを買い取り受付に持っていく気か?」
「ああ…今は少しでも金が必要だ。…これをお前と明人で売ってきてくれ。俺は少し情報を集めてくる。酒臭い上に空気が生臭い…俺のように繊細な人間はお前らと違って耐えられないんだ。」
せっかくここまで来たので、さっさと階段を降りて何処かに行ってしまった。幽平くんの我儘は今に始まったことじゃないからもう半ば諦めてるけど、出来れば直してくれるといいな♪
他の冒険者の人が狩ってきたであろう新鮮なお肉とかを眺めていたら不在だった買い取り職員の人っぽいのが戻ってきたんですかさず話しかける。
「ああ、待たせたかい?僕はリンノー。素材買い取りカウンター又は素材買い取り所とも呼ばれてるここを担当している。以後よろしく頼むよ。」
「これ町にくる途中で拾ったんですけど、何かお金になりますかね?」
道中拾った臭い草やらやたら固い石とかをレジ袋から一つずつ取り出して受付に置いていく。あー幾らになるかなぁ?銀貨3枚にはなってほしいな♪ローさんにお金を返したいし~。
「それじゃあ、鑑定を始めるよ。」
リンノーさんは見た目ザラザラした手袋をはめ、ピンセットを取り出して鑑定を始めた。心なしか、若干雰囲気が変わったように思える、かな?
まず、あの男臭い白いタンポポみたいのに手を伸ばした。いや、ピンセットで摘まんだ。
「ふむふむ、この特徴的な鼻に付く臭いは…生命華だね。これは、主に回復薬に使われる花なんだが…いかんせん臭いがコレだから、新米冒険者、並びに熟練冒険者でさえも依頼を受けるのを敬遠するんだ…。要するに何が言いたいかと言うと、採取する人員が少ないため少し色を付けて買い取らせてもらう。そうだな…一株銅貨12枚といった所だな。
…今度はベリの果実か。これは小さな子供や女性に好まれるからいつでも需要があるよ。まあ、銅貨2枚が妥当だね。」
生命華って何かカッコいいような卑猥なようなネーミングだな。完璧に臭いとかで決めたんじゃないかな?知らないけどさ。あと、ベリの果実ってさ、完璧にイチゴでしょ!?何か地球と何だかんだで共通点あるよなこの世界…。アルファベットだって何故かあるし。
「さてさて次は…スチル鉱石か。これも同様に需要有りだから銅貨15枚。
生命華が6株、ベリの果実が8個、鉱石が一つで
銅貨103枚。…銀貨1枚と銅貨3枚になるね。」
「あの~これはどうですか?」
そう言って明人がブレザーのポケットから取り出したのは腕時計だった。しかも明らかに高級品。
今まで黙って横で様子を眺めてた綱貴は目をひんむいた。それは明人達が通っていた高校の教頭が付けていた自慢の時計だった。どうやら盗んでいたらしい。
「私の叔父が昔、周りに格の違いを見せつけようとして無理して、買ったんですけどね叔父はもう死んでしまったので売ることにしました。資金を集めなければならないので…」
叔父でも何でもないが、盗品だと疑われたら元も子もないので何とか言い訳を作り売ろうとし、
…そして辛そうな顔をしながら腕時計を差し出す明人。
「それはそれは、それでは少し色を付けて鑑定させてもらおう。ほう…これは金の装飾か……うん?これはメッキ?それに革がやわいな…。残念ながら君の叔父は偽物を掴まされていたようだ…。だが多少は装飾が豪華なので、そうだなぁ…銀貨55枚で買い取ろう。あと色をつけるのはこれっきりだからね」
あのゴリラ教頭め…!あんな見せびらかすように付けといて結局はパチもんかよ。でも…本来の目標金額はゆうに越えたしローさんからの借金とギルドからの借金も返せるし、それに武器とか防具、冒険に必要なものを買えるお金はあるね♪
「いやはや、お恥ずかしいものを見せてすいませんね~♪それとどうもありがとうございます。それではまた!」
さて!幽平と合流しよっと♪
名前考えるのがこの頃楽しくなってきました