第四十九話 方針
投稿が遅れた理由?
夏休みでゴロゴロしてました。なので今更ながら投稿です。
部屋が分からなかったが受付に聞くと、急遽部屋を変更したらしく大部屋…いや中の上くらいか?とにかく広めの部屋の前に案内された。
従業員曰く、話し合いをするから周りの迷惑にならないよう防音の部屋が良いとヒイロが言ったらしい。
「今、帰ったぞ。先に言っとくが明人は今夜帰れないらしい。…俺の背中でふて寝きめてる女によって、な?」
「ミントが…?どういうことよ!コーキ!」
「ラヴィ落ち着け。コーキも何があったかきちんと説明しろ。」
予想した通りラヴィはミントのことを心配して、言葉では俺を責めているが視線はアイに向かっている。まあ、最初は少し嘘も入れて話そうかと思ったが俺は明人ほど口八丁じゃねえからな…ばれる危険がある。だから嘘抜きで事の顛末を語った。どう考えてもこいつが悪いからな。
「なるほど~。それはアイが悪いね。いいんじゃない?アイはPT追放でさ?」
「ソル。お前はアイに味方するかと思ったんだが?頼むから、俺への感情抜きで考えてくれ」
「むー!ちゃんと考えたってば!あの遺跡でコーキと離ればなれになったときミントは私を庇って落下の衝撃を全部受けてくれたし、私に危険が来ないように一人で敵を倒してくれた。だから私のときみたいに心配してくれたミントを傷つけたアイは許せない!」
「あら、ソル?分かってるじゃない♪そこがミントの良いところよ。私もソルと同じ理由ね。仮にも心配して駆け寄ってきた相手にたいして暴力を奮うなんて…とんだ常識知らずね♪」
ってことはこの場にいる六人中二人と俺を含めて三人の票が入ってるからもう多数決的にこの女は追放だな。
とりあえずいつまでも背負ってるのは流石の俺でも疲れるから、近くの椅子におろした。
「…アイが悪いのは承知の上で言うが、皆アイのことを今回だけ許してくれないか?もし次こんなことがあったら俺も一緒にPTを出ていくから…!頼む!」
ニーバスが深く頭を下げて俺達にアイをPT追放にしないように言ってきたが、いくらニーバスの頼みでもそりゃ無理だ。俺の目の前で俺の親友をいたぶった…それだけで万死の罪に値するからな?
「仕方がないわね…良いわよ♪コーキには悪いけど私は今回だけアイの味方になるわ。」
「え?ラヴィ何で?恋人のミントが傷つけられたんだよ!?ニーバスの一言ぐらいで許して良いの?」
「多分ミントがこの場にいたら何だかんだでアイのことを庇うと思うわ。ニーバスと全く一緒のことを言って、ね?自分が酷い目に合わされてるのにアイの容態を心配するんだから私もミントの意向を尊重するわ♪だけどニーバス?次あったときは…分かってるわね?あ、後いつまでも寝たふりをしてる当事者さんは話に加わってほしいわね。」
椅子の背にもたれ掛かり寝ていたアイが、ラヴィに指摘された途端に目を開けてニーバスの横まで歩き、俺達に向けて頭を下げた。
「すいませんでした。ニーバスに免じて許して貰って。次はないように気を付けたいと思います。お互い様ということで許して頂いて感謝です。」
「誠意が感じられない謝り方だが、まぁ許してやるよ?ニーバスとミントに感謝すんだな。」
「ミントに…?いえ、分かりました。ニーバスとミントには、ただ感謝するしかありません。特にニーバス、本当にありがとうございます。」
俺は思わず腕を組んで、全員に聞こえる大きさの舌打ちをした。何がお互い様だ?てめえが100%悪いってことで話まとまっただろ!何を聞いてたんだよ!てめえは。後、ミントには感謝する気も起きないってか?クソ…事故に見せかけてこいつのこと殺してえな。
「明日の朝、一度国に帰ることになってしまいますが待っていて下さいね。お父様ときちんと話をつけてくるので。…それではお休みなさい」
そのまま部屋の隅に寄せられていたベッドへと入って毛布をかぶって寝ようとしていた。
「おい待て!まだ話は終わってねえだろうが!」
俺が奴を怒鳴り付けても、毛布を強くかぶって聞こえないふりをしやがる。くそ、胸糞悪いな
「私も若干、今のアイの態度には不信感が出てくるけど…よく考えたら王族なんだから仕方がないという感じもするわね。」
「どういうことだ…ヒイロ?」
「ここナルセール王国では、王様は優しくて民の心を大事にするような御方だけど、それ以外の国々は平民・貴族・王族、と身分がきちんと分けられてるの。平民が貴族と結婚できるのはナルセール王国だけなのよ?共和国は王国に比べると厳しくて、アイのような特権階級特有の意識を持ってる人も少なくないわ。政治形態が違うから当然かもしれないけど。」
「…所詮はお偉いさんの我が儘ってことか。確かにタニアとかは俺らのことを差別してたし、王国でもそういう奴らはいるってことだ。
…悪いがヒイロ、俺はちょっと出かけてくる。朝までには戻るようにする。」
コーキ!何処行くの、というヒイロの声を遮るように扉を閉めて追いかけて来ないうちに小走りで宿の外へと出た。
悪いが俺は喧嘩して仲直りしてない奴と同じ寝室で眠りたくない。
かつて地球にいた頃そのせいで夜中にダチから奇襲を受けたからな。恐らくアイの場合は俺を殺しにかかってくる…というのは考えすぎかもしれんが。
「これから何処行くかな?手持ちは…銅貨40枚くらいか?何だかんだで飯食ってねえから食いに行くかな。」
「ちょっとそこの君いいかな?」
虫が鳴いている腹をさすりながら歩いてると、少しガタイのいい男に呼びかけられた。見た感じこいつも日本人っぽいが、多分そうなんだろう。
「何だ?後、すまないが敬語は苦手なんでこれでいかせてもらう。」
「構わないよ。質問したいことがあるんだけどここら辺で人を見なかったかな?知り合いと待ち合わせをしていたんだが、どうも来なくてね。長期依頼から帰ってきたから話しておきたかったんだけど通信石で連絡しても出る気配がない。」
「特徴は?」
「黒髪黒目で背の高い男だ。得物は長めの槍を持っていて背中にいつも担いでる。そうそう、重度の愛煙家だからタバコをいつも吸ってる。…これは完全に蛇足だけど《白煙の竜殺し》なんていう二つ名も持ってる。」
背が高くて、武器が長い槍…そして白煙の、竜殺しって完璧タケヒトさんのことじゃねえか。
てなるとこの人PTメンバーか?
「その人ならよく知ってる。タケヒトさんだろ?」
「おお?知り合いだったか!それで何処にいるか知ってるかい?」
「冒険者ギルドで俺の親友を治療してる。」
「治療?そんなの教会の人間に任せとけばいいのに。あいつにも聖属性はあるけど、そこまで回復は得意じゃなかった筈だが…?」
ぶつぶつタケヒトさんのことについて悩み始めたんで面倒になって俺のPTの事情を簡潔に説明した。そしたら、いきなり掴みかかってきて、もっと詳しく伝えるよう言ってきた。振りほどこうとしても力が強くてほどけなかった。
「…なんと面倒なことに。全くとんだお転婆娘もいたもんだ。よし俺も後輩冒険者のために一肌脱ぐかな。
…本当は共和国に行く前に皆で一杯やろうと思ったんだが予定変更だ。通信石で他の仲間にも伝えて急いで支援しに行く。君が思ってるほどあれは甘い呪いじゃないんでね。」
それと今日は宿に戻らないほうがいい。と半ば吐き捨てるようにして通信石を片手に持ち、口元に近づけながら冒険者ギルドへと走っていった。去り際に硬貨らしきものを手渡されたので、手のひらを開いてみると銀貨が三枚入っていた。
「宿に帰るのもあの人が言った通り気まずいだろうし、この金で酒と飯でも食いに行くかな。あ、そういや名前…聞いてなかったな。」
いよいよPTが色んな意味で溝が出来てしまいそうですね。アイは自分にとって書きやすいキャラでもあるんですが最も扱いにくいキャラでもあります。
なのでこんな形になったのは自分の実力不足かなぁと思う気持ちもあったりするかな?多分…。
Q. もうさ~外伝書くのやめたら?あんな奴の話よりも本編に集中しよ?
A.前にも言いましたが、外伝は完璧に作者の趣味という道楽+執筆の実験とかもあるんで、あっちで上手く表現出来たことを本編にいかしたりしてます。外伝のせいで本編が遅れるというより完全に僕の好みで書いてるので心配せずともちゃんと出しますよ~。




