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第四十一話 騎士の町③

今回はちょくちょく視点が変わります。どうも自分の作品は地の文が少ないので…できる限り増やすように頑張りました。

「今日は見習いとはいえ騎士を目指す者の戦い方を見ることが出来て良かったです!特に見習いを指導していた教官が…」


俺とアイは、ミントには悪いと思ったが掃除を任せて騎士見習いの訓練を見学しに行き…今は宿へと帰っている途中だ。アイも余程、楽しかったみたいでさっきからずっと今日の参考になったことや騎士達の訓練のことを話している。

俺は、女の子がどういう話題で喜ぶか知らないけどこーいう戦闘の話で喜んで貰えるなら…強くなるための努力も遣り甲斐があるな♪


「…ス。ニーバス!聞いてますか!」


急にアイが肩を掴んで後ろに引き寄せたもんだから、尻餅をついてしまった。


「って…すまん、聞いてなかった。教官がどうしたって?」


「いつの話をしているのですか…。宿に着きましたのに、貴方がそのまま通りすぎてしまったから仕方なく実力行使に移らせてもらいました。」


首を傾けると、少し後ろに宿があった。外面も少しであるが掃除されたようで入口の扉に少し光沢があり、看板もまっすぐに整えられていた。


「結構頑張ったなぁ…。」


「外だけでなく屋内も見てみないと分かりませんよ?外面は綺麗でも中身が汚れているのは何事も駄目なことですから。」


アイっていつも思うけど良いこと言うよな…。俺はそういう言葉はてんで駄目だから行動でアイに見直してもらおう。


「ニーバス君にアイさん、お帰り。妹ちゃん達が一番だと思ったんだけど…。まぁ、騎士達の訓練の様子はどうだった?ここの教官をしてるのは退役した騎士や兵士…もしくは一戦を退いた冒険者だから本物の戦闘技術が教えられているんだよ。」


扉を開けると、カウンターでタケヒトさんがグラスに酒を注いで飲んでいた。既に空の酒瓶が二本、カウンターに置かれている。三本目も直ぐに飲み終わりそうだ。


「あ、はい。色々、見学していて学ぶことが出来たし教官の人とも打ち合ったりして良い訓練になりました。…後、タケヒトさん飲み過ぎじゃないですか?」


「ん…いや、これは埃被っていたのを発見してね。風味が吹っ飛んでるけど飲める範囲だから戴いているんだ。良かったらニーバス君も飲むかい?ほら、一本あげるよ♪」


一瞬酔っぱらってんのかと思ったけど、全然顔は赤くない。どうやら別のことで上機嫌みたいだな。


「少し御伺いしますが…ミントは何処に行ったのでしょうか?」


「そのことなら、もう既に部屋で休んでるよ。掃除の後、俺が厳しく訓練させたせいで部屋でおとなしくなってるみたいだ。…ちょうどいいから三人で酒を飲むと良い。」


半ば強引にグラスを三つ押し付けて、タケヒトさんは酒まだあったかな…?と三本飲みきったとは思えない足取りで奥の部屋へと入っていった。


「アイ…酒飲めるか?」


「少しだけなら平気です。それより私たちもヒイロ達が帰ってくるまで休みましょう。」


廊下にある部屋の扉を奥から見ていくと明らかにミントの筆跡でプレートが掛けられ、


〔ミント&ラヴィ〕


「部屋は、また別々か。どういう振り分けにしたんだろうな?ミントは…。」


「せっかくですから、私たちの部屋も確認して見ましょうか。」


幸いすぐ右隣にコーキ達の部屋があり、ソルードとヒイロと同じ部屋のようだ。ってことは…まさか。


〔ニーバス&アイ〕


「全くミントにも呆れるな…。アイ、俺別の部屋いくよ。」


「…別に良いですよ。私は貴方とは一緒でも…むしろ一緒にいたいです。」


他の部屋を扉を開けて確認していると、アイにそんなことを言われた。…俺も実は今、言おうと思って言い出せなかったんだ…。


「アイから言ってくれて助かったよ!他の部屋、使う気ないみたいで埃とカビまみれだったから…。ありがとな気利かせてくれて!」


「そういう意味で言ったのではありませんよ…。もういいです!さっさとミントの部屋へ入りましょう!」


「…?」


何か知らないけど、アイの機嫌が悪くなったみたいだ。やっぱり俺から言って欲しかったのか?とりあえず俺も入るか。


「おー。帰ってきたか♪デートは楽しめた?」


部屋に入ると、ミントがベッドの上で寝転がりながら足を組み何かの本を読んでいた。


「で、デートじゃありません!…騎士達の戦法を見学しに行っただけで、そんなつもりでは…ないです。」


「そうだぞ、ミント。デートなんて言うなよ…アイは本当に真剣に学んでたんだからな。」


全く…ミントは、俺はともかくアイまでからかって何が楽しいんだろうな?俺が言ったのにも関わらずまだニヤニヤしてるよ…。ただでさえ今、アイは機嫌悪いみたいなのに。


「ま、そこに突っ立てるのも疲れるでしょ?そこら辺に座ったらどう♪…って!?ニーバス!手に持ってるのはお酒かな?一回飲んでみたかったんだよね♪」


「うわっ!危ないな…。落とすところだったぞ!」


俺の手から強引に酒瓶を奪い取り、アイの持ってるグラスを一つ拝借してベッドの上でグラスに注いだ。



「俺の国じゃ、二十歳になんないと酒が飲めなかったんだ。でも、ここはそうじゃないみたいだし~これからガンガン飲むぞ~♪」


「既に酔っぱらってませんか?」


「いつもこんな感じだろ…ミントは。」


呆れ顔になってるアイの手から優しくグラスを二つ取り、テーブルに置き酒を注いだ。


「俺達も飲もうか…。」


「そうですね。」


「「乾杯」」



***


ん…何か肩を揺すられてるな。誰だろ?


「…バス。起きて!」


「うあ?…いつの間にか寝てたみたいだな。それよりヒイロいつ帰ってきたんだ?」


確か…グラスを二杯飲んだ辺りで眠くなってきたんだよな。あれ?アイは?


「アイなら部屋に帰ったよん♪ニーバスく~ん♪…全く酒に弱いな…君は。それとヒイロ達は君が寝始めてから十分後くらいに帰ってきたんだYO!」


「何故、お前は出来上がってるんだ。…それに瓶が増えてる。タケヒトさんに貰ってきたのか?」


タケヒトさんも、初めて酒を飲む奴にそんな渡さないで下さいよ…。


「う…体が重い。俺も部屋で休むかな?コーキが帰ってきたら起こしにきてくれ。」


そのまま重い体を引き摺りながら、アイが待っているであろう部屋に向かった。


~~~~~~


「ちっ!こんな遅くになるなんてよ…。ちっとは手加減しろや!フェイタルさんよ。」


「フェイで良いわ。交流がある人にはそう呼ばせているわ。」


「そうかい、フェイさん。…着いたぜここだ。」


こいつの訓練は、一種の弱いもの苛めのような感じがしてままらなかった。…何故なら、俺の攻撃を挑発するかのようにわざわざ紙一重で避け、足を引っ掛けたり後ろに回られてケツに蹴りを貰ったりもした。


気がつけば、こんな夜になっちまった。…ソルやヒイロ寝てんだろうな。ミントはわりと起きてそうな感じがするけどな。


「ふぅん。結構マシになったわね…。前来た時は埃だらけの廃屋だったのに今は、さしずめ物置かしら?」


「物置で悪かったな。一応見習い騎士の合宿所だ…見てくれは悪いけどな?」


「あらあら…副団長さ・まじゃない?久し振りね。元気にしてた?」


なんか話の感じを見てみると初対面って訳じゃなそうだな…。それにグッサさんの顔の表情がなんか嫌そうだな。タケヒトさんもそうだったけど、なんか因縁でもあんのか?


「ん?もしかしてお前…フェイか?グッサとヨリを戻したのか?」


「してねえよ、アホ!なんでこんな性悪尻軽女とまた付き合う気が起きるかってんだ!…三年前のは気の迷いだ。」


「し、しり…!尻軽女ですって!あんたふざけてんじゃないわよ!?盛ってる駄犬が!」


タケヒトさんが奥の部屋から出てきたと思えば衝撃爆弾発言をしてグッサさんとフェイの何かに触れちまったみたいだ。

口喧嘩だけには飽きたらず…既にお互いの足を蹴りあったりして何時、取っ組み合いが始まるか分かんねえ。この具合じゃ、さっさと部屋に戻んねえと俺まで巻き込まれんな。


二人の横を気付かれないように且つ迅速にすり抜け、明人が書いた汚ねえ字のプレートを見て、先に寝てるであろうヒイロとソルを起こさないように扉を開けて入った。


「すぅ…すぅ…。」


「ぅ…ん。コーキだいすき~♪」


ヒイロも起きてる時とは比べられないくらい可愛い寝息だな。…ソルも俺に好意を持ってくれてるみたいだが、多分兄貴みたいに思われてるだけだろうな。


「ぁ…ん♪み、ミントそこ…はダメぇ…♪」


…待て。一人ここに居ない奴の声が聞こえたような気がするな?

部屋には三つベッドがあり、一つにはヒイロが若干服をはだけさせて寝ている。もう一つはソルが毛布を床に落として寒そうに寝ていたのでかけ直しておいた。


「なんでこいつが俺が寝る筈の所で寝てんだよ?明人ん所じゃねーのか?」


本来、俺が寝る位置にラヴィが寝ていた。しかもご丁寧に毛布を肩までかけて仰向けでご就寝だ。寝息を聞くに完全に夢の国でネズミと遊んでんな。


起こすのも悪いと思ったから俺は仕方なく部屋を出て明人の方に行くことにした。ラヴィがこっちにいるってこたぁ、奴は一人だ。


廊下では、とうとうお互いに組み合って喧嘩をしておりフェイがグッサさんに馬乗りになって争っていた。なんか見方を変えたら…そういうプレイの最中なのかと思えてくるな…。


二人を横目に、明人の部屋を蹴り開けた。あの馬鹿が寝てようが関係ねえし、俺は今少し機嫌が悪ぃからな。


「綱貴~?扉はサッカーボールじゃ…ありませんよ~?ヒイロとずっこんばっこん出来ないからってそう怒るなよ♪だから俺と酒を飲まないか?」


「既に酔っぱらってんじゃねえか?床に転がってるの全部お前が飲ん…。はぁ!?18本も飲んでるじゃねえか!」


「おかげでお腹タプンタプンよ~♪今なら、綱貴でも俺に勝てるかもしれないネ♪何せ、俺はタケヒト師匠の厳しい訓練を乗り越えた色男だ!」


やっぱり予感が的中したな…そんなことだろうと思ったぜ。この馬鹿は、俺がいない隙に凄まじい努力をしてその後ウザイくらい自慢してくるんだ。


努力を全くしないで人を見下しまくるどっかのアホと違って明人は、頑張って技術やらを身につけるなどしてから自慢気に語る…馬鹿で節操無しな奴だが、俺がこの異世界に来てしまった今最も信頼できる仲間であり…親友だ。


「そりゃ楽しみだな。お前が酒に酔ってなくても俺は勝てるが、どれだけ強くなったかは見物だな?それとお前の場合、色男じゃなくて醜男の間違いだろ?」


明人がまたとやかく文句を言ってくるが無視して卓上にある飲みかけの酒瓶を飲み口に口を付けて一気に飲み干した。更に近くに置いてある瓶をもう一本空けた。


「お前が18本飲んだなら、俺はゆうに20はイケるな。」


「まだまだ飲み足りなかっただけですし~。俺なんて後10本くらい余裕だよ?…飲み比べしちゃう?俺の勝ちが決定してるけど♪」


「寝言は寝てから言うんだな。酔っ払いの言うことはさっぱり理解不能だ。」


その後になっても、俺たちは飲み続けお互いに顔が真っ赤になっても口喧嘩をしながら飲んだくれた。


瓶が尽きかけた頃、タケヒトさんが部屋に入ってきて溜め息をついたと思えば何かを呟き…俺と明人を何か暖かい光が包み込んだ。


そこから急に睡魔に襲われ、気が付けば明人と俺は同じベッドで眠っていた。思わずベッドから蹴り落とした。


「頭がズキズキしやがる…!全く朝っぱらからついてねえな…。目覚めて最初にみた光景が汚物とは…。畜生、もうひと眠りすっかな?」


毛布をかけて、また寝ようとしたら顔面に水を掛けられた。


「俺も可愛い彼女じゃなくてゴリラを見て朝から萎えたよ…。それと、まだしゃっきり起きてないみたいだったから顔に花瓶の水をかけてあげたよ♪あ、ヤベ♪昨日掃除したとき取り替えてなかったわ(笑)」


道理で何か腐った匂いがするはずだよ…!このアホは朝から死にてえようだな。

結局、激しい騒音を聞きつけたニーバスとアイが来るまでの暫しの間…顔をお互いつねりあったりして子供染みた喧嘩をしていた。

明人・綱貴初めてのお酒デビュー♪


タケヒトとグッサ、フェイタルそれにジキやコアには色々と昔話がありますが…気が向いたときに短編小説とかで出そうと思います。


Q.綱貴達以外のキャラの名前の由来は?



A.あまり快く思わない人もいるでしょうが…自分が好きなアニメだったり、リア友が好きなアニメだったりからとっています。

また、何人かはクラスメイトからだったりします。



もちろんクラスメイトは無許可です。…こんな小説ですが、これからも暖かく見守って下さい。

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