第三十九話 騎士の町
前回の投稿から、二週間…今日はクリスマスイブですね♪
そんなことより、またタケヒトさんによる解説ばかりに…。何だかこの人すっかり解説キャラになっちゃったなぁ…。
グッサさんに、集合時間に遅れたことの罰としていくつか…あることを命じられ、ポロローズを発ち王都へと出発した。
「うぉ!?っとっと!…タケヒトさぁん♪お馬さん交換しません?」
「明人君…どの馬も一緒だよ?それに、乗馬くらい出来なきゃこの先困るよ?…ほら、綱貴君は乗りこなして馬車の中のジキの妹と仲良く話してるぞ?」
…罰その一。女性陣を馬車に乗せて、俺達は乗馬すること。どうやら乗車人数が少ない方が速く走れるらしいけど…。素人に馬、乗りこなせって言う方が無茶ですよ~。
…綱貴は多分、何処かで覚えたんだろうけど…分数が出来ねえ馬鹿なのにどうしてこういう技能はすぐ身に付くのか…甚だ疑問だよ!
「王都ってどれくらいで着くんですか~?休みなしでとか言ったら俺…。」
「…中継地として、メディテに一泊して王都エーマハイに到着する予定だ。…普通なら手続きとか補給で何日か滞在するのだけれど、そこは騎士団だからね…手続き無しでいける。簡単にいうと警察っていった所かな?」
「騎士団って凄いですね♪…まさしくこの世界では憧れの職業なんでしょうね…。」
改めて騎士団って凄い…凄すぎる。その憧れの職業の副団長である人がすぐ近くにいるなんて実感湧かないな…。何せ、馬車の御者をやってるからなんともいえない…。よし、この話は止めて別の話題を振ろう!
「メディテってどんな町なんですか?」
「一言でいうなら、騎士の町と言ったところかな?…前騎士団長であるライティン侯爵が治めている町で騎士団の4割の人間は、かの町の出身者さ。騎士団を退役した人間も多く暮らしていて…多くの騎士の卵達が将来に向けて努力しているよ。」
ほぇ~。そんな場所じゃ冒険者ギルドは肩身が狭いだろうなぁ…。
そこら辺をタケヒトさんに聞いてみるとやっぱり、王国で一、二を争う規模が狭い町みたい…。
「このまま順調に行けば、正午過ぎくらいには到着するかもね。町についたら…ふむ…。どうしたい?」
「え?質問の意味がよく分からないんですけど♪」
「宿でゆっくり明日に備えて寝るか、軽く俺と稽古をするか選択肢があるんだけど…どうする?」
う、うーん…。明日に備えて寝るのも良いけど、多分昨日の失敗からして部屋は男女別で分けられるかもしれないな…。いや、絶対分けられる!断言できる♪
タケヒトさんと稽古、か。それも良いけど確か、タケヒトさんSランクじゃなかったっけ?手加減してもらっても一分持つかどうか分からんよ…。
「町に着くまで考えていいすか?…後、喋ってたら馬の操縦に慣れてきました♪」
「そうか、それは良かった。」
そのまま器用に俺の隣で並走したかと思うと、微笑みながら俺の頭をガシガシ撫でて賞賛の言葉をくれた。褒めてくれるのは嬉しいけど、なんか子供扱いされてるよなぁ…。
気がすんだのか分からないけど、撫でるのを止めてグッサさんの方へと行き、並走しながら話し始めた。なんか会話の所々に不吉な単語が聞こえるし…さっさと馬の操縦に集中しちまお♪
あれから馬を走り続けさせ、タケヒトさんの予測通り正午くらいに着いた。太陽も真上にあるし…多分そうだろう。
「ナルセール王国騎士団副団長、グッサ・ピッカンテだ。此処へは王都への中継地として寄った。…こんなとこでいいか?」
「いいぞ。…別に俺としては、こんな手続き要らんが上が煩いんでな。折角久し振りに来たんだ。ぜひ、デミー様に会っていてくれよ~。…同期の仲ってことで!」
「勿論そうするに決まってる。だが、今は後ろの奴等を宿に案内しないといけねぇんだ。」
「ん?タケヒトもいるし、いいんじゃないか?…こいつならあそこの宿、顔パスだろ?…てことで!坊や達~グッサ借りてくぜ?」
俺達の返事を聞かないままグッサさんを引っ張って行ってしまった。…随分、グッサさんと同期にしては仲良かったみたいだけど、あの髪と顔といい…日本人だよね?あの人…。
「聞かれる前に答えておくと、あいつはユースケと言ってグッサと同じ時期に騎士団に入隊したらしいんだが…その前の経歴は不明だ。歳は奴曰く26だそうだ。」
「やっぱりトリッパーですか?…多いですね。」
「確かに多いが…その内の二割は町に辿り着く前に、死亡やら誘拐に遭うけどね。…冒険者になるという輩は、3割ちょいかな?やっぱり皆死ぬのが怖いみたいでな…。それより、さっさと宿に向かうよ。」
三割…か。一体、その中の何割が冒険者として成功すんだろうな…。もしかしてかも知れないけどタケヒトさんは、俺と綱貴が依頼を達成したから話しかけて来てくれたのかな?…おそらく何人も俺達の前に死んでるんだろう…。ま、別に冷たい様だけど俺等に関係ないし~前向きに生きましょっと♪
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「ここが、今日一日泊まる宿だよ。…そんなに落ち込まなくてもいいさ。外面はどうだろうと中は、整備されているよ。」
騎士の町ってことでタケヒトさんの後に続き、町の様子を見ながら宿に向かって…着いてみれば、なんかゴツくて看板が傾いている建物だった。
「…なんか、わたしの家みた~い。コーキとミント、ラヴィにヒイロは来たことあるでしょ?」
「私は…怪我で意識が朦朧だったけど、確かに何か砦みたいな家だったわね♪」
「はん!成る程な。中に、施設があるからこんなゴツくなってんのか!」
前にコアさん家に行った時は図書館やら浴場があったからな。行ったのは図書館だけだが、中が広けりゃ外がゴツくなんのかね?
「その…何だ?この中途半端な感じ…。」
「取り合えず目につきやすい場所だけを掃除しただけのようですね。床と天井が埃とカビまみれです…。」
俺と明人は、あんぐり口を開けて驚いてたが、埃が口に入って咳き込んだ。
それを見たニーバスとソルが急いで口を押さえた。ヒイロ達は最初からハンカチやら手で押さえてたけどな。
「まさかこの前来たときから一度も…そんなわけないよな…?」
「なかったらこんなことになってないと思いますよ♪要するにタケヒトさんが前来た時から一度も掃除をされていないということですかー?」
「残念ながらな。…部屋はマシだといいんだが…。」
凄い呆れた顔をしながらタケヒトさんは入口の正面にあった扉を蹴り開け、部屋に入っていった。…場所的に管理人室とかかな?
「このあと、どうする?俺はタケヒトさんと楽しくお話ししよっかなって思ってんだけど♪」
「ソルと一緒に、少し知り合いに会いに行ってくるわ。…さっきお兄様の知り合いの騎士がいたから…。」
「俺は…適当にぶらついてくる。一通りぶらぶらしたら戻ってくる。」
「私とニーバスは、この町の騎士候補生の練習風景を見たりして己を高めようかと。…武器は違いますが、見て真似できる箇所もあると思うので。」
お?これは…上手くいけばタケヒトさんと話し終えた後に、ラヴィと初!デートに行けちゃったりして♪
「ん~じゃあ、私もヒイロに付いて行こうかな♪…残念!また今度ね?ミント♪」
脆くも初デート計画が崩れちゃった♪どうして俺は、こう…グイグイ行けないんだろうな…。
「ふぅ…世話が焼ける。ん?明人君、それとラヴィちゃん。掃除を手伝ってくれないかな?」
「ごめんなさい♪これから買い物行くんで~。」
部屋から出てきたタケヒトさんから逃げるようにラヴィが外へ走っていった。…ちょっと待てよ?もしかして!?
タケヒトさんが俺とラヴィの名前しか言わないもんだから周囲を見てみると…皆いつの間にか消えていた。あの真面目なアイさんでさえも…。そりゃそうだ、こんな汚ねえ所居たくもないもんなぁ…。
「何、大丈夫さ。俺はこの廊下をキレイにしとくから明人君はそこの部屋を息苦しくない程度に片付けてくれればいい。…ここの管理人も今から頑張ってくれるらしいしな?」
「うへ…了解。」
うわ…言っちゃ悪いけど、すげぇメタボだな…。それにすげぇ汗臭い!?頭にコブが出来てることからタケヒトさんにせかされて嫌々やるって顔してるや…。
「ほら…始めるぞ?」
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「予想以上に早く終わったな。ん?明人君、心配しなくても残りはこのメタヴォがやるから平気だ。…グッサ達が帰ってくるまで雑談でもしてようじゃないか?」
「うっす♪…えっとじゃあ、メタボさん?頼みましたよ~。」
「ボ、じゃねえ!ヴォ、だ!」
ぶふ!くっ…くく!ま、マジで名前、メタヴォなのか♪この世界じゃ、言葉自体ないからそんな名前もあんだな…多分だけど♪
バタン!
「さて、明人君?まず君に聞きたい事があるんだ。」
そう言ってタケヒトさんは懐から銅貨、銀貨、金貨をそれぞれ一枚ずつ出した。
「君…お金の価値分かってるかどうかを聞きたくてね?…銅貨何枚で銀貨に、銀貨何枚で、金貨になるかをきちんと理解してるかい?」
「銅貨50枚で…」
「残念。…100枚で銀貨一枚さ。銀貨50枚で金貨一枚になる。…分かりやすく言うと銅貨一枚が百円で、銀貨は一万円札かな?金貨は五十万円だよ。」
え?ってことは、金貨をじゃらじゃら持ってる人って五十万円の金を持ってるのと一緒ってこと!?…スゲー!
「…あと、金貨の上に晶貨というものがあって金貨10枚で一枚さ。つまり、五百万円だね。生憎、いまは手持ちにないんだよ。ギルドに20枚ほど預けてるけど。」
「すげぇ金持ちですね~。…俺も成れるよう頑張りますよ。」
「なら、これから俺と特訓しようじゃないか。聞いたよ?謎の槍士に惜敗したらしいね?…そんじゃそこらの相手に負けないように鍛え直してあげよう!」
え!?いや…そんなことをしてもらわなくても…。
俺がグズグズ躊躇ってると、俺にとって耳よりな情報を教えてくれた♪
「レベル上がるよ?それに魔法もいくつか教えるよ?冒険者の知識もまだまだたくさんあるんだけどなぁ…?明人君が嫌がってるなら、止めよっかな?」
「ぜひ、やらせて下さい。」
レベルが上がる…。つまり、綱貴にも差がつけられる!…それにあの筋力バカは滅多に魔法を使用すらしないから、俺がこの機に力の違いを見せつけてやらなきゃな♪
「良かったよ♪君が承諾してくれて!…俺、ここにくる前までは教職を目指していてな…生徒や弟子?を持つのに憧れてたんだよ。」
これは…タケヒトさんの好感度かなり高いかもしれない♪タケヒトさん優しいし、なんかフランク?な感じあるし…そんなに鬼教官なことはせんだろ♪
「…じゃあ、訓練所は地下にあるんだけど、そこまで俺の相棒を持って移動してくれ♪先に行って軽く準備を整えておく。」
お~。タケヒトさん超上機嫌♪…やっぱりいいな…こういう師弟の絆みたいなもん。
訓練所に向かった師匠の為にも壁に立て掛けてあるタケヒトさんの相棒…即ち武器である槍を手に取った。
「っん!お、重た!?」
いつか、綱貴が持ってた斧の十倍…いやそれ以上に重く、また持つ所がよくわからないので引きずるしか持っていけない…。それでもすげぇ重い!
「ん?紙が挟まってる。…何々?“重かったら引き摺り可。何せ俺も珠に引き摺ってるし。”…師匠もこう言ってるし、さっさと持っていこ。」
うんとこしょ!どっこいしょぉぉと!はぁ…重い。さっきは優しいとか思ったけどこんなもんをわざわざ置いてくなんて悪意を感じるよ…。
あれ?でも待てよ?確か、持ち方、片手で持ってたよな!?人差し指だけで支えてバランス取ったりしてたってことは…師匠にとっては苦じゃ、ない?
そういや、選ばれた者以外が持つと極度に重くなったり、発熱したり、よくラノベであったなぁ♪もしかして…
「聖剣?いや、槍だから聖槍かな?これ背負いながら乗馬もしてたし…。こりゃ、決定かも♪」
だけど、その前に俺の肩が先にくたばっちゃうかもしれない♪なんか重みが増してきた気もするし、何より訓練所まで行けるか自分のことながら…心配だ。
最後に明かされたタケヒトが持ってた武器は聖なる槍…略して聖槍です♪
他にも、まだ出しませんが聖斧とか魔剣やらあります。
深く言い過ぎるとネタバレタイムになっちまうので…そろそろ自問自答に移ります。
Q.明人達以外の出てきたキャラの武器を教えて!
A.大体ですけど…
ジキ…片手剣
グッサ…拳(格闘?)
ヨース…棍
ロー…片手剣(ジキより大)
ブラクノ…細剣
ナレフ神父…剣全般
レム…拳と大槌(大斧)




