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番外編① もう一つの危機

この話は時系列的に、綱貴達と別れた後のヒイロとソルードの話です。不快になるような表現が多々ありますが…ご了承を。



「コーキ達は無事行ったみたいね…。スノウのことも心配だけど、コーキ…絶対無茶すると思うわ…。」


「大丈夫だよ…お兄ちゃんは、とぉ~ても強いんだから!それにわたし一筋の‘わたしだけ’の王子様だからね♪」


「そ、そうなの。コーキも愛されているみたいで羨ましいわ。…でも分かるわ…コーキって意外と優しくて、面白いし何より一緒にいて安心するのよね…。」


ヒイロとソルードがコーキ談義をしている間にも戦闘は進んでいた。


「おいおい!?ヨースさんじゃねぇかァ!いや、久しぶりに会ったもんだ。…アンタにかけられた不殺の呪いのせいで山賊稼業に支障がでたってのに…。お気楽なモンだよな?修道士サマは…それとも女の子を助ける騎士気取りか?」


「…まさかお前がこの一件に関わってるとはな…。それとも今さら、祖国の糞みたいな誇りを思い出して教会に破壊活動か?…俺は獣人差別主義者じゃねえが、帝国国民は大半の知能が薄いと思われるな。…後、言っておくが、お前じゃ俺に勝てないぜ?」


「そんなこと分かってるさ。だから、俺よりも強い上司と仲間に任せることにして、俺はあそこの嬢ちゃんでも戴くかな?…見たところ両方良いとこのガキみてえだから、散々ヤった後に身代金要求もいいかもな…っと!あぶねえ!?」


ヨースが不意打ち際に、手に持っている昆とは別に隠し持っていた短剣で斬りかかったが…頬にかすっただけで避けられてしまった。そのまま、ヒイロ達の方へと近づいていった。

追おうにも、既に周囲には…


「部下が世話になったな。まぁ、取り合えず死ねよ?テメェら援護しろ!この豚顔をぶち殺すぞ!」


ウォォォォォォォォ!!


「…ほぅ?たったこれだけの人数で俺を殺すなんて言うなんてな?上等だ…俺を殺したいんだったら、最低でもAランク冒険者5人は必要だと思え。」


上司?らしき男の初撃をいともたやすく避けて、魔法による援護射撃も上手く受け流して…周りの賊を少しずつ倒すも、当分はヒイロ達を助けにはいけないだろう…。何せ数がやっぱり多い。

ここに明人や綱貴がいたら、瞬く間に瞬殺されてもいただろうが…。




「ひ!さっきのおお…おじさん…!」


「私達は簡単には、屈さないわよ!それにあなた、不殺とか言ってたのに結局、殺すの?」


「んな訳ねえだろ?…あらよっと!」


半ば不意打ちのようにヒイロに向けて棍棒を振るった。咄嗟に避けたが…


「やりぃ♪ひっかかったな!」


ふるっていた棍棒を瞬く間にヒイロの足元に投げつけて、背中の大きい棍棒を抜くと…それをヒイロに打ち付けた。


「…きゃ!…っけほ!」


足元に投げつけられた棍棒のせいでバランスを崩し…もろ腹部に命中してしまった。


グキ!


更に、ヒイロの体の上に足を乗っけて、棍棒はヒイロの顔の上に位置している。手を放されたら…ヒイロの顔が潰れてしまうだろう。


「…ヒイロを離してよ!」


「やなこった。ヨースの野郎が苦しむ姿を見てえからな♪この嬢ちゃんは痛めつけてた後、頂くにして…お前は、今からヤってやるよ?」


「ひぃ!…た、助け…!」


「来ねえに決まってんだろ?…ひひ!おらおら?」


ヒイロを足蹴にすると、ソルードに近付き…上着を剥ぎ、中に着ていた下着を露にさせた。


ベロベロベロベロ…


「…ぁ…キモチワルイ…。」


「そろそろ…下も頂くか……!?」


男がソルードのスカートに手を伸ばした瞬間…!男の手が焼けた。…咄嗟に手を引っ込めたおかげなのか…そこまで致命傷ではないようだ。


「コロス…コロシテヤル!焼ケ焦ゲチャエ!」


ソルードの瞳から光が完全に消え、言葉が片言になると…ソルードの周りに自然と火の玉が浮き出した。


「…保護者か何かが魔法でもかけてたみたいだな?さっきの嬢ちゃんと似ているが魔力が違う…。暴走してるみたいだな…ここは逃げるとするか。女の子の柔肌を舐められただけでも役得だしな♪」


ヒイロに打ち付けた棍棒を素早く回収し、森の中へと逃げようとした。


「モエロ…!」


周りに浮遊していた火の玉が全て男に飛んでいき、更には1メートル大のものも投げつけた。


「…ちっ!デカイのに当たるくらいなら、小さいの数発のほうが大分マシだ!」


言葉の通り…呻き声を挙げながら数発喰らい、森の中へと消えていった。


「…おい!?マリーの野郎…一人でとんずらこきやがった!くそっ…あのアホが!」


「余所見してる暇があるのか?…意識があるのはお前と俺の足元に転がってる奴だけみたいだぞ?」


「は?…うべ!?」


そのまま、男の上司の顔を昆で潰した。鼻が潰れて歯も粉砕されたみたいだが、なんとか生きてるみたいだ。足元に転がってる賊も直ぐに意識を奪った。


「ふぅ…!完了だ。おい、コアん所の餓鬼とジキの妹、無事か?…妹ちゃんの方は、怪我が酷いな…。通信石で救護班を呼ぶか…。そして、っと!餓鬼んちょは暴走状態、か?」


ヒイロとソルードが酷い目に遭っている間、十数人を一人で片付けたヨースだったが…次の仕事は暴走状態のソルードを止める作業だった。…既に何度か火の玉を避けているが、どうも近づこうとすると放ってくるようだ。


「…強硬的に行くしかねえな…。ほんの数秒で片付ければいい話だ。」


そして、一気にソルードの方へと近付いていった。…近付くにつれ、炎の玉の大きさや熱さが上がったり、火の渦や鞭の出現…。果てには、光の矢までもがヨースに襲い掛かった。


「まだまだひよっこだな…。威力がなっちゃいねえ。こんなモンじゃ俺の肌に焼け跡一つ付けられねえよ…。そら!悪いな…嬢ちゃん?」


なるべく避けながらも火の玉や矢に当たっていたが、ヨースには傷一つ付いてはいなかった。そしてそのまま強引に押しきり…ソルードの首に手刀を入れた。


「…安心しな?俺の手刀含め、格闘の腕はナレフ神父に次ぐ実力だ。……あ、そうか腕が良いって自分でいってんだから気絶してんに決まってるか。…一人で何言ってんだかな…俺は?」


「ケホッ!…ぐ、ぅ…」


「ジキの妹の手当てをしなきゃな…。傷でも残そうものなら…確実にしばかれるな…。ラグナみたいに治癒術は得意じゃねえけど、時間をかければ何とか表面だけでも治せるかもな…。流石に内側まではラグナの領分だ。…ちょいと失礼。」


ヒイロの身体の素肌が出るように服を所々めくりながら、少しずつ外面の傷を治していった。胸や腰などの箇所は大分、効果は薄れるが…服の上から治癒をかけた。

徐々に痛みが和らいだことに安心したのか、ヒイロはいつの間にか夢の世界へと旅立っていた。


「…嬢ちゃん二人でおねんねかよ…?運ぶにしても避難所が無事かどうかも分からんしな…。まぁ、そこらを走り回ってるだろう騎士やら修道士に聞きゃいいか…。救護班もわざわざ呼ばなくてもそこにいるだろうしな。」



***********


うん…?あれここどこだろ?周りに人がたくさんいるし…避難所かな?でも、私あの時賊の男に襲われて…そこから記憶にないや…。誰かが運んでくれたのかな?


「っん…。ぅ!」


「ヒイロ!?無事で良かった!ごめんね私のせいで…。」


起きた時には気づかなかったけど、すぐ横にヒイロが寝ていたみたい。でも、顔色が少し良くないし…怪我が酷いのかな…?


「ソルード…さんで良かったかな?今、ドルチェ嬢は安静してなければ駄目なんだ。…大丈夫。後、数十分でまた仲良く話せるはずだよ。」


「ぐすっ…ありがとう。なら私も側で見守るだけにする。…ところでお兄さんだれ?」


「…ああ。そこまで警戒しなくていいよ。僕は、ヴィヴィアン…。エスルビエ子爵家の四男坊で騎士団2番隊隊員さ。今の任務は、ここの神殿の防衛だよ。…何かあったら僕以外にも騎士は後三人いるから声をかけてくれ。」


「…わかった。」


「なら安心だ。それと君の仲間の少年と女の子は向こうの方で仲良く話してたよ。ドルチェ嬢が元気になったら行ってみるといい。」


そして、少し駆け足になりながら入り口へと行き仲間の赤毛の騎士に平謝りしている。どうやら見張りの交代の時刻にもかかわらずソルードにお節介を妬いていたようだ。


「私も、もう少し寝よ…。」


まだ疲れが残っていたようで体は簡単に眠りの準備へと入っていた。そして、また眠りについた…ヒイロに寄り添いながら。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ガタッ!ザワ…


「うん…誰かまた来たのかな?あ!ヒイロのこと枕にしちゃってた!?怪我が酷くなってたらどうしよ…。」


「大丈夫よ。ソル…。すっかり痛みも引いたわ…まだ何となく体が重たいけどね?…それよりまだ避難してなかった人がいたのかしら?騎士ならもう少し静かに入ってくるはず…なのに…。え?」


ヒイロ達の目の前にいたのは綱貴だった。どこか、人を探すかのように首を左右に振っている。毛布を被って寝転がっているヒイロとソルードには気がついてはいないようだ。



「えっと?明人の奴は……お?居た居た♪」


どうやら明人を探していたようだが…ラヴィといちゃついている姿を見て少し口元が緩んでいる。…仲間が無事で無意識に喜んでいるみたいだった。

だが、ヒイロやソルードはただでさえ、片方は賊にめったうちにされたり、もう片方は危うく純潔を失う寸前だったことから自然と目が潤みはじめ…そのまま起き上がると、綱貴に向かって駆け出して行き…その頼りになる背中や腰に各々抱きつき…自分の不安だった気持ちを打ち明けたのであった。


「ぐすっ…お兄ちゃん…。ソル、とっても恐かったよ…。」


「コーキ。ごめんなさい…。今はこうして抱き締めさせて頂戴。すぐ…治まるから…!」


…綱貴は二人の頭を優しく撫で、緊張の糸が切れたのか二人とも安らかにそのまま綱貴の腕の中で眠ったのであった。

あれ?おかしいな…ヒイロとソルよりもヨースさんが活躍しちゃってたよ…。

というよりヨース無双のお話となってしまいました。プロットでは、もう少しヒイロは善戦するはずだったのですが…。



ヨースと因縁のある男は…後で登場人物に追加しておきたいと思います。



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