第一話 高校生
改稿しました!
誤字訂正と内容を深くしました。
「今日俺は高校三年となった訳だが、自己紹介という無駄なイベントのせいで、初っぱなから気まずい出だしとなってしまった。」
明らかに言いがかりを言う青年、藤意明人は悪友二人に意見を求める。
「これから改善すりゃ、良い話じゃねえか!!」
こいつは清水綱貴、少し汗臭いが…良い奴だ。
「自業自得…名前だけで良かった…と思う。」
痛いところを突きやがる…こいつは熊田幽平。無口だが、俺の最高の親友だ。
ちなみにどんな自己紹介したって?それはだな…
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[回想]
「私はあなた達の自己を尊重しますので、好きに自己紹介をしてください。」
「はーい♪俺、いっきまーす!」
ゲーム以外で、勉強でも徹夜などしたことがないこの俺が明け方まで考えたとっておきの自己紹介!
「みんな~♪俺の名前は藤意明人!頭の中では3人彼女がいるリア充なイケメンな俺を今年一年よろしくな♪」
しーん……………
あれ?教室の空気がなんだかおかしいぞ…。なんだかみんなが冷たい目で俺を見てる…。え?スベッた?…綱貴?ってお前!?その何があったの?って顔は、さては寝てたろ…お前!…幽平は~あれ?いない!?…どちらにしても俺はこの気まずい雰囲気のまま一人でいなきゃなんねえのか……?
「では次の人、立候補して下さい。藤意君なかなか良かったですよ。これでスベってなければパーフェクトでした♪」
先生!お願いですから傷口を抉らないで!?畜生…他の奴等の実力でも拝見させてもらおうじゃねえか!
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「結局あの後、大半は名前と趣味位だった…。たまに俺と同じようにするやつもいたが…なんであいつは大ウケしてんの!?おかしいだろ!?まぁ…俺も笑ってしまった人間だが…。」
「お前の…顔が悪いんだろ。馬鹿じゃねえの?」
「幽平!言い過ぎだ…。確かにこいつは馬鹿でアホだが、言っていけない言葉とかあんだろ?」
「はぁ?俺の言葉が全てだろ?でしゃばるからそんな目に遭うんだろ…。」
ヤバイ…。また幽平と綱貴が喧嘩しだしたよ…。結局は綱貴が折れてくれるけど…暫く機嫌悪くなるよなぁ、絶対。
ここは場を和ますために…!
「はいは~い♪そこまでにしてね♪とりあえず皆さん?便所で一服しに行こうぜ?気分が爽快!でハイになれるかもよ?」
「っち!明人に免じて許してやるよ。ったく…ざけんじゃねえ…。」
「こいつ…ホント我が儘だな…。」
いつもの如く、やっぱり幽平の機嫌が悪くなっちゃったよぉ…。さて、どうしようか?
「は?このドア開かねえぞ?…おい!」
ドン!
「おい。学校のもん蹴ってんじゃねえよ…。本当、すぐ頭に血が昇んな…お前?」
「まあまあ…。落ち着きたまえ♪ここは優しく押せば、きっとドアは俺たちの思いに答えてくれるはずだ!」
いくら便意を催していようと、トイレは神聖なモノなのだ。きちんと紳士的な対応をとらなければならない。
「あれ?何か簡単に開きそうだな?幽平が蹴るからがたついたんじゃないか?…まあ、いいや君ら先に出し終わっても待っててくれたまえよ♪俺~出が悪いからさ!」
―そして俺は扉に手を掛けた。