第9章:修業の始まり
久しぶりの投稿です!今回の章では、ウゼンがこの異世界の情報を学び始め、ついに訓練を受ける決意をします。新たな出会いや「ランク制度」も登場し、少しずつ世界のスケールが見えてくる内容になっています。どうぞお楽しみください!
黄色く輝く石が入ったランタンを手に取り、地域の地図と本を広げる。地図には約15ヶ国が描かれており、この地域は〈ユークレイ〉と呼ばれている。リンドン王国はごく小さく、ラザロス帝国と国境を接している。
「帝国の領土はリンドンの20倍以上か…皇帝は何が目的だったんだ?」
答えを推測するのは無理そうだ。代わりに、手にした『ジョーンズの魔物図鑑』という日記風の本をめくる。
「冒険者が書いたモンスター図鑑か。面白そうだが…[エイドン]があれば実際に遭遇した時に詳細がわかるだけだ」
ふと、末尾の「危険度ランク表」が目に入る。
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**[魔物強度階級表]**
ランク1 ─ 魔獣級
ランク2 ─ 上級種
ランク3 ─ 化身級
ランク4 ─ 古種
ランク5 ─ 超越者
ランク6 ─ 不死級
ランク7 ─ 幽界種
ランク8 ─ 秘法級
ランク9 ─ 原初種
ランク10 ─ 創造兵器
ランク11 ─ 天変級
ランク12 ─ 小神級
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「こいつは恐ろしいな…記録上最強はランク6の〈オプライトドン〉か。都市一つを一日で壊滅させたとか」
「俺の現在の実力だと…化身級と戦えるか?実際に会わないとわからんが…」
思考が扉のノックで中断される。開けっ放しのドアの前に、今朝会った少女が立っていた。
**(ユゼン)**
「やあ、入っていいよ。名前、教えてくれたっけ?」
**(クロエ)**
「女性の名前を忘れるなんて失礼ね。クロエよ。リーズさんが食事を届けるように言ってたわ」
無愛想に食事を渡され、ドアを閉められる。スープはジャガイモとニンジンだけの質素なものだ。
「うーん…味はまあまあか。肉さえあれば…いや、元の世界の料理には及ばないな」
食事後、鍵をかけてベッドに倒れ込む。
「異世界初日にして…随分充実した一日だった…」
すぐに深い眠りに落ちた。
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**翌朝**
エネルギーに満ちて目覚める。新しい服(戦利品の黒シャツにブーツ)に着替え、剣を腰に下げる。
「[インファイター]があれば、剣術もすぐ覚えられるはず…」
街へ出て、老婆にリーズの居場所を聞く。
**(老婆)**
「まっすぐ進めば中央広場よ。若者たちの訓練場になってる」
広場では大勢が木刀や真剣で練習していた。リーズを見つけ、剣の指導を依頼する。
**(リーズ)**
「ならアイアン様を紹介しよう。彼なら教えられる」
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**訓練場の奥**
木製の演台に立つ男──鋭い眼光、革鎧姿の精悍な戦士がいた。
**(リーズ)**
「我々の指導者、アイアン様です。虐殺を生き延びた唯一の騎士」
**(アイアン)**
「よそ者は関わるな…が、才能は認めよう。短期集中で教える」
冷や汗が頬を伝う。
(こいつ…強い!だがこの特訓で俺はもっと強くなる──!)
**(ユゼン)**
「よろしくお願いします!」
ここまで読んでくださってありがとうございます!
この章では、「イウクレイ地方」の広さやモンスターの強さを示すランクなど、異世界の情報を少しずつ明らかにしました。そして、ウゼンがようやく訓練を受けるチャンスを得ます。次回はいよいよ本格的な修行が始まります。今後の展開もお楽しみに!