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デート!?

・・・これは、どういうことなのだろうか?


俺、確か視力は左右両方の目が2.0だったはずなのだが。


俺は、目をこすりながら、目の前にあるものを見る。


時計だ。 俺が、むかしっから愛用してる、小型の目覚まし時計。 黒をベースにしたものだ。


って、そんなことはどうでもいい!!! 今、重要なのは時計じゃなくて・・・。


時計の指している時刻である。


俺の目に狂いがないとすれば、時計の長針は11を指していて、短針は6を指している。


・・・11時30分。


確か、授業は8時30分からだったハズで・・・。


「う、うわぁぁぁぁーーーーー!!!!!」


俺は思わず大声で叫ぶ。


ヤバイ! ヤバイって!!! 入学式の翌日から遅刻だと!!? っざけんな!


エリート街道まっしぐらな俺に、そんなことがあっていいはずがない!!!


俺は、慌ててベッドから飛び出す。 そして、制服を取り出して、急ぎながら着替える。


着替え終わったら、俺はすぐかばんを引っつかんで、教室に向かおうとして・・・。


・・・!!? うそだろっ!!? よりによってこんなときに、教科書準備すんの忘れた、だと!!?


俺は、昨日の俺を殴り飛ばしたい気分で、教科書をかばんに詰める。


だぁぁぁっ!!! いつもだったら、授業の前日の夜には、きちんとかばんを整理するのに・・・。


まじ、何やってんだよ俺!!! 


俺は、自分を叱り飛ばしながら、ふと、同室者のことを思い出す。


・・・あいつ、なんで俺のことを起こさなかったんだよ!!! いや、ちょっと待てよ。 あいつも、まだ寝てたりして。 あぁ、くそっ!!! なんで、俺がこんな目に・・・。


俺は、かばんの中に一通り教科書を詰め込むと、右手でかばんをつかんで、小部屋の鍵を開けて、バンッ、と乱暴にドアを開く。


そして、雅人の小部屋まで走っていくと、乱暴にドアを叩く。


「おいっ、雅人!!! おきてるか!!? つか、いるか!!?」


大声で聞くが、部屋の中から返事は聞こえてこない。


・・・、あいつ、おいてきやがった。


俺が、そう恨めがましく思ったとたん、雅人の小部屋のドアが開く。


「あ、ゆうさん。 おはようございます。 どうしたんですか? そんなに、慌てて。」


雅人は、ジャージを着ていて眠そうに、俺に向かって微笑む。


あ、こいつ、やっぱ、こう、微笑んでると可愛いんだよな。 


そういや・・・。


俺は急に、昨晩の出来事を思い出して、顔を赤くする。


『ゆうさんは僕が守ります。』


雅人が昨日言ってくれた言葉。


むちゃくちゃうれしかった。


俺は、今まで恋愛沙汰なんか興味なかったし、自分がそういうこととは無関係だった。


だから、これは初恋・・・。


それでもって、はじめて好きになったヤツに、自分のことがすきだって言ってもらえて、すごくうれしかった。 


その上、守ります、って・・・。


俺は、頭の中で、雅人のその一言をリピートしながら顔を真っ赤にしてうつむく。


・・・やばい。 言葉じゃ言い切れないほどうれしい。 恋って、こんなものなんだ。


今まで、俺は恋愛なんてロクでもねーもんで、そんな感情この世に必要ねーって、思ってた。


けど・・・。 誰かを大事に思うってのも、悪くはないのかもしれない。


俺、本気で雅人のことが好きなんだ。


・・・なことを、俺が考えてたまるか!!! っざけんな!!! 恋愛だなんて、ぜってーくだらねーよ!!!


俺は、さっきまでの自分の考えを、必死に頭の隅に追いやる。


つか、何考えてんだ俺!!! 頭いかれちまってんじゃねーよ!!!


俺は、ぶんぶんと頭を横に振る。


消えろ!!! 変な考え方。 さっさとせるんだ!!!


もはや、まじめに俺の脳はいかれてしまったらしい。


俺が、一人どたばたとしていると、いきなり、顔を両手で包まれる。


「!?」


俺がびっくりして雅人に目をやると、雅人はやさしく微笑む。


「ゆうさん。 どうしたんですか? 顔、真っ赤ですよ?」


そういうと、雅人は自分の額を、俺の額にくっつける。


-ドキッ。


俺の心臓の、脈を打つ音がひときわ大きくなり、スピードも速まる。


しばらくして、雅人は俺から額を離した。


「そんなに熱くないですね。 風邪じゃないみたいです。 でも、なんで制服なんですか?」


俺は、さっきにも増して、顔をほてらせながら、大声で、あっ、と漏らす。


そういや・・・。


「授業!!? おい、雅人!!! てめ、っざけんじゃねえぞ!!! なにが、何で制服なんですか?、だよ! 時計見たのかよ!!?」


俺が、思い出して、早口でまくし立てる。


あー、くそっ、こんのぉ!!! あー、やばいって。 もう、俺、マジでやべー!!! これも全部この。くそ雅人のせいだ!!! まじ、ふざけんな!!!


俺が、心の中で悪態をついていると。


「? 今、11時30分くらいなんじゃないですか?」


雅人は、首を傾げてきた。


・・・ぶっ殺す。 


なにが、11時30分くらいなんじゃないですか?、だ!!! 授業どうすんだ!!! くそっ。


「ゆうさん?」


俺はいらいらしながら、「あぁ?」と雅人をにらみつけながら聞き返す。


我ながら、悪い性格をしていると思うが、そこは気にしない!


「えっと、制服着てるので勘違いしてると思いますが、今日、日曜日ですよ?」


・・・ニチヨウビ。 にちようび。 日曜日。


日曜日!!!


学校休みじゃん!


ってことは・・・。 俺、馬鹿みたいに一人で騒いでいたわけか。


俺は、恥ずかしくなって、自分の部屋に帰ろうと、体の向きを変えた。


「わるい、勘違いしてた。」


俺は小声でそう呟いて、歩き出そうとすると、いきなり右手をつかまれた。


「ゆうさん、今日、日曜ですし、僕とデートしませんか?」

更新、一週間ぶりですね。

こんにちわ、炎翠です!

春休み明けでどたばたしていました(汗

今回、話、特に進展はありませんでしたね。

てか、雅人、無茶振りすごいですね。←作者の癖に何言ってんだ!

俺様のつもりの主人公より、雅人のが俺様かもしれませんね(笑

よかったら、感想など、書いてくださるとうれしいです。

あと、読んでくださる皆様方ありがとうございます!!!


では。

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