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ファーストキス!?

「ゆうさん。 僕、ゆうさんが好きです。 僕と付き合ってください。」


耳元で囁かれて、俺の体が大きく揺れる。


・・・こいつ、今、なんていった。 俺ら、男だぞ?


いや、まあ、俺もこいつに惚れたかもしんない・・・けどよ、いや、俺は認めねぇー!!!


絶対に認めないからな!


俺が心の中で固く決意すると、耳元で田中がまた囁く。


「ゆうさん。 僕と付き合ってください。」


「っざけんな!!!」


俺の決意は固かった。 心の中ではすごくどきどきしていて、顔まで真っ赤なくせに、頑張って声を張り上げる。


完璧な人間になる予定の俺が、同性愛なんかするかよ! バーカ!!!


「ゆうさん。 ふざけるな、といっている割には、顔赤い。 やっぱり、僕に惚れているんですね。 うれしいです。」


こいつ、自称「僕」で敬語を使う割には、中身がかなり自己中だろ!?


「勝手なこと言うんじゃねえよ!! つか、この体勢きもい! さっさと放しやがれ!!! それに、お前、ホモじゃねえって言ってたじゃんかよ!」


俺は、必死に抵抗するが、田中の腕の中からは逃れられない。


「人前だったんで、嘘をつきました。 すみません。」


田中の声が少しさびしそうな声をしていて、俺の心臓は、ドクンッ、と鳴る。


・・・そんな声すんなよ。 俺まで悲しくなるだろ。 


俺はさりげなく心の中で自分が思ったことに、後から気づいて猛反対する。


いや、違う!!! 田中がかわいそうで、心優しい俺が共感してやっているんだ!!!


「おい、田中。」


俺は、不機嫌そうな声を出した。


「雅人。」


「ハッ?」


田中がいきなり自らの名前を呼ぶので、意味がわかんなくて思わずきつい口調になる。


まあ、元から性格ひねくれてるんだけどっ、そこはいいんだよ!!


「雅人って呼んでください。」


「あぁ? 雅人? なんで?」


俺が、思いっきり意味わかんないです、という声をあげると「なんでもです。」と、雅人に返される。


「それより、おまえさ、どこで何をどうすれば俺に惚れるわけ? それとも、俺のことからかってんの?」


からかっているに100パーセント俺はかけるな。 と、俺が思っていると、雅人はいきなり腕をほどく。


「? やっぱからかってたわけ・・・、んっ!!?」


いきなり腕をほどかれ少しびっくりしていると、いきなり雅人に口付けされる。


俺は、びっくりして、慌ててあとずさる。


「おい、てめ何しやがんだよ!!!」


俺はそういいながら、肩で呼吸する。


まじびびった。 ・・・まてよ。 おい、これって、俺のファーストキス!!?


俺が、今まででも十分赤かった顔をさらに赤くして雅人をにらみつけていると、雅人は真顔で見つめてくる。


「ゆうさん。 その顔、僕を誘っているんですか?」


「っっ!!? なっ、ざけんじゃねえぞ! てめえ、何様のつもりだよ、勝手に人を抱いたり、・・・その、キス、したりとかよ!!」


俺は、恥ずかしくて顔を伏せながらも、言葉だけは威勢良くしゃべる。


「え、まさか、ゆうさん、さっきのファーストキス?」


・・・。 なんで分かるんだよ!!! こんちくしょう!!!


「は、んなわけねーだろ!!?」


とりあえず、俺は強がって見せる。


すると、雅人はにっこりと微笑んだ。


「うれしいです。 僕がゆうさんのファーストキスの相手だなんて。」


だから、なぜ分かる!!? おかしいだろ!? ぜってーおかしいって。


「ゆうさん、俺と付き合ってください。」


そういいながら、雅人は俺に迫ってくる。 俺はそれに驚いてじりじりとあとずさる。


「だから、男同士だろ!? てめ、頭冷やしやがれ! つか、なんで俺!? 俺以外を当たれよ! 男が好きならよ!!! つか、てめぇ、人をからかうのもいい加減にしやがれ!!!」


俺がそういった直後、背中に壁がぶつかる。 


・・・やばっ、逃げ道がない!


「ゆうさん。」


そう呟くと、雅人は俺の両手首をまとめて片手でつかみ、頭の上に固定する。


「おい、てめ、何する気だ!!?」


俺が、慌てて叫ぶ。


・・・やばい。 この状況、絶対にやばい。 どうしよう。 


「ゆうさん。 僕、ゆうさんに一目ぼれしました。 顔、可愛すぎます。 ちょっと、我慢できそうにありません。 でも、僕のせいにしないでくださいね。 可愛すぎる、ゆうさんがいけないんです。 それに、人がせっかく我慢しているのに、その顔で誘われたらかなうはずありません。」


「はっ、ざけんな! 誘ってなんか・・・、ひゃっ・・・。」


雅人がいきなり、俺の耳をなめる。


それに反応して、思わず高い声を出す俺。


俺は、自分の高い声が恥ずかしくなり、必死で逃げようともがくのに、雅人はそんなの許してくれず、さらに強い力で拘束される。


俺は、せめてもと、思いっきり雅人をめねつけ、暴言を吐く。


「おい、何しやがんだよ、この変態!!」


雅人はそんな俺をみて、微笑する。


あ、やっぱこいつ、かわいいな・・・。 ちがーう!!! 今のは気のせい、ってか、俺、理解してますか? この状況! 危ないんですよ、俺。 何のんきなこと考えてやがるんだ!!!


「ゆうさん、やっぱりどう見ても僕のこと誘ってますね。」


違う! ありえねー、ぜっっったいにありえん!!!


そういいたかったが、いえなかった。 


雅人に、また唇をふさがれてしまったから。


「んっ、んん・・・やめ、・・・。」


必死に抵抗するが、全く無意味。 


そうこうするうちに、雅人の手が俺の着ていた制服のボタンを外しにかかる。


マジでやられる。


俺がそう思ったとき、部屋の電話が鳴った。


雅人が、電話に気を配る。 その隙に俺は、雅人の手を振り解いて、自分用の小部屋に逃げ込んだ。




---バタンッ。


勢いよくドアを閉めて、鍵を急いでかける。


・・・あぶなかった。


俺は、心臓のうるさいぐらいに鳴る鼓動を落ち着かせようと、深呼吸する。


危ないと思ったし、嫌だとも思ったけど、俺・・・。


心のどこかで、待ち望んでたような気もする。




やっぱり俺は、雅人に惚れてしまったらしい。

こんにちは、炎翠です!

前回よりは、まともにしようと思いましたが、だめでした。

どうすれば、もっとうまくかけるんでしょうか。と、悩んでいます。

そういえば、今気づいたんですけど、サブタイトルに必ず「!?」が、最後についているんですよね。 

いったいどこまで続くんでしょうか、自分でも気になります。


ここまで、読んでくださった皆さん、ありがとうございました。

もし、よろしければ、誤字脱字、意見等をお聞かせください。


次話も気が向いたら見てやってください。 では。

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