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バスケ部!?

・・・ギリセーフ!!!


俺は思わずガッツポーズをとりそうになる。


バスケ部の仮入部にかろうじて間に合ったのだ。


時計を見ると、集合時間まであと一分だった。


つか、こんなに集合ぎりぎりになるなんて・・・。


まさか、この俺が・・・。


これは、これは、凌戯のせいだからな!!!


あいつが待ち合わせ時間に遅れたせいなんだよっっ。


・・・いや、俺が待ち合わせ時間決めたから、俺のせいかな?


うっ・・・。


なんか、すごく覚えがある。


凌戯が早めに行こうって言ってたのに、俺がそんな急がなくていいだろって待ち合わせ時間を遅くしたんだよな。


・・・そしたら、俺、凌戯に悪いことしたよな。


俺がそう思って少し申し訳なさそうな顔をして凌戯を見上げると(むかつくことに、雅人と言い凌戯といい、二人とも俺より背が高い。 つか、俺より背が低い人の方があまり、というか全く見かけない。)、凌戯は少し目を見開く。


でも、それも一瞬のことで、すぐににっこりと微笑む。


「どうしたんだ? そんな可愛い顔して。」


凌戯がそう言って、俺の顔をのぞきこむ。


前言撤回。


凌戯に悪いことしたって謝ってやんねー。


むしろざまあみろって話だ。


俺が可愛いって言われるの、嫌いだって知っててあいつ・・・。


こんくそっ!!!


ゆるさねえからな!!!


俺は思いっきり凌戯をにらむ。


っていっても、凌戯は俺のコンプレックスを知っている上で、俺をからかっているだけなのは分かっているんだが・・・。


むかつく。


くそぅ!!! なんか悪口言ってやりたくても、凌戯は完璧ってぐらいの男前で・・・。


うっ・・・、どうせ俺なんかちびで童顔なんだよ!!!


なんか文句あるかー!!!


俺は半ばやけっくそで、一人、いじけていた。


---キーンコーンカーンコーン


みたいな感じで、チャイムが鳴った。


仮入部の練習開始の合図だ。


顧問が体育館にやってきて、バスケコートで、自由に練習していた先輩達が集まってきた。


「あ、一年生はそこに並んで。」


顧問がそう言って、先輩の隣を指差す。


けど、そんなことより・・・。


顧問がすっげ可愛いんだけど。


いや、別に変な意味じゃない!!


そうじゃなくって、顧問が、すっげ童顔で可愛いんだ!


こいつがバスケやるのか? って感じな・・・。


まあ、俺よりは身長高いけど。


って、当たり前か。


先生が俺より小さいって言うのはないよな。


・・・俺、150cmだから。


別に、身長は生まれつきだから仕方ねーんだよ!!!


それに、これから成長期でグンと伸びる予定なんだ!!!


だから、今の身長は気にしない!


毎日牛乳だって飲んでるし、小魚も食べてるし・・・。


・・・なんか、俺、自分が少しかわいそうになってきた。


ま、そんなことはおいといて。


俺ら一年生は、顧問に指差された場所へと向かう。


一年生が移動し終えると、部長らしき人が、声を張り上げた。


「こんにちわ!」


それにあわして、周りの部員たちも復唱する。


「よろしくお願いします!」


部長が言うと、これまた部員全員で復唱する。


俺たち一年生も、先輩方と一緒に復唱した。


こうして、バスケ部の仮入部が始まった。






「一年生は休憩! 二年はディフェンスやって。 三年はオフェンス。」


部長が指示する。


それに対して、部員たちは「はい!」と答える。


俺たちは、部長に指示されたとおり、休憩、つまりは水分補給を始める。


   AM10:00


仮入部が始まってから、一時間が経過した。


俺たちは、この一時間、シュートの基本であるレイアップを教わって、練習していた。


レイアップとは、片手にボールを乗せ、リングの間際でボールを手から離すシュートで、一番シュートの入る確立の高いものだ。


バックボードに跳ね返らせてボールをリングに入れるのが一般的だ。


俺は中学の時、バスケ部に三年間入っていて、これでもレギュラーだった。


だから、レイアップも軽くできて、少し暇だった。


先輩達に混ざって試合やりてーな、みたいな。


・・・バスケやってる割には背、低いってのは気にすんじゃねーぞ!


まだ成長期じゃないから、仕方ないんだよ、これは!!!


将来、ぐんと伸びるための成長期なんだよ!!!


・・・にしても。


俺は先輩達のプレイを見て、思わず「すげー。」と声を漏らした。


上手いのだ。


それもめちゃくちゃ。


三年生はスリーポイントをバンバン入れるし、スクリーンのかけ方も上手くて、ディフェンスの動きを確実に遮る。


でも、二年生のディフェンスが負けているかというと、別にそういうわけでもなかった。


三年生がゴール付近に入り込んでくるのを確実に防いでいるのだ。


そのせいで、三年生は確実に点を取れず、スリーポイントを狙っていたのだった。


俺が、二年生と三年生の動きをあっけにとられてみていると、隣から、ヒョイと凌戯が顔を出す。


「すげーな。 さすが高校。 なんか、レベルたかいな。」


「あぁ。」


俺は、凌戯の言葉に頷きながらも、目はバスケコートに釘付けだった。


絶対バスケ部に入ろっ!!!


俺は、仮入部一日目にして、早くもバスケ部に入ることに決めたのだった。

こんにちは! 炎翠です。



よかったら感想やご意見などいただけるとうれしいです。

誤字脱字や、アドバイスなどありましたら、それもお聞かせください。


あと新作「Scarlet snow -深紅の雪-」というファンタジーを書き始めましたので、よかったらみてやってください!

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