一目ぼれ!?
俺の名前は本条祐樹。今年で、高1だ。
そんな俺は、今日から全寮制男子校に入ることになった。
家からは、結構離れていて、車で二時間かかる。
なぜそんな遠いところに入学したかって?
そんなの、俺の勝手だ!!
俺は、馴れないブレザーの制服に着替えながら、期待に胸を膨らます。
俺が通う予定の学校は、超一流。
偏差値70なければ入れないと言われている。
俺は、必死の努力で勉強して、この学校。明智学園に受かった。
なぜそこまで努力してこの学校に入ったかというと。
俺は負けず嫌いだからだ!!!
小さい頃から、他人には何でも負けたくないらしく、勉強も運動も人一倍励んだ。
そして、ようやくこの明智学園に受かったということだ。
それと、もうひとつ。さらに重大な理由があったりなかったり・・・。
「で、でけぇ。」
俺は、親に明知学園まで車で送ってもらった。
そして、校門を見上げてみると、限りなく高いのだ。5、6メートルぐらいはあるのではないか?と、疑いたくなる。
・・・さすが、超一流学校。 ヤベッ、俺、こんなところに受かるなんてすげーかも。
いや、でも俺のこと。 受かって当然か。
一般人が聞いたら、間違いなく怒るだろう台詞をほざく。
俺は、深呼吸して学校の中へと足を踏み入れた。
入学式。
コレでもか! というぐらい贅沢だった。
まず、式場がでかい! しかも、大理石!で、むちゃきれい。 そして、なんかよく分からんが、オーケストラまで出てきて演奏してるし!?
母さん、父さん。俺、もしかしたら、とんでもないところに来てしまいました。
俺は、頭はいいし、運動だってできる。
だけど、これでも育ちは庶民だ。はやくも、こんなところに来て俺は後悔していた。
おい! 何考えてんだよ、俺!!
俺は、頭をブンブンと横に振る。
俺は今は、まだなれていないけど、大人になったらコレぐらいの金持ちになるんだ!
なにうろたえてるんだ! これくらい、トーゼンだ、当然!
これも、一般人が聞いたら、ぶちぎれる台詞だ。
そんなこんなで、入学式は緊張しっぱなしで終わった。
入学式が終わると、自分たちの教室を案内される。
先生は、一通り寮生活の説明をすると、しばらく待機してくれ、といって、教室を出て行く。
俺のクラスは、30人ほどなのだが。
・・・でかい。 あぁ、こういうのがいわゆるお金持ちの生活なんだ。 そっか。
いくら、将来お金持ちになる予定だとしても、こういうのには馴れない。
さっさと一人になりたかった。のだが。
なぜか、さっきから、周囲の人に見られている気がする。
そして、こそこそ話をされる。
くそっ。なんか文句でもあんのか。あるんなら言えよ!
俺がそう思っていらいらしていると。
「はじめまして。 僕、田中雅人です。」
隣の奴がそういいながら、にっこりと笑いかけてくる。
おっ。 はじめて声かけられた。
俺は、そう思いながら「はじめまして。」とかえす。
「俺、本条祐樹。 よろしく。」
俺はそう言って、すこしハニカミながら、手を差し出す。
その手を見てから、田中はじっと俺の顔を見る。
「・・・かわいいですね。 すごく、男の子には見えないんですど。 それに、身長的にも、高校生に見えないって言いますか。」
田中は、そういって、俺の手を握り返してくるのだが。
・・・。 っっざけんな!!! 悪かったな。 どーせ、俺は童顔で女みたいな顔で、背も小さくてどこからどう見ても小学生ですよ!!!
この、超一流学校ではそんな偏見されないって期待した俺が馬鹿でした。
全寮制学校にはいれば、少しは男らしくなれるかなって、期待した俺が馬鹿でしたよ。
なんか、文句ありますか。
俺の淡くはかない期待はぼろぼろに崩れ去る。
中学では、友達には散々子ども扱いされてかわいがられ、女子にまで、「可愛い!!」と言われる始末。
俺は、それが嫌で嫌でたまらなくて、頭いいとこならそんな偏見はないだろう、わずかな期待をこめてここにきたのに・・・。
全寮制に入れば、俺も男磨きができると思ったのに・・・。
俺は、心の中の叫びを必死で押さえ、田中に向かっていう。
「可愛くて悪かったな。 顔なんて生まれつきだろ。 しょうがないだろ。」
俺の愛想を尽くした結果だ。
すると、田中は少し微笑んで「いいえ。」という。
「僕、好きですよ。 本条さんの顔。 恋人にしたいくらいです。 あ、そうだ。 ゆうさんって呼んでいいですか?」
俺はそのときの田中の表情をじっと見入る。
なんか、微笑んでるのがかわいい。 ・・・じゃなくって!
俺は、思いっきり顔をしかめながら、「恋人って、おまえはホモかよ。 つか、ゆうさんってなんだし。 っていうか、なんで敬語なんだよ。」と呟く。
この時、俺の顔は真っ赤になっていた。
なんか分からないが、きっと田中の言葉に照れていたのだろう。
ここまで、直球に可愛いといわれたのは、初めてだった。
今までの奴らは、みんな俺に多少は気を使ってくれていたのだ。
てか、なんだよコイツ!!? いきなり、人のこと可愛いとか、っざけんな!
そう思いながらも、俺の顔はどんどん赤くなってゆく。
自分でも分かる。
俺は、認めたくないが。いや、周りがそういうだけで、絶対に違うが、ホモすれすれ地点らしい。
・・・、まさか俺、こいつにほれたのか!?
いわゆる一目ぼれって奴ですか!?
つか、俺ってホモなわけ!!?
はじめまして! 炎翠です! 初投稿です!!
なので、へたれな感じですが、許してやってください。(汗
BL作品なんですが、いかがでしたか?
意見や感想などを書いてもらえると、かなりうれしいです。
気が向いたら、書いてやってください。
また、気が向いて次話でもよんでもらえたらうれしいです!