闇の導き
「これでこの区域で暴れてる奴等は片付けたか?」
僕はグロスター・タウンで暴れていた者達を全て無力化した後、周囲にもう町を争うとする者がいないか闇魔法で探りを入れたが、どうやら先程倒した奴等で終わりのようだ。
「さて、今の所アルフォンスは上手くやってくれているみたいだね」
アルフォンスには僕の代理として周囲に指示を出したり、情報を纏め纏めた物を伝えてもらっているんだけど、その際声を僕の声に変換する魔道具を使って声を変えて支持を出してもらっているのだが、アルフォンスから急を要する連絡が来ないという事は、今の所誰にも僕が不在だという事がバレてないという事だろう。
だけど、僕が現状髑髏の闇騎士として行動している事は、様々なリスクを背負っている事に変わりない。
だから僕は可能な限り早くこの状況を収束させる必要があるし、マリンの事も気になって仕方がなかった。
僕はグロスターに向かう途中で、マリンの魔力を探してみたが見つける事が出来なかった。
だからと言って中央広場の爆発には、巻き込まれた!
なんてことは僕より後方にいたからありえないとなると、残る可能性はあの指令書を見ている以上、この街を混乱に招いた事に関与しているアーサニークの元に向かった、と考えるのが妥当だと思う。
(頼むから早まった事だけはしないでくれよ)
僕はこの事態を一秒でも早く治め、可能な限り早くマリンの安全を確保する為にも。急いで隣の地区であるユティカ・タウンへと向かった。
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こうして僕はグロスター・タウンから反時計回りに回る様に各地域を巡って、各地域を混乱に陥れる暴徒達を鎮圧して回ったが、暴徒の数は多かった訳ではない為、一地域の混乱を治めるのに対して時間はかからなかった。
正直エレンの実家があるカムデンのように、各地域の自警団だけでも時間を掛ければ対応できる地域もあったので、かなりのハイスピードで事態は収束に向かっている。
そして4つ目の地域であるプリンストンの暴動を収めた後、どう行動するかで迷っていた。
この街サナッタ・シティは、中心地であるアーク・タウンの周囲を12の地域を囲んでいる作りになっている為、僕が反時計周りに地域を回り、エレン率いる聖騎士隊に時計回りに各地域を回ってもらう事で、効率的に各地域の動乱を収めて行くように動いていた。
そして僕の判断をエレン達聖騎士隊も察知してくれたから、僕は今の所聖騎士隊と鉢合わせする事なくスムーズに各地を回れているのだが、ペース的に考えたらこのまま反時計回りに地域を回ると、エレン達と鉢合わせになる可能性が高い。
だから僕はアルフォンスからエレン達の動向に関する連絡を待ちつつ、エレン達がこの地域にもう来ていないか己の目と闇魔法で確認している。
なんせエレンは僕の今の姿である髑髏の闇騎士を快く思っていない以上、鉢合わせだけは避けておきたい。
正直今エレンと鉢合わせたら
「髑髏の闇騎士!
今日こそお縄についてもらうわ!!」
とか言いながら、僕に全力で切りかかってくる姿が安易に想像出来てしまう。
そんな事態を避ける為にもエレン達の動向を早く掴み、この街の最北に位置するモーリス・タウンに一刻早く向かいたいのだが、エレン達の動向を把握しない事にはモーリスに向かうに向かえない。
まず無いとは思っているけど、エレン達が予想以上に暴徒の鎮圧に手間取って進行が遅れてい場合、先にエレン達の手助けに向かうか、エレン達が進むルートでまだ辿り着いていない地域の鎮圧を僕も手伝う必要がある。
要はモーリス以外の地域の暴動を抑えた終わった後に、エレン達にもモーリスタウンに向かってもらうのが、確実に効率よくかつ最短でこの状況を収束出来ると僕は踏んでいる。
なんせモーリス・タウンは、サナッタ・シティを構成する13地域の最大の面積を持ち、中央地域であるアークと唯一土地が面していない地域であるため、土地の広さ故どうして人でが欲しくなる。
だから効率を考えると、どうしてもモーリスは最後に対応せざる負えなかった。
それにモーリスタで、この騒動を起こした主犯格であるアーサニークファミリーだが、ここ最近あらゆる方面から勢力を削られているため、各地域が一斉に混乱に陥ろうとも、事態が発生してから一時間にも満たないのであれば、大した事は出来ない。
なんせアーサニークはファミリーのボスであっても、モーリスの有権者である以上表立って暴動に参加する事は出来ない。
その証拠に、モーリスでは現在大きな混乱が起きたという知らせは入っていないから、僕はモーリス以外の地域の暴動を収めて回る事が出来ているのだけど、今大人しくしていても今後奴等がどう動いてくるかまでは分からない。
「さて、後は僕の読みと判断が間違ってない事を祈るしかないか」
そんな事を考えていると
(!!!
何だ……この感覚は?)
突如不思議な感覚が僕を襲った。
とある方角から、途轍もない違和感と言うか、不快感を感じる。。
「一体何なんだ?
この異様な感覚は」
(……ムカエ)
突如頭に、聞き覚えのある言葉が響く?
「シェイド?
シェイドなのか!?」
頭に響いた声の主は、この神遺物に宿る闇の精霊の声だった。
神遺物を身に着けた時以来、久しぶりに響いた声の主に僕は問う。
(向かえ、この先で同胞ガ……)
僕の問いに対してシェイドが答えた。
「同胞?
一体の何の事を言っている?」
(……)
シェイドはそれ以上何も語らず、これで闇の精霊の言葉は途切れた。
ロクな説明もなくシェイドに向かえと言われ場所は、きっと未だに感じる異様な感覚を感じる方向なのは、何となく分かった。
(この感覚を感じる先には一体何が?)
そんな事を考えていると
「まさかココでお前と鉢合わせるなんてね!
髑髏の闇騎士!!
今日こそお縄についてもらうわ!!!」
遠くから予想通り過ぎるセリフかつ、現状最も聞きたいと思っていないセリフが聞こえてきた。
「しまったな……」
異質な感覚を気にし過ぎてエレン達の探知を怠ってしまったのが、本日二度目の激しい後悔に苛まされる結果に繋がる。
最後までこの話を読んで頂きありがとうございました。




