泥棒が終わった後
前回見つけていた侵入経路であるダクト内からカジノ内に侵入した私は、天井を伝って中を進み、空調の隙間からメインホールの様子を覗いて見ると、今日のカジノは普段より大繁盛して人がごった返している。
たけどその様子は、私からすると嫌悪感を抱く様子でしかなかった。
「はぁ……ここでお金を落とすという事が、どんな結果になるか分かってるのかな? この人達。
いつか自分達の住む場所を奪うかもしれない相手に、そのための活動資金を提供してるようなものなんだよ……」
このカジノの収益って、形式的には合法で得ているお金なんだろうけど、そのお金が良からぬことに使われいるという事をしったら、この火事にお金を入れてしまった人達は何と思うんだろう?
「知らなかった!」と言ってシラを切るのかな?
それとも「世の中そんなものだろう」と周囲への無関心さを曝け出したりするのかな?
私の頭にはそんなロクでもない答えしか頭に浮かんでこなかったのは、このカジノでお金を落とすと言う事が、結果的には間接的にアーサニークの活動を手助けしている事に気が付いていない人達を、軽蔑対象として見ているからなのかもしれない。
(だからと言ってこの人達に真実を伝えても、このカジノでお金でお金を使うの止めてくれる人って、極僅かなんだろうなぁ……)
そんな事を考えてしまうと、私はさっき決意したある事に対する思いが揺らぎそうになったので、一端この事に考えるのは止めて、本来の目的である下見をさっさと終わらせるように、頭を切り替えて行動し始めた。
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「う~ん……やぱりコレだけが人が多いと、昨日の考えた逃げ道は仕えなさそう」
私は昨日とあまりも大きく変化カジノの状況を見て素直にそう思った。
「きっと明日はもっと多くの人が押し寄せてくるだろうから、また一からルートを練り直しかなぁ……」
昨日必死に考えた事が徒労になってしまった事にゲンナリしつつ、この状況下でどうやったら盗みが上手く行くのか?
その方法を再度試案するためにも、私は再びカジノ内を誰にも見つからないように駆け回った。
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「前よりハードルは上がったけど、何とか追手が来ても撒けそうかな」
改ためて想像以上に込み合った事で、警備の人間が増えたカジノ内での逃走ルートの目途がたった以上、下手に長居すれば誰かに察知されるかもしれないので、私はさっさとカジノ内から去ろうとした時、咄嗟に後方から人の気配を感じ取った私は、素早くその身を物陰に潜め
(もしかして誰かに見られた!?)
その事を警戒しつつ人の気配を感じた後方を確認すると、人の姿は見当たらない。
(……気の所為だったのかな?)
私その後も何度か誰かに追われていないか、細心の注意を払いつつカジノを後にしたけど、結局先程感じた誰かの気配を一切感じる事無くカジノから撤収する。
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マリーンがカジノから撤収し終えたあと、その遥か後方に誰にも気づかれる事なく突如姿を現したのは、イルミナーテンの大司教だった!
「あの子、使えそうですね」
そして大司教はマリーンの行動を何時からかは分からないが監視していたようで、マリーンを監視している途中、大司教は何かを思いついたようで、顔を隠していたローブから唯一見えるその口元は、よからぬ事を企んでいそうな怪しさを感じる笑みを浮かべていたのであった。
死者の日の前夜祭当日になっても、モーリスタウンは朝から活気を見せているんだけど、それも水の聖女であるルーサ・ルカ様の影響で、今日も水の聖女様は多くの人の話を聞くために昨日急遽用意された特設会場にて、この町の人達との対談の機会を設けていた。
なんでも今日のお昼まではモーリス・タウンに滞在してくれるみたいだけど、流石に本来の目的である死者の日の祭事に関するお仕事があるから、その時間がこの町に滞在できるギリギリのスケジュール見たい。
正直昨日は別れ際に微妙な感じでルーサ・ルカ様と別れちゃったから、もしもう一度会って直接話が出来るならしたいと思ったけど、基本ルーサ・ルカ様との対談は一人一回までになっているので、私がルーサ・ルカ様と話す機会は当分なさそうだと思った。
「せっかくルーサ・ルカ様の話を聞いて、私がアーサニークをこの町から追い出せた後にやる事を思い付けたから、そのお礼ぐらいは言いたかったな」
私はルーサ・ルカ様の話を聞いた時に思ったのが「私はアーサニークに復讐を果たせた後はどうするのか?」その事を一切考えていないという事を思い知らされた。
そして昨晩家に戻ってからしばらく考えて、私がアーサニークへの復讐出が終わった後に私は
『モーリス・タウンの再興の為に、尽力を尽したい』
そう心から私は思ったから、アーサニークをこのモーリス・タウンから追い出せた暁には、私はまずサナッタ・シティの人達に、私はモーリス家唯一の生き残りである事を伝え、もし私の事をこの町……いや、この街の人達が受け入れてくれた時は、私はモーリス・タウンの統治者になって、モーリス・タウンの再興の為に動く事を決意した。
だから決意を与えてくれる切っ掛けをくれたルーサ・ルカ様に直接お礼を良いたかったんだよね。
それにルーサ・ルカ様のお陰で決まった新しい目標を叶えるには、まず私はアーサニークからこの町を取り戻さなくちゃいけない。
(その為ににも今日の仕事は必ず成功させないと!)
私は心の底からそう思ったから、来るべき本番の時に備えて体をゆっくり休める事にした。
最後までこの話を読んで頂きありがとうございました。




