一方的な裁き
先程まで明るかった屋敷が、突如真っ暗闇に包まれた事で、その原因を探る為にブローウニンの部下達が、動力室に慌てて訪れる。
「……おい、見ろよコレ! 動力制御用の魔力炉が、ぶっ壊されちまってるぞ!」
「誰だよ……こんな事して俺達に喧嘩売って来る命知らずは!」
「……そいつを調べるのが俺達の仕事だろ。
とりあえず、こんだけ派手に魔道具が壊されてるんなら、間違いなく侵入者は何処かに居る!
急いでブローウニン様と、屋敷にいる全員にこの事を知らせろ!」
豪快に破壊された動力室の制御用魔道具を見て、これが誰かの仕業だとスグに理解したブローウニンの部下達は、急いでこの状況を屋敷全体に知らせようとする。
【ドグシャ!】
突如何処からともなく現れた謎の存在が、ブローウニンの部下の一人を動力室の壁に頭を叩きつけ、狭い動力室に人の頭が潰される醜い音が響き渡った!
そして、その事に気が付いた他のブローウニンの配下達も、何処からともなく現れた謎の存在の手によって、叫ぶ間もなく次々と物言わぬ者へと変えられていく。
*
(なんだ……あっけないな)
人間良好な視界を失い、音を拾う事が出来ないと、大きな隙を晒す。
こんなの予想はしていた事だけど
「予想より遥かに事が上手く行くって、案外つまらない物」
ほんの数秒でブローウニンの配下4人を片付けた際に、僕はそう思ってしまった。
”ピィィィィィーーーーー”
(これは、非常事態を知らせる魔道具の音!)
そんな事を考えしまうぐらい油断していたためか、動力室の外で待機していたブローウニンの部下の存在に気が付けていなかった僕は、敵に侵入者発見の知らせを与えてしまった。
(……しまった)
この時、僕がそう思ったのは”異常を知らせられた事で、自身に危険が迫るから”ではなくて
「暗闇に紛れながら、この屋敷に居る悪党共に、暗闇から音もなく襲われる恐怖を味合わせつつ、裁きの徹底を下せないから」
だった。 だから僕は、必死に逃げ惑うブローウニンの部下を追う事はしなかった。
なぜなら、アイツの辿る結末も、今僕の近くで転がっている者と同じなのだから、一人残さず裁きの鉄槌を下すのだから、焦る必要はないと思った。
こうして屋敷に僕の存在が知れ渡ったので、僕は自分の姿を隠しながら襲撃する事を止め、正面から堂々とブローウニンの部下達と対峙を始める。
ありとあらゆる手を使って、ブローウニンの部下達は僕の侵攻を止めようとするけど、神遺物であるダークネス・オブ・ヘイトレドを装着している僕の前には、全ての攻撃が無意味だった。
そして本日最大の標的を探しつつ、ブローウニン・ドラッグファミリー1人1人に、確実に裁きの鉄槌を下して周り始める。
そして最も多くの悪党が集まっていたホールにて、多くの悪党共に裁きを下していると、僕にとって今回の最大の標的であるブローウニンが、怒声を上げてホールに入ってきた。
しかし入ってきた時の威勢の良さは、ホールで無残に醜態を晒している部下達の姿を目の当たりすると、ブローウニンは先程とは打って変わって、唖然としている姿を僕に晒す。
(ハハハハ、世間から恐れられている悪党が、そんな間抜けな顔を堂々と晒したら、悪党としての威厳も何もないだろ)
思わず笑ってしまいそうになるほど、ホールに入ってきたブローウニンの顔は間抜けな面を晒しているけど、相変わらず僕の存在を察知するとことが出来ないブローウニン。
だからなのか焦りの表情を見せつつブローウニンは、何やら大声で吠え始めたけど、そんなに吠えなくなってお前の居場所は、この真っ暗闇であっても僕には良く見えている。
(だからお前にもちゃんと裁きは下してあげるよ。 さて、その前に、まずは後ろにいる奴から黙らせようかな……)
僕の存在を感知出来ないから、ブローウニン達は僕からすると未だに大いに隙を晒しているので、まずはブローウニンの部下を黙らせる事にした。
そして未だに僕の存在に気が付く事が出来ないブローウニンと、その部下の後ろに僕は闇夜に紛れつつ、音もなく移動して回り込むと、僕はブローウニンの部下の頭を鷲掴みにする。
そして、そのまま思いっきり地面にブローウニンの部下の頭を叩きつけ、裁きを下してやったらブローウニンの部下は黙った。
(これで残すは、お前だけだ!)
この屋敷で悪党共に裁きを下している際に気が付いたのだが、僕が纏っている”聖遺物”事、ダークネス・オブ・ヘイトレドは、僕の扱う闇魔法も大幅に強化してくれる。
例えば先程僕が使った人の気配を察知する闇魔法「ディテクティング・シャドウ」は、本来半径3メートル程度の範囲しか気配を感知出来ない魔法だけど、今僕が使うディテクティング・シャドウは、屋敷全体にいる人間の気配を検知する事が出来るレベルまで強化されているから、僕はブローウニンがホールに来るまでの間、実に「効率的かつ確実に」悪党共に裁きの鉄槌を下す事が出来た。
だからこの屋敷で僕が裁きを下してない悪党の存在を見逃す事はない!
よって僕が裁きを下す者は、残す所ブローウニンだけとなっていた。
最後までこの話を読んで頂き、ありがとうございます。




