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【第三部開幕】転生して貴族になった僕は、どうやら最強チートを手に入れて人生イージーモードみたいです  作者: リオン
第二部 エルフ王国攻防編

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アンジェラ&シェナ VS アスモデウス③ (アンジェラSide)

アスモデウスとの戦闘を始めてどれくらいの時間が経ったのだろうか。

私もシェナも魔力は枯渇し体力も限界ギリギリだった。

力を使い果たしたシェナは、アスモデウスから抵抗する力すら残っていないし、今にも殺されそうだ。

そんな私もオールピュリフィケーションを発動して、魔力は残ってない。

体力もギリギリだし、正直言って──立っているのがやっとだった。

悪魔が強いのは分かっていた。

分かっていたからこそ全力で戦った。

でも──それでも、悪魔に対し指一本触れることだって敵わなかった。

強いて言うならば、シェナが不意打ちで攻撃を与えられたくらい。

あとは全て不発に終わってる。

そんな絶望の状況下において──後ろにはノエルが立っていた。

この子がどうしてこんな場所に?

ノエルは、私とノーマンとの間に生まれたハーフエルフのかわいいひとり娘。

生まれてすぐに引き離されてしまったから、ノエルとの思い出は無い。

親らしいこともしてあげられてないし、むしろ私がノエルの親と名乗っていいのかすら憚られる。

ノエルからしたら、自分を捨てた親が目の前に居て怒ってるのかもしれない、憎んでるかもしれない。

それでも──彼女を片時も忘れたことはなかった。

愛していたからだ。

どんなに遠く離れていても、私の娘だってことには変わりはない。

憎まれても嫌われていても、私はノエルの側に居たい。

だから──あの時、ノエルの口から一緒に居たいって言葉を聞いた時は、嬉しかったし辛かった。

どんなことがあっても、エルフ王国が敵に回ったとしても、私はノエルを離すべきじゃなかった。


「お母様、わたしも戦います」


「ノエルダメよッ!! あなたじゃ太刀打ちできないわ」


ハーフエルフの魔力は人間と変わり無い。

寿命も長命ではなく、人間と同じ寿命になるし、もちろん──神聖魔法だって使えない。

しかも──ノエルは生まれてすぐにフリーゲルに引き取られ軟禁生活を送っていた。

魔力量に対するトレーニングだってやっていないだろうし、自分の娘にこんなことを言うのも何だが、戦力にならないのだ。


「ノエル・カリオペ。アンジェラの娘ね。人間と変わらないあなたがあたしと戦えると思ってるの?」


「戦えます。わたしはアンジェラ・カリオペの娘ですから」


「根拠の無い自信だけど、その度胸は認めるわ。なら、あなたの力を見せてみなさい」


「アスモデウスッ!! やめて──ッ」


私の声は虚しく掻き消え、アスモデウスのバラのツタは一直線にノエルを襲った。

ダメだ……。

このままじゃノエルが死んでしまう。

やっと再会できたのに。

やっと抱きしめてあげられるのに。

でも──もう身体が言うことを聞かない。

もっと──もっと、私に力があれば……。


「オールバリア──」


だが──私の予想は大きく外れた。

ノエルはオールバリアを発動し、アスモデウスの攻撃を防いだではないか。

でも待って──。ノエルはハーフエルフで神聖魔法を扱えないはず──

でもノエルは神聖魔法を発動して、相手の攻撃を防いでしまったのだ。

これは一体どういうこと?


「あんたッ!! ハーフエルフなんでしょ? なんで神聖魔法が使えるのよッ!! そんなのことわりに反するわッ!!」


「理に反する存在が、理を口に出すなんて滑稽ですね。そうですよ、わたしはハーフエルフです。純血であるエルフ族から忌み嫌われ迫害される身です」


「だから、なんでそんなあなたが神聖魔法を使えるのよッ!!」


アスモデウスは明らかに動揺している。

こんな動揺している姿は初めてだ。

私たちだって神聖魔法を扱えるのに、この動揺はどういうことなの?


「最初っから力を持っていた訳ではありません。人間と同程度の魔力しか持たないわたしは、もちろん魔法だってろくに扱えませんでした。けど──祈りました。わたしも誰かの役に立ちたい。自分の力で自分の未来を切り開きたい。毎日毎日──祈りました」


「うそだわ……そんなはずがない……」


「そしたらいつの日か、わたしも神聖魔法が使えるようになったんです。神メヒアはわたしに祝福を授けてくれたのです」


神メヒア──

エルフ王国が信仰する神様で、何人にも慈愛と慈悲を与えてくださる唯一神。

そんな神メヒアがノエルに神聖魔法を与えたのだ。

これは前例に無いことで、そもそも純血でないエルフはメヒアの意に反する存在だと広く認識されている。

だから純血のエルフたちはハーフエルフを迫害するのだ。

何が言いたいか──

神メヒアは、ハーフエルフという忌み嫌われた存在を認めた事になるのだ。

純血もハーフも関係ない。

ひとつの命として認めたのだ。


「あの気まぐれがッ!! こんな吹けば飛ぶようなハーフエルフに神聖魔法を与えるなんて、どういう神経してんのよッ!!」


「説明はこんな所で宜しいでしょうか。それでは参ります。お覚悟を──」


ノエルは詠唱を開始した。

膨大な魔力がノエルを包み込む。


「親愛なる光の神よ、我が言の葉の願いを聞き光の加護を。そして──我が言の葉の願いを叶え給い、尊き者に救済の施しを。オールサルベーション──」


オールサルベーション──

自身が救済を差し伸べる者に体力と魔力を回復させ、悪しき者に一定のデバフ効果を与える神聖魔法だ。

しかも──デバフをかけられたものは、一定時間の魔法の発動も許されない。


アスモデウスはオールサルベーションにより──発動していたバラのツタが一瞬にして消え去った。

悪魔にとって、天敵ともいえる魔法のひとつを行使されたことにより、アスモデウスは丸腰同然となった。

しかも──私とシェナは魔力と体力が回復して、身体が楽になる。


「ありがとう──ノエル。これでまた戦える」


「いいえシェナさん。まだまだこれからです」


ノエルは再度詠唱を始めた。

これは──オールハイネス。

それをノエルは私とシェナに付与したのだ。

しかも、自分たちがバフをかけるよりももっと強力な感じがする。

もしかしたら──ウィル様同様のバフ効果があるのかしら。


「まさか──ノエルも規格外だったとはね」


「お母様! 人をバケモノみたいに言わないでくださいッ!!」


でも──これで戦える。

アスモデウスを倒せる。

私とシェナは一気にアスモデウス間合いを詰めた。

なにも出来ないアスモデウスは、恐慄いて尻もちをついてしまう。


「や、やめてッ!! わ、わたしが悪かったわ。あなたたちの願いはなんでも聞いてあげるわッ!! 」


「なら──シェナたちの願いはあなたみたいな悪魔を根絶やしにすることよ」


「そんなのあまりにも理不尽じゃないッ!!」


「好き放題弄んだくせに、理不尽を口にするなんて自分のしたことは棚に上げてもっともらしいこと言うのね。反吐が出るわ」


「絶昇──ッ」


シェナの拳がアスモデウスの腹部を強襲する。

あまりの衝撃だったのか──アスモデウスはその場で悶絶した。


「い、痛い……。やめて……お願い……なんでも言うこと聞くから……消滅だけはさせないで……」


「私たちに喧嘩売ったこと、後悔するのね。もっとも消滅させるから後悔する余裕も与えないけど」


そして──私たち3人は、詠唱に入った。

身の危険を感じたアスモデウスは慌てふためき、この場から走って逃げようとする。


「「「親愛なる光の神よ、我が言の葉の願いを聞き光の加護を。そして──我が言の葉の願いを叶え給い、悪しき者を尊き力によって、魂を浄化せん。さすれば──罪は消え、堕落した者を救う光の導きは、尊き者に変わり永遠の安らぎを給わるだろう──オールピュリフィケーション」」」


3人分のオールピュリフィケーションがアスモデウスに直撃する。

あまりの衝撃なのか、アスモデウスの叫び声すら聞こえなかった。

やがて──光の柱が消えると、アスモデウスの器は跡形もなく消え去っていた。

だが、精神体は未だに健在だ。

これをやらないと、本当の意味で戦いは終わらない。


私は直ぐさまオールケージを発動させ、アスモデウスの精神体を囲った。

精神体は必死の抵抗を見せオールケージを突破しようとする。

あまり時間を与えてしまうと突破しかねないから、さっさと始末しなければ。

だが──アスモデウスの精神体はオールケージの中で霧散してしまった。

まさか、精神体でも霧散する能力が使えるの?


「危なかったわ。あなたたちの力は認めてあげる。でも、今回はここまでよ」


「大人しく捕まって消滅しなさいよ。このまま逃げるつもり?」


「逃げる? 違うわ──これは戦略的撤退よ。今度会う時はあなたたちみんな、あたしの子飼いにしてあげる。それまでのお楽しみね──」


その言葉を最後に、アスモデウスの反応が消えた。

脅威がなくなったのか、私たちの身体から一気に力が抜けて、その場にへたりこんだ。


「よかった……私たち生きてる……」


「今回ばかりは死んだかと思ったわ」


「なんにせよ、アスモデウスを撃退することは成功したわ。早く国王に知らせないと……──ッ!!」


全身に激痛が走る。

無理もない。

何度も神聖魔法を発動して、身体を酷使したのだ。

その反動で身体が悲鳴をあげることも珍しくない。

それに──


「ノエル……」


「お母様……」


私は優しくノエルを抱きしめた。

ずっと、ずっと──こうしてあげたかった。

我が子を抱きしめることがこれ程尊いものだと、今初めて知った。

そこにはもう──言葉なんて要らない。

もう離さないからね、ノエル。

どんなことがあっても、誰かが私たちを引き裂こうとも、もう──私はノエルを手放しはしない。


「ノエル──」


「はい、お母様?」


「愛してるわよ」


「わたしもお母様のこと愛してます」

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