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転生して貴族になった僕は、どうやら最強チートを手に入れて人生イージーモードみたいです  作者: リオン
第二部 エルフ王国攻防編

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ケイン&ノーマン VS オロバス② (ケインSide)

評価とブックマークよろしくお願いします!

それだけが今のモチベーションです!!!!!!

まさか──あんな強いノーマンさんが負けるなんて。

相手はあの悪魔だから、人間である俺たちが勝てる見込みは少ないと分かっていた。

だが、それでも──俺よりも強いノーマンさんを下したオロバスという悪魔に、俺は勝てるのだろうか。

いや、勝たなきゃいけない。

ダグラス総帥に成長のためとエルフ王国の遠征を許して貰ってまでここに来たんだ。

相手は違えど、ここで負けを認めたら王家後見の公爵家であるスミス家の名折れだ。


「次の相手は人間のガキか。お前は強いのか」


「それは手合わせしてみればわかる事だよ」


「先程の動きを見る限り──ちょこまかと動けはするだろうが、それもあの男があっての事。純粋な力を推し量るのなら、ガキであるお前は大したことないのだろうな」


さっきはどちらかというと、ノーマンさんの攻撃を補助するためのサポートに回っていた。

俺自身まだまだ未熟だ。

ノーマンさんが相手の注意を引いて俺が攻撃を加えることよりも、逆の立場で戦った方が勝率は格段に高かったからだ。

でも──今は違う。

頼みのノーマンさんはもう戦えないし、アケチ桔梗流格闘術みたいな協力な力も持ち合わせてない。

本当に俺は──この悪魔に勝てるのだろうか。


「いや──勝つしかないんだ。たとえ相手が悪魔だとしても、俺はこの戦いに勝つんだ」


「殊勝だな。では──参ろうか」


先に攻撃を仕掛けてきたのはオロバスだった。

大振りの剣を受け止めるが、斬撃がかなり重かった。

一太刀受け止めるも、衝撃で後ろに後退してしまう。


「どうした──人間のガキ。この程度の攻撃を受け止めきれないくせに、我に勝とうとしているのか?」


「少し油断していただけだ。なんの問題もない。次はこっちの番だ──」


俺は全力で剣を振りかざした。

オロバスも俺の斬撃を受け止めようとする。

だが──俺の斬撃は簡単に防がれてしまった。


「まだそこに座ってる老体のほうが威力があったぞ。人間のガキ、力不足だ。お前じゃ我に勝てん」


そんなこと、俺が一番分かってるよ。

純粋な力では悪魔など勝てないことに理解してる。

ウィルみたいに神聖魔法は使えないし、属性の加護だって貰ってない。

戦いにおいて、そこらの一般兵並の強さしか持ち合わせてないってことも理解してる。

でも──それでも、自分の力を証明するためには、勝たなきゃいけないんだ。


「こんな力不足の人間のガキが戦いに出てくるとは、人間の世も落ちぶれたようだな。まぁ──人間は元来、悪魔には勝てぬ存在だ。その前提があるんだ、そんなに悲観的にならなくても良いぞ、人間のガキ」


「ならば──出し惜しみしてる場合じゃないな」


「出し惜しみ? 出せるものは無いだろう」


「あまり──俺を舐めるなよ」


俺はインベントリから新しい剣を取り出した。

いつも使っている剣とデザインは一緒だが、刀身が白金色に発光している。

そう──この剣はウィルから授かった剣だ。

話は少し前に遡る──





「ケイン──ちょっといいかな?」


「どうしたんだウィル」


ウィルは手に剣を握っていた。

もう片方には指輪の形をした魔道具マジックウエポン

それをウィルは俺に渡した。


「この後の戦いでもしかしたら、悪魔や魔族に遭遇して戦闘になるかもしれないから渡しとくね」


「ありがとう……。でもどうして──」


「ケインはこの中では一番実践経験がないし、もし戦闘に参加するってなったら、真っ先に死んでしまうと思うんだ。だからそれを防ぐ為にこれを渡しておこうと思って」


なんともまあ、ストレートに言ってくれる。

遠回しにお前は弱いから、これで身を守れと言われてるみたいだ。

でも──自然と怒りは湧かなかった。

だって、ウィルの言う通り、俺は実戦経験は他の人に比べて圧倒的に少ない。

だからウィルが心配してくれるのも頷ける。

ウィルなりの優しさなのだ。


「ところで──この武器、普通の武器じゃないけど、どんな力が付与されてるんだ?」


「一発でなにか付与されてるって気づくなんて、ケインってやっぱ洞察力と観察眼に優れてるよね。参謀職についたほうがいいんじゃない?」


「過大評価どうも。んで──?」


「あぁ──。これには、僕の神聖魔法が付与されてる。限定的ではあるけど、この剣があればケインも神聖魔法と同じ攻撃が出せるよ」


正直言って──驚きが隠せなかった。

神聖魔法を武器に付与するなんて聞いたことないし、見たこともない。

他の属性を付与するというのは一般的なのだが、神聖魔法は選ばれた人──即ち王家の人しか扱えないものだから、これが量産されれば戦争の在り方などいかようにも変えられてしまう。


「この剣に神聖魔法を付与するの難しかったんじゃないのか?」


「確かに簡単ではなかったけど、不可能な話ではなかったね。実際にこの武器もオリハルコンを素材に使ってるから、神聖魔法と相性がいいんだ」


「オリハルコン──ッ!?」


オリハルコンとは、鉱石の中でも最上位に位置するほど希少で価値の高い鉱石だ。

その下のグレードにミスリルなどがあるが、そんな希少な鉱石を使ってまで俺に武器を作ってくれるとは。


「ちなみにその指輪には、オールハイネスが付与されてるから、いざと言う時に使ってね。一度使うと再使用不可能だから、悪魔との戦いの時に使って欲しい」


オールハイネスはウィルが戦闘の時に使うバフ効果のある神聖魔法で、能力ステータスを10倍に引き上げてくれるチート魔法だ。

最も──ウィル自身が使うと100倍のバフがかかるらしいから、もはやウィル自体がチートな感じが否めない。


「ありがとう。いざと言う時に使わせてもらうよ」




そして──時は今に戻る。

ウィルから授かった神聖魔法が付与された剣を取り出すと、オロバスの顔が歪んだ。


「おいおい──ただの人間のガキがなぜその力を使えるんだ。お前もしかして──」


「お前みたいな悪魔に教えてやる義理は無い」


俺はオロバスに斬りかかった。

神聖魔法は悪魔に対抗しうる唯一の手段。

その神聖魔法が目の前に現れて、恐れ慄くのは無理な話ではない。

この剣自体──ウィルから授かったものだから、俺が神聖魔法を使えるのはウィルのお陰だけど。


オロバスは剣を交えることなく身を躱す。

どうやら──斬撃すら受け止めることも憚られるのだろう。

だが──俺の攻撃は止まなかった。

オロバスが逃げる度に間合いを詰め斬りかかる。


「先程の威勢はどこに行ったんだ? 俺は力不足だから余裕で倒せるんだろ? オロバス」


「そんな力を持ってるだなんて誰が予想できたか。我はまだ消滅したくないのだ。悪いが離脱──」


「──逃げられると思うなよッ」


俺は逃げるオロバスの間合いに完全に入り、左腕を斬り落とした。


「うぉぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!!」


腕を斬り落とされたオロバスはその場でうずくまり、断末魔の叫びをあげた。


「どうした悪魔──。お前が見下してた人間にここまでやられて悔しくないのか? お得意のシェイプシフトで模倣でもしてみろよ」


だが──オロバスはその場に蹲ったままで動かない。

悲鳴をあげるのもやめてるし、おそらく──なにか企んでいるだろう。

俺はすぐさま間合いを取った。


「んだよ──。反撃しようとしたのにバレたか」


「明らかに態度が変わったんだ。そんなものバレるに決まってるだろう」


「つまんねえガキだ。だが──神聖魔法が出てくると話は別だ。我も本気を出すしかないな」


逆に今までが本気じゃなかったんですね……。

こちらも奥の手は残してるからまだ戦えるけど、これから本気を出して攻撃してくるオロバスが少し怖い。


「目を開け、口を聞け、耳を閉じろ。ことわりは世界を歪める── アウェイキング」


闇魔法のバフ──アウェイキングを発動するオロバス。

アウェイキングは、悪魔本来の姿になりより凶暴化する魔法だ。

悪魔自身の自我はなくなるが、攻撃の予測が立てられないほど厄介になる。

オロバスの姿は本来の悪魔の姿になっていた。


『聞こえるかケイン──』


いきなり──ノーマンさんが念話を飛ばしてきた。

聞こえてますと返事をするが、ノーマンさんの息は荒い。

やはり──さっきの戦いで酷く消耗してしまった為か、話すのもやっとなのだろう。


『ケイン──君にアケチ桔梗流を授ける。よく聞くんだ』


『どうしたんですかいきなり──』


『ウィル様の剣は素晴らしいですが、それだけでは奴には勝てません。なので──わたくしは君にアケチ桔梗流を教えます』


相手がアウェイキングを発動してしまっては、確かに勝つことが難しくなるが、あの強さを得られるチャンスだ。

俺は二つ返事でそれを快諾した。


『身体には【】というものが流れています。その流れを感じたら増幅させてください』


ノーマンは簡単に言うけど、気というものが何なのかイマイチ分からない。

だけど、言われた通りやってみなきゃ。

俺は目を瞑り気の流れを探し始める。



────ドクンッ



これか?

うん、これだ。

俺は気を感じると、そのまま一気に増幅させた。

身体の中から闘志が漲ってくる。

やがて──気が体内に充満する。


『もうわかりますね。一気に放て』


『ありがとうございます。ノーマンさん──』


ついでに指輪に付与されているオールハイネスも発動させる。

気はマックスまで溜まり、オールハイネスのバフで能力ステータスは100倍にまで引き上がっている。

そして──神聖魔法が付与された剣。

せっかくアウェイキングを発動したのに残念だったな。


「アケチ桔梗流抜刀術……」


『放て──ッ』


絶昇ぜっしょう一閃いっせん──」


閃光のように放たれた一太刀は、オロバスの器を真っ二つにした。

物理的威力を持たない絶昇に剣戟を加える、俺オリジナルの剣術だ。

勝手にアケチ桔梗流抜刀術って付けて怒られないかな……。

そして──絶昇により、オロバスの精神体は崩壊を始める。

やがて空に昇華していった。


「勝った……。悪魔に勝った……」


「お見事です。ケイン──」


最後の力を振り絞り駆け寄ったノーマンさんだが、この戦いに勝利したことに安堵したのか、雪崩のように崩れ落ちた。


「の、ノーマンさん! 大丈夫ですか!?」


「大丈夫です……。老体にムチを打って戦ったんです。その代償が今来ただけですよ」


確かにノーマンさんはハンターを引退して長いらしいけど、それでも──かなり強かった。

俺なんて足元に及ばないくらい。


「それに──最後の攻撃は見事でした。アケチ桔梗流を極めれば、あなたはもっと強くなります」


「アケチ桔梗流は一日にしてあらず。ですよね」


「左様です。ですが──ネーミングセンスは頂けませんね。考え直してください」


個人的に良いセンスしてると思ったんだけどな。

てか──腑に落ちてないとこそこだったんだ。

ウィル──俺、悪魔に勝ったよ。

次は君の番だ──

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