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転生して貴族になった僕は、どうやら最強チートを手に入れて人生イージーモードみたいです  作者: リオン
第二部 エルフ王国攻防編

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9. 実家へ帰らせて頂きます

ベリアルとの戦いが終わり、戦後処理と聞き取り調査、今後の方針の取り決めなどで、夏休みが3週間消え去ってしまった。

でも──3週間である程度のことは消化できたので、この国家運営の中枢は優秀な人材が揃っていると感心していた。


今回の騒動──これを大人たちは【ベリアルの動乱】と名付けたが、ベリアルを討伐しても尚、今後の情勢が不安定となる見込みの為、国王権限で緊急事態宣言が発令された。

緊急事態宣言が発令されると、まず──この国の入出国は厳しく管理される。

他国の人間または種族は入国する際に、自身の国の身元保証に関する証明書が必要になる。

トゥルメリア王国民は出国する際に、管理局の許可証がないと出国できない。

国内の領地間でも、管理局の許可証がないと互いの領地に出入りできなくなる。

そして──今回のスタンピードで、出動命令が下されたのは国防軍とギルド所属のハンターだけだったが、次からはトゥルメリア魔法学院の生徒も出動の枠組みに組み込まれる。

こんなことをしても悪魔はどこからともなく現れるし、規制をしても無意味で、学生が戦地に赴いても大した戦力にはならないから、まだ避難している方がマシだとういう意見もあった。

まあ、だいたい打倒派の連中の反対意見ではあるが、悪魔にとっては無意味かもしれないのは賛成できる。

ただ──戦争というのは何が怖いのか。

それは、二次侵略だ。

今回の緊急事態宣言でトゥルメリア王国は入出国を厳しく制限したと他国に通達した。

緊急事態宣言を発令しその後に戦争までに発展すると、他国がトゥルメリアの広大な土地と潤沢な資源を求めて侵略を開始する可能性だってある。

だから──これは悪魔に向けての規制ではなく、他国に対する牽制を担う処置なのだ。

その上で学生も動員するということが、『この国を守るためなら、学生も動員して徹底抗戦する』という意思表示になる。

もちろん──何も起こらなければそれに越したことはないが、やっぱり──戦争って怖いよね。

魔物ならまだしも、同族の人間と殺し合うのは正直やりたくないものだ。


あと一つ分かったことがある。

アンジェラ先生の何気ないひと言だったのだが、アリスは人間は神聖魔法が王族だけしか行使できないと知っていたようだ。

ケインとシノも知ってたみたいだし。

ならザガルトスに会いに行った時教えてよ!!

アリスが他言無用って言うから皆黙ってたらしいけど、その場は信頼できる人しか居なかったんだから別に良かったじゃん!

なんか、ひとり除け者にされて悲しいよ僕。


さて──そんな3週間も続いた戦後処理は終わり、僕は今、グレイシー家が住む豪邸の目の前に立っていた。


「ここ、ウィル様、育った、家、久々に来た」


「ここに来るのは久々ね。意外と住み心地良いのよね」


「アンジェラ先生はともかく、シェナは来たことあるの?」


僕は、シェナとアンジェラ先生と一緒に夏休みの帰省という名目で、グレイシー領に帰省していた。

アンジェラ先生は昔、父上とパーティを組んでいたので家に何度も来ているのは驚きはしないが、シェナがここに来たことがあるのは驚きだ。

アリスも一緒に行きたいとか駄々こねてたけど、さすがに王女様をこんか辺境のグレイシー領に連れ行けない。

なにかあったら、怒られるのは僕だからね。

てか──ワガママなお姉ちゃんすぎて弟として大変です。


「でも、ウィル様、まだ小さい頃、シェナ、会ってない、その時からシェナ、ナイスバディなお姉さん」


そうなのか。

猫人族はエルフ族とまではいかないが長命の種族である。

じゃあシェナって一体いくつなの?

いやいや、レディに年齢を聞くのは野暮だ。

そういうことを言うとノンデリ男って言われるから気をつけよう、男子諸君。


「シェナって今いくつだったかしら。ウィル様が気にしてるわよ」


「ちょッ!! 勝手に人の心読まないでくださいッ!!」


忘れてた!!

アンジェラ先生ってスキルで人の心読めるんだっけ。

心読めるならその人にとって言ったと同然だから、僕ノンデリ男になるじゃん。最悪じゃん。

とりあえず隠匿魔法かけとこ……。


「シェナまだ250歳。アンジェラ様より、ピチピチ」


「シェナ? 今なんて言った? 喧嘩売ったよね? 私に喧嘩売ったわよね?」


「シェナ、若い、かわいい、肌、ピチピチ」


「まるで私が年老いててみすぼらしくてシワシワのエルフみたいじゃない!」


おー、始まった。

女性同士の口喧嘩。

介入すると恐ろしい目に遭うから離れておこう。


「あなたの肌がピチピチなのは人化して幼女の格好してるからでしょ。さっさと本来の姿に戻りなさいよ。どうせグレイシー家の人みんな知ってるんだから」


すると──シェナはオールパージをして人化を解いた。

頭から猫耳、お尻の辺りからシッポが露わになった。

身体も大人っぽく変化している。

これが──シェナの本来の姿だ。


「アンジェラ様、人化を解いてもシェナの方が若く、美しく、ハリのある身体してますよ?」


「なんの御託を……あなた、若いだけが取り柄なだけで、世の殿方を魅了する武器は、大層貧相でいらしてよ」


「────くッ!!」


あ、言っちゃった。

僕でも言わなかったことなのに、こうズケズケと良く言えたもんですね。

やっぱ──女性って怖い。

僕、口喧嘩勝てないから身震いする。

え? 本当は二人って仲悪いの?


「肌と年齢の話をしてるのに、自分が勝ってる部分で勝とうとしてるなんて、何とも卑怯なやり口ですね。そんな無駄が多い胸なんかより、若く美しいシェナの方が、ウィル様は喜ばれると思いますわよ」


「あら──自分がウィル様に気にいられてるなんて錯覚してるのを見ると、滑稽で仕方ないわ。シェナ、あなたはイチ護衛に過ぎないのよ? それなのに私情を挟んでウィル様の側に居るなんて、プロ失格よ」


ちょっとちょっと、ここで争いの焦点を僕に当てないで!

せっかく距離を取ったのに、僕の存在消したのに!


「ウィル様──私とシェナ、どちらがお好みですか」


「選んでください。シェナを選んでいただけるなら、一生お側にお仕え致します。どこぞの純血主義のエルフとは違うので」


「ひと言多いわよ、メス猫」


「あら、今の効いちゃった? 年増エルフ」


「「んぎぃぃぃぃぃ〜」」


おでこをぶつけ合って睨み合う二人。

シェナはアンジェラ先生に拾ってもらって感謝してるって言ってたけど、仲の良さは別物みたい。

この場の収め方が分からずアタフタしていると、思わぬ助け舟? がやって来た。


「アァァァァァンジェラ様ぁぁぁぁぁぁぁ!!!! そして、おチビのウィルくーん!!!!」


「来たわね、勘違い男」


「あのクソガキ、切り裂いてやる」


トーマスッ!!!! 逃げてぇぇぇぇぇ!!!!

僕に対する悪口は今だけ目をつぶってあげるから、今すぐここから逃げて!!

その心の叫びも虚しく、二人の魔法はトーマスに向けられる。


「ウォーターショット」


「サンダーアロー」


「えっ? んぎゃぁぁぁぁぁあ!!!!」


まるで打ち合わせでもしていたかのような二人の連携力。

まず──アンジェラ先生のウォータショットでトーマスの身体を濡らし、シェナのサンダーアローで身体を感電させる。

水が付着した身体に電気が走ると感電しやすく、最悪の場合──死に至るのだが、トーマスは気絶だけで済んだらしい。

でも、いきなり現れて二人の邪魔をしたトーマスが悪い。

僕はなにも悪くない。


「さて──邪魔も居なくなったし、今日はとことんやり合おうか」


「そうね。そろそろ白黒ハッキリさせたかったわ、アンジェラ様。今のシェナは強い」


「メス猫が勝ってからそういうのは言うものよ」


「負けても後悔しないでね」


このまま二人は戦闘に移ったが、女性の戦いに男が割り込むのは野暮だ。

二人とも古い仲だし、さすがに殺しまでは発展しないだろう。

僕はこのまま家の中に入っていった。

ご飯の支度ができたらまた呼びに来るとしよう。

背後からは嬉々として嗤っている二人の声が空に響き渡った──

2025年お世話になりました!

今年の更新はここまでです。

2026年も『転生して貴族になった僕は、どうやら最強チートを手に入れて人生イージーモードみたいです』をよろしくお願いします!

それでは、良いお年を!

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