表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/79

9話

 部屋に戻って来たらニーナが私物を台車から降ろしているところだった


「ごめんねー遅くなった」

「マークさんおかえりなさいぃ!」


 彼女に声をかけたらニーナが勢いよく振り返る

 その勢いで手が滑ったようで持っていたマグカップが僕のほうへ飛んできた


「うおぉぉ!!危ない!!!」

「ひゃあああぁぁぁ!すみませぇ~ん!!!」


 何とかマグカップはキャッチしたが買ってきたサンドイッチとおにぎりの入った袋を落としてしまう


「お怪我はないですかぁ?!」

「大丈夫だけどお昼ご飯落としちゃった・・・」

「ふえぇぇ・・・ごめんなさいぃ・・・」

「次から気を付けてね」


 彼女はまた肩を落としている

 もしかして秘書部門でも日常的にやらかしてたんだろうか

 遅刻居眠りどころじゃなさそうだなぁ

 マグカップと机に置き、買ってきたご飯を拾い上げる

 良かった、ご飯は無事だった


「片づけはその辺にして先にお昼食べよっか」


 お昼を食べながら彼女が秘書部門でどうやって過ごしていたか聞いてみよう



「秘書部門ではどんな仕事をしてたの?」

「はいぃ・・・主に経理をやってましたぁ」

「経理?!計算間違いとかしなかったの?」

「間違いですかぁ?今までほとんど無かったですよぅ」


 嘘・・・じゃ・・・無いんだよね?


「正直言うと君はかなりのドジっ子だと思ってたから・・・」


 ニーナが体をびくりとさせる


「もしかして・・・」

「はい・・・それ以外のところでいっぱい失敗してましたぁ・・・」


 なるほどなぁ・・・

 まぁ何もできない子で無かっただけ良かったのだろう


「給料はどれくらい出てたの?」

「ええと・・・ちょっと待ってくださいねぇ」


 彼女は食べかけのサンドイッチを口に放り込み

 私物をガサゴソと漁り始めた


「ありましたぁ!こちらになりますぅ」


 彼女が見つけたのは過去の給与明細だった


「・・・なるほど、広報部門の元部下たちよりちょっと少ないけどしっかり貰ってたみたいだね」

「えへへ・・・」


 彼女に明細を返そうとしたとき2枚目の紙があるのに気が付いた

 そこに書かれていたのは・・・


「・・・ん?壊した備品の弁償費の請求書?」

「はわっ!!」

「花瓶銀貨3枚カーテン銀貨5枚備品マグカップ銅貨8枚×3・・・

 ニーナこれって」

「ぐすっ・・・はい・・・壊したものを経費で落とせなくなったので自分でお金を払ってましたぁ・・・」


 ニーナのドジはかなりのものだったようだ

 キャサリンさんが追放すれすれと言っていた意味が身に染み込むようだ

 でもこれなら・・・


「君この弁償が無かったらかなり給料貰ってたことになるんだけど」

「そうなんですかぁ?他の方と比べたことが無かったのでわかんないですぅ」

「・・・一日にどれくらい経費計算してたの?」

「んー・・・この本の厚さくらいですかねぇ・・・」


 ニーナが指さしたのはこの部屋に1冊だけ取り残されていた

『完全魔物図鑑最新号!800ページ(初心者用採取図鑑のおまけ付き!)』

 だった


「今日からこの部門の経理と事務を君に任せる!!!」

「えっあっはい・・・任されましたぁ!」


 僕はそう言って彼女に購買部門で渡された経費用手形を渡した



 お昼を食べ終わった僕らはギルド長の部屋までやってきた

 追放部門の隊長に任命されたはいいが、その足で仕事部屋に向かってしまったので経費の事とかいろいろ聞いてなかったのだ

 僕の後ろでガチガチに緊張しているニーナを伴い、ギルド長の部屋の扉をノックする


「入りなさい」


 ノックの返事が返ってきたので挨拶をしながら部屋に入る


「失礼します」

「やぁ、遅かったじゃないか」

「えっ」

「もう少し早く来ると思ってたんだがな」


 御年1200歳エルフのギルド長にそう言われる


「任命してとりあえず部屋に行けと私にメモを渡させたのはギルド長でしょう?

 エルフなのに時間に厳しいんですね?」

「そんなことを言うな」


 ギルド長の隣に立っていたキャサリンさんに咎められている

 僕は今まであまりギルド長と対面することが無かった

 だから威厳あるギルド長しか知らなかった

 こんな姿は予想外だった


「ニーナ」

「はいぃ!」


 彼らの様子をボーっと見ていたニーナがキャサリンさんに声を掛けられる


「私は貴女を秘書部門から追放したわけではありません

 新部門設立に伴い経理の出来る優秀な部下を送ったつもりです

 頑張りなさいね」

「ぐすっ・・!はい!頑張りますぅ!」


 ニーナが報われる言葉を聞けて良かった


「マークさん」

「はい」


 次は僕の番か


「この子の壊した備品は月に銀貨20枚までなら経費で落とせるのでそれ以外は自費で弁償させてください」

「わかりました」


 結局ニーナは肩を落として沈むとことなった


「そろそろいいか?」


 この状況に置いてけぼりをくらっていたギルド長が口を開く


「マーク、君の聞きたいことは分かっている

 キャサリン」

「はいギルド長」


 キャサリンさんが近づいてくる


「こちらが追放部門の経費資料です、備品を買ったりして使う場合は手形を作ってニーナに渡してください

 部下へのお給料はこちらの金額を渡してください

 こちらは斥候部門への手紙になります

 引き抜き、貸出の話をなさる場合斥候部門の隊長にお渡しください」


 キャサリンさんがつらつらと話す

 聞きたかったことをすべて用意されていた

 これがギルド長の手腕なのか

 このギルドをここまで大きく出来たことに納得する


「新部門を設立して始めることの予想くらいは出来る

 これから大変だと思うが頑張りたまえ」

「わかりました、ありがとうございます

 微力ではありますがギルドのために精進していきます」

「うむ」


 ギルド長との面会があっさり終わったので僕とニーナはギルド長の部屋を後にした


続き鋭意執筆中

ライブ感だけで書いているので矛盾があったら教えて欲しいです


感想 いいね ブックマーク よろしくお願いします

Twitterにて更新のお知らせ等しています

@moongekko01

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ