8話
もともと働いていた広報部門に別れを告げて、今の仕事部屋に戻ってきたのは良いのだがお昼を買ってくるのを忘れてしまった
ニーナが先に戻ってきてなかったので慌てて購買部門へ買い出しに走る
ついでに面接用にソファとかローテーブルも注文しよう
「お腹空いたなぁ」
お昼時なので購買部門のレストランはとても混んでいる
そこのお持ち帰り弁当がおいしいのだ
レストランも混んでいるがその入り口横の売店も人で溢れる様だ
「おいそれ俺のチキンステーキ弁当だ!」
「うるせぇ!お前は握り飯でも食ってろ!!」
「あたしー!卵サンド!!」
人気な弁当の取り合いが行われている・・・
大の大人が弁当ごときで喧嘩なんてと思うだろうがここの弁当はとてつもなく美味しい
昔ギルド長が直々にスカウトした料理人がいるそうだ
福利厚生とも言えるのかおいしい食事で冒険者たちは日々の冒険を楽しく過ごせている
「(ギルド長と料理人に感謝します)」
さてニーナのサンドイッチと僕のお昼を買うためにあの人ごみの中に入らねばならない
覚悟を決めて一歩進んだところで
「あら新部門の隊長さんじゃな~い♪いらっしゃ~い♪」
売店の受付にいたスレンダーだが腹筋が割れている薄着のアマゾネス女子ストゥアに声をかけられた
同時に人混みが左右に思いっきり分かれる
いくら他部門と言えど隊長はヒラ冒険者より上の立場である
しかし弁当の取り合いで盛り上がっていた冒険者たちが一斉に静まり返り、こちらを見ながら道を開けるのは今まで体験したことがない
ごめんねみんな・・・
「注文うけるわよ~♪」
ストゥアが僕を呼んでいる
ここでさっさと注文してさっさと去らなければみんながいつまでたってもお昼を買えないんだ
僕は足早に受付に近づき
「サンドイッチと日替わりおにぎり2つよろしくお願いします」
サクッと注文する
「合わせて銅貨18枚ね~♪
あと今日の日替わりおにぎりは塩チキンだから♪」
「はいこれちょうどです」
「すぐ行っちゃうのね隊長さん、ストゥアさみしいわ~;;」
ストゥアにからかわれる
後ろからストゥアちゃんを泣かせるなよ!などとヤジが聞こえたりはしない
彼女は売店のアイドル的存在だからヒラ冒険者のころはこういう場面でよくヤジが飛んでいた
しかし隊長にヤジを飛ばす奴はほとんどいないので寂しい限りである
「すみません、今ちょっと急ぎなんですー」
こうして誤魔化すしか無いのである
僕は足早に売店を離れ購買部の本店へと逃げ込んだ
「「いらっしゃいませぇ!」」
購買部門本店へ入ると部門員たちが一斉にこちらに向き丁寧なお辞儀をする
接客中の部門員だけは挨拶をしない
対応しているお客様に失礼だと教育されているのだ
購買部門の隊長はとても厳しく教えているようだ
「あら新部門の隊長さんじゃなーい☆いらっしゃーい☆」
先ほどと全く同じ呼び文句に僕は振り返る
そこにはスレンダーだが腹筋が割れている薄着のアマゾネス女子スタンドがいた
彼女はストゥアの双子の姉である
「今日は何を買いに来たのかしら~☆注文受けるわよ~☆」
「2人掛けのソファを二組とそれに合うローテーブルがほしいんです」
「インテリア?それとも応接用?」
「応接用ですね」
「了解~☆ほかに入用なものはあるかしら?」
「そうですね・・・」
ほかに何か必要なものはあっただろうか・・・
あ
一つ思いついた
「ギースさんの蹴りに耐えられる扉ください」
「ごめんね~☆それは売ってないんだ~☆」
うん、知ってた
戦闘部門隊長の蹴りなんて、かなり上位のモンスターで作られた防具か防御魔術を施された盾でしか受け止められないだろう
「・・・じゃあ新しい扉か今の扉直せる人をお願いします」
「わかった~☆以上で合わせて金貨2枚になるけど経費で落とすのよね?
お金の代わりに経費用手形を渡すわ~☆
後でしっかり秘書部門に提出してね~☆」
「わかりました」
秘書部門は元々隊長たちのスケジュール管理や仕事の補佐の役目だったがいつしか経理部門を取り込んでしまっていた
なので手形はニーナに秘書部門に届けてもらおう
・・・あの子無くさないよね?
一応秘書部門に配属されていたのだからそれくらいはできるだろう
「じゃあソファとローテーブルはこの後届けさせるから~☆」
「はい、よろしくお願いします」
そうして僕は購買部門を後にする
午後にもまだ予定は詰まっている
急いで昼飯を食べるために足早に追放部門の部屋へと向かった
続き鋭意執筆中
ライブ感だけで書いているので矛盾があったら教えて欲しいです
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