7話
ギースさんが部屋から出て行ったのでこれからのことをニーナと相談することにした
「ステーレンの件は今すぐ対処できるわけじゃないからほかのことをしようか
やることいっぱいあるぞー!」
「何から手を付けるんですかぁ?」
「とりあえず僕は前の部門から私物を取ってこようかな
任命されてすぐここに来ちゃったし」
「そうですねぇ・・・私も私物を取りに行ってもいいでしょかぁ?」
「もちろん」
「あっマークさんの荷物は多いですかぁ?
良ければ台車を手配しますぅ」
「そうだね台車があったほうが便利か・・・じゃあよろしく」
まずは私物回収からに決まった
気が抜けたからかお腹が鳴る
「あとついでにお昼も買ってくるよ
何か食べたいものはあるかい?今日は僕が奢るよ」
「ではサンドイッチをお願いしますぅ」
「了解~」
そうして僕たちは部屋を後にした
まずは広報部門に行って私物を取ってくるか
広報部門は冒険者の勧誘などの仕事が多いからギルド受付近くにある
受付付近はいつも賑わっているがお昼時なので受付の人数も最低限であまり人がいない
今のうちに荷物を運んでしまおう
台車を押しながら元の仕事場へと向かった
僕が広報部門の部屋に入ると
「チィイイイフウウウウウ!!!!」
ドカァッ!
「オフッ!」
元僕の部下だった猫人のアンジーがお腹に飛びついてきた
彼女は僕の半分もない小さな体で僕を押し倒しお腹の上でぷりぷり怒っている
「チーフはアタシを見捨てるんスか!
ずっと面倒を見てくれるって言ったじゃないっスか!
お腹が空いたっス!早くご飯が欲しいっス!」
「ずっと面倒を見るってのは君が本物の猫だと思ってたから言った言葉だよ・・・
あとご飯はヒロミさんにお願いしてよ・・・」
ヒロミさんとは3人いた僕の部下の一人で主に事務と雑務担当だった女性だ
アンジー以外の二人はどこに行ったんだろう
「ヒロミはチーフがいなくなったから代わりに広告屋にチラシ届けに行ったっス!」
「アドは?」
「アドは・・・知らねっス!多分サボりっス!」
アドは最後の部下でよくサボりと称しフリーの冒険者の勧誘や町に貼った広告が剥がれていないか見回りをしている半犬人の男だ
他のギルドの広告を剥がす輩がたまに出没するので見回ってくれるのは助かる
そうこうしている僕とアンジーを見てクスクスと笑う声が聞こえる
「助けてくださいよー隊長ー」
「いや、君たちはいつも仲がいいなと思ってね」
広報部門隊長のどう見ても幼女であるシャル・コーマさんが机の上に座りながらコーヒーを啜っていた
おなかの上からアンジーを降ろす
「君は追放部門の隊長になったんだから私を隊長と呼ばなくてもいいと思うんだがね」
「じゃあコーマさん」
「シャルと呼びたまえ」
「シャルさん」
ここでシャルさんがため息をつく
「からかわないで下さいよ」
「いやいや私は真面目だよ?君とは同格なのだから敬語も必要ないさ」
「さすがに大先輩を呼び捨てになんてできませんよー」
「ほう、私のことを年増だと言いたいのかね?」
「勘弁してくださいよー」
なんてことを言い笑い合う
「さて、君は私物を取りに来たのだろう?」
シャルさんは僕が追放部門に任命されたときその場にいたので事情を知っている
「そうです」
「そうか、寂しくなるな
新しい部門での活躍を期待しているよ」
「はい、お世話になりました」
「アタシはチーフのところに行きたいっス!」
アンジーが足にしがみついてくる
「シャルさん」
「アンジー、君はここでの仕事がたくさんあるだろう?
その仕事を捨ててまでついていくのはマーク君が許すと思うかい?」
「うぅ~・・・」
アンジーは広報部門のマスコット的存在だ
街中で『牡牛の角』を宣伝する時などに活躍している
主に子供たちや同じような体の小さい獣人たちの相手をする役目
「アンジー、僕遊びに来るからさ」
「絶対っスよ!!」
「いつでもきたまえ、歓迎するよ」
彼女たちに礼と別れを告げ私物を持って新しい仕事場へと向かった
続き鋭意執筆中
ライブ感だけで書いているので矛盾があったら教えて欲しいです
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