6話
「奴の名前はステーレンだ」
ギースさんが曇った表情で追放に値する者の名前を言う
「そのステーレンってやつは一体何をしたんですか?」
「そうだな・・・
奴は戦闘能力が高くうちの部門にいる3人のチーフうちの一人でな
遠征隊を務めている」
「遠征隊って他の国のダンジョンとか国家間の護衛に行く人たちですよねぇ?」
さっきまで口も挟まなかったニーナが間に割って入る
そろそろ立っているだけも飽きてしまったようだ
「そうだ、簡単に言うと『俺の目の届かないやつ』ってことだ」
「ふむ・・・」
「奴は護衛の仕事をすればチップとして高い金額を要求したりダンジョンで採れた素材を裏に流したりしているらしいんだ」
「らしいって直接は見てないんですね?」
「ああ、奴は隊のメンバーを脅して口止めしてるようなんだ
一応タレコミがあったから知ることができたんだがなぁ」
「タレコミですか・・・」
口止めも万全じゃなかったってことか
協力している罪悪感からのタレコミかもしれない
「タレコミしてきた人物の名前はわかりますか?」
「おう、分かるぞ
最近戦闘部門に入ってきたばかりのジャスティって女戦士だ
入ったばかりで遠征隊に入れるつもりは無かったんだが、前の遠征先がこいつの故郷だったから案内と帰郷も兼ねて仮加入させたんだ」
「なるほど、彼女は口止めされたんでしょうか?」
「されたみたいだが正義感の強いやつだったようでなぁ
『アレはかなりの常習犯のようなので厳罰を望みます!』
なんて言われちまった」
なるほど罪悪感とかではなくイレギュラーな存在から漏れてしまったわけか
仮加入者がいても抑えきれなかったのは習慣のように行っていたのだろう
「じゃあそんなわけでそいつの追放を頼む」
「わかりました情報収集後にそいつを呼び出します」
「え?すぐに追放にしないんですかぁ?」
僕がすぐに追放を決めなかったことに、ニーナが引っかかったようだ
「今は情報提供者がたった一人だけでしかも遠征隊仮加入の人だからね
遠征隊が嫌だったからチーフの悪事を捏造してないとも言い切れないし
ギースさんも現場を見たわけじゃないからいきなりチーフを追い出すこともできない
裏を取らないといけない案件だよ」
「はえ~なるほどですぅ」
最初の追放にしてはガッツリ調査がいる案件になってしまった
情報提供者に会ったり遠征隊のほかのメンバーからの情報も必要だ
これから忙しくなるぞ
「もう面接はいいか?」
「はい、ありがとうございました
また何かあれば情報提供お願いします」
「そっちこそ何か必要なもんがあったら呼べ
ただし!
その嬢ちゃんにまた同じ事させたら次はこの扉が粉々になるから普通に呼びに来いよ」
「ひえぇ!すみませんでしたぁ!」
「がはは!じゃあな!」
そうして面接を終えたギースさんが去っていった
続き鋭意執筆中
ライブ感だけで書いているので矛盾があったら教えて欲しいです
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