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43話

「いったい何があったんじゃ?!」


 部屋に迎え入れたゴブニュさんが僕たちに詰め寄る

 入ってきた途端に倒れているスミスを見てギョッとしていた


 僕たちは意識の無いスミスを医務室へと送った後、ゴブニュさんにさっきまで起きていたことを説明した




「つまりあのバカは呪われてたって事なのか?」

「ええ、そうなりますね・・・

 ですが、呪われたから素材を勝手に使い始めた訳じゃ無さそうなんです」

「あーもうわからん!儂にはちっとも分からんわい!」


 考えるのを拒否し始めちゃたよ・・・

 そういうの良いから、聞くだけでも聞いてくれないなぁ

 僕は彼のこの態度に煩わしさを感じてしまう


「素材を勝手に使う奴をとっちめて懲らしめるくらいの事しか考えて無かったんじゃ!

 こんなの儂の手に追えんわ!!!」

「僕だってそのつもりでしたよ・・・

 ですがもうこれは起きた事です

 貴方が処理しないといけないんです、隊長でしょ!」

「嫌じゃー!ただの鍛治師の爺にできる訳ないわぁー!」

「ゴブ爺・・・」

「ギース・・・ギース?!」


 孫の目の前で醜態を晒すお爺ちゃんはやっとその事に気づいたようだ

 さっきまでのうんざりしていた表情が真っ赤に染まっていく


「諦めろゴブ爺、俺だってそれくらいはちゃんとやってるぞ」

「ハガ・・・!」


 実はギースさん、書類はしっかり目を通すし報告はきちんと聞く、戦闘部門のギルド員全員の事を把握してるんだよなぁ

 ただ戦闘能力のある強面のゴリラじゃ無いんです

 カリスマもあるから彼に憧れて戦闘部門入りした人も多い

 これはお爺ちゃんから引き継がれなかったものなのだろうか・・・

 失礼な事を考えていると項垂れていたゴブニュさんをルフタさんが引きずっていった

 弟さん、ちゃんと仕事させてくださいね


「で、これどうすんだ?」


 連れていかれたゴブニュさんを眺めていたら、スミスから外したネックレスを片手にギースさんが聞いてくる


「うーん・・・僕達追放部門的には証拠品ですし預かりたいんですけどねぇ

 うちの部門にこれに対応できそうな人いないんですよ」

「そうか、じゃあ俺んとこもダメだな

 戦闘部門にも呪いに対抗できる奴はいねぇからな」


 と言って二人でエレノアさんを見つめる


「えーそんな気持ち悪いの持っていたくないんだけど」

「ですが対応できそうなのってエレノアさんか回復部門の隊長か王都の教会の司祭くらいじゃないですか?」

「教会の司祭に渡せばいいんじゃないの?」

「いや、さっき証拠品って言いましたよね?!」


 なにがなんでも預かりたくないのだろうか・・・

 エレノアさんは口をへの字にしながらネックレスから距離を取っている


「っていうかギースさんは持ってても平気なんですね」

「ああ、俺は大抵の状態異常の抵抗力を上げるアイテム持ってるからな

 大昔にダンジョンで取ってきた」

「・・・それって国宝級の品じゃないの?」


 エレノアさんがギースさんのアイテムの話に食いついた

 確かに大抵の状態異常の抵抗力を上げるものなんてめったにお目にかかれない代物だ

 普通は毒や麻痺などに特化しているものなんだ

 それでもかなりの価値がある

 王様にでも売れば一生遊んで暮らせるだろう


「俺にとっての価値は冒険の楽しさだからな

 これを売れって言われても売ることは絶対無い」


 ギースさんは自信満々に断言している

 あの顔は過去に誰かに売ってくれと迫られたのだろうなぁ・・・


「とにかく、持っていても呪われることは無いだろう

 ちょっとピリピリするくらいだ」

「すぐに捨てなさいよ!!!」


 いや、普通に呪われかけとるやないかーい!!!


 ギースさんの手からネックレスをはたき落とすエレノアさん

 さすがにまた戦闘もしたくないし身内が呪われるところなんて見たくもない

 だが、持てる人がいなくなったのも事実である

 ネックレスの行き先はどうすればいいんだろうか


「やっぱり教会に預けるしかないのでは?」


 ・・・・?

 誰だこの人?


 僕達がネックレスを囲んで対策を考えていたら、その輪に一人知らない人が加わっていた

 白いローブに身を包んだこの男の顔は今まで見たことが無い


「誰だお前?」


 ギースさんが戦闘態勢をとる

 確かに怪しい・・・

 顔がすごく胡散臭い

 いや、イケメンなのだが・・・

 なんだろう、最終話直前に裏切りそうな顔と言えばいいのだろうか


「ああ、私は怪しい者ではありませんよ」

「怪しい奴ほどそのセリフを吐くんだよ!」


 ギースさんが胡散臭い男に殴りかかろうとしたら、思わぬ人物がこの場に現れた


「やぁ、お邪魔するよ」

「ギルド長?!なぜここに?」

「呪いの品がギルド内にあると聞いてね

 私が預かりに来た」


 我らが『牡牛の角』の最強の魔法使いが預かってくれるなど、こんなに頼もしいことは無い

 しかし・・・


「お前は持ってても大丈夫なのか?」


 とギースさんがギルド長に聞く

 確かにギルド長が呪われでもしたら・・・

 王都は壊滅どころじゃ済まないだろう

 ・・・想像したら怖くなってきた


「私を誰だと思っているんだ?このギルドの長を務める男だぞ!」


 ・・・ギルド長のドヤ顔始めて見た

 追放部門の隊長に任命されてからギルド長と接点が増えてから、威厳たっぷりのギルド長への僕の印象はは、僕の中では面白いこと大好きなひょうきんエルフへと変わっている


「でよ、こいつはなんなんだ?」


 ギースさんはギルド長のドヤ顔を一切スルーしてさっきから後ろでフラフラしていた胡散臭い男を指さした

 ずっと警戒していたんだなギースさん

 僕はギルド長のインパクトに押されて忘れかけていたというのに・・・


「ああ、彼は・・・」

「自己紹介くらいは自分で行いますよ~」


 ギルド長の紹介を遮り、彼は自分から話し始めた


「私は王都の教会から来ました、司祭のクリスチャンと申します

 今回の呪いの品の浄化をするはずだった者なんですけどね」


 え?じゃあ元凶側の人間じゃね?

 良くおめおめと顔を・・・

 いやでもあっちだって届くはずだった物が来なかったのは焦っただろう

 すっきりしないが納得は出来る


「まぁ今更やってきてなんだって話ですよね

 私にも一応責任ってものがあるんでネックレスの回収をしたいっちゃしたいんですが・・・

 そちらの問題が片付いたらって事になりましてね」


 やっぱり僕は表情に出やすいんだなぁ・・・

 僕達に向かって・・・というか僕に向かってウインクをするクリスチャン

 まぁ仕事がひと段落するまで待ってもらえるのは助かる


「『牡牛の角』のギルド長さんとちゃんと話してるんで、まぁなるべく早く終わらせちゃってください」

「わかりました

 では後ほどこのネックレスと、その輸送に関しての情報をいただけますか?」

「渡せる限りの情報は渡しますよ~」


 言質は取った

 これがスミスの追放にとって、いい情報になればいいなぁ


「では、今日はこれで解散しなさい

 あと隊長達は今日起きたことを纏めて、後で私のところに書類にして送るように」


 仕事が増えたよ・・・


 とにかく、今日は大変だった

 誰も怪我しなくて良かった

 クリスチャンも『なるべく早く』と言ったんだ

 出来る限り急いで、スミス追放に関して纏めよう



 僕は疲労感とみんなが無事だった安堵を感じながら、追放部門の部屋へと帰っていった

続き鋭意執筆中

ライブ感だけで書いているので矛盾があったら教えて欲しいです


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Twitterにて更新のお知らせ等しています

@moongekko01

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