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42話

 準備が整った僕とギースさんがスミスに近付く

 ギースさんと顔を見合わせ、頷き合う

 スミスから呪われたネックレスを奪う前に声をかける


「スミスさん!今からそのネックレスを外しますからね!」


 耳元で叫んだが返答はない


「ぐほほほほほほ!やははははははは!!!」


 ずっと笑いながらハンマーを振り下ろす動作を止めない

 無理矢理剣を打たされているかどうかもこちらからだとわからない

 だがこのままでは鍛冶部門のすべての素材を使い切られてしまう

 そしてそれが終われば、外に被害がもっと広がる気がする


「よし!俺がネックレスに手をかけるからな!」


 そう言ってギースさんがネックレスに手を伸ばす

 その動きにも反応せずハンマーを振り下ろすのを止めない

 そしてギースさんがネックレスを掴む

 次の瞬間


「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」


 さっきまで笑っていたスミスがハンマーを振り下ろす動作を止めて叫ぶ

 叫び終わった後はこちらを睨みつけ、ハンマーを構えている


「やっとこっちを見たか!」


 妙に嬉しそうなギースさん

 こっちを敵視し始めたのがそんなに嬉しいんだろうか?

 だがやはりネックレスによって何かが起こっているということは分かった

 あのネックレスが元凶であると信じてここからは戦闘になるのだろう


 戦闘のファーストステップを踏み出したのはギースさん

 ギースさんは迷わずにスミスに突進する

 スミスはハンマーを振り回して抵抗する

 むやみやたらに振り回すのでギースさんは動きが読めず、取っ掛かりがつかめない様子だ

 僕が音の魔法で支援しよう!


音爆弾(サウンドボム)!】


 スミスの後ろに魔法で爆発音を出すと奴はその音に反応して振り向いた

 その隙を見逃さずギースが腕を掴み、そのままスミスを羽交い絞めにした

 僕はそれを見てスミスに近付き彼の首元からネックレスを外そうとする

 ネックレスに触れたその瞬間


「グオオオオオオオオオオオォォォォォォ!!!!!!」


 またもや雄たけびを上げるスミスは体を振り回し始めた

 僕は思わずネックレスを手放してしまう

 スミスはそのまま体を振り回すのを止めずにギースの腕を掴み、無理矢理引きはがした


「くそ!惜しかったな」

「すみません!ネックレス放しちゃいました!」

「いや、放して正解だ・・・見ろ、俺の腕を」


 ギースさんの腕を見る

 彼の腕の掴まれたところにスミスの手形がくっきりと残っている


「とんでもねぇ力だ、並の鍛冶師の力じゃねぇなありゃ」

「ど、どうします?」


 ギースさんでも抑えきれない力で暴れられたら僕なんかひとたまりもないだろう

 ぺしゃんこにされてしまう


「こうなったら打撃を加えてダメージを与える

 スミスが怪我しないようにって思ったがそれもここまでだ」


 ギースさんが指を鳴らし始めた

 スミスはこれからぶん殴られるのだろう

 あの追放部門の扉を破壊した以上の力を持って・・・

 スミスの耐久力がどこまであるのかわからないが、これくらいしなければならない事態になったって事だ

 耐えられるのか・・・


「行くぞ!!」


 隣にいたギースさんの体が消える

 いや、すさまじい速度でスミスの元へ向かったのだ

 現に彼はスミスの眼前に迫っている

 そしてギースさんが殴りかかる

 横っ面にいい物が入った

 スミスが吹き飛んで壁に叩きつけられる

 ・・・死んでないよね?


「油断するな!終わってないぞ!」


 ギースさんが大きな声で注意を呼び掛ける

 スミスは立ち上がってもいない


「奴には俺のパンチが見えていた、間違いなく起き上がってくるぞ」


 ギースの言葉通り

 スミスが立ち上がる

 それも顔は狂気に染まったような笑顔で


「ドワーフの体に呪いが掛かって強化されてんだ、こいつぁかなり手強いぞ」


 ギースさんが油断できない相手だと言われても・・・

 だったら僕のぺしゃんこになるという懸念は誤りではなかったのだろう


 何度目か、スミスが雄たけびを上げながら両拳を胸の前でぶつける

 筋肉が膨らみ、着ていた服が破れ、はじけ飛ぶ

 さっきよりでかくなってないか・・・?


 そしてでかくなったスミスがギースさんに殴りかかった

 ギースさんはそれを避ける

 スミスは拳を振り続ける

 ギースさんは避け続ける

 でかくなったが拳になった分、かえって動きを読みやすくなったようだ


「どうした?それで終わりか?」


 ギースさんが煽り始めた

 スミスがそれに反応したようで、さらに素早く拳を振るもギースさんには掠りもしない


 いけそうだ!奴が疲れれば捕縛しやすくなるだろう

 ギースさんも体力には余裕がありそうだし・・・


 そう油断していた僕は思わず足の力が抜けた

 床と靴の擦れる音

 その瞬間

 スミスがいきなりこちらに向いた

 そして笑みを浮かべながら僕に向かってくる


 しまった!

 スミスが両手を組み、振り上げて目の前にいる

 もう遅い

 僕は思わず両腕を頭の上に出すもこのまま潰されてしまうだろう

 スミスが腕を振り下ろす

 思わず目をつむった


 ドゴォア!!!


 すごい音が聞こえた


 しかし僕の体は無事である

 僕はゆっくりと目を開ける


「油断するなって言ったろ?」


 僕の前には両腕を頭上でクロスしてスミスの動きを受け止めたギースさんの姿があった


「ギースさん!!」

「俺は大丈夫だ!こんなの慣れてるって言ったろう!!」


 そうしてクロスした腕でそのままスミスの腕を掴むと


「エレノアァァァァァ!!!!!!!!!!」

「この隙を!見逃すことはしないわ!!」


氷鎖拘束アイスチェーン・ロック!】


 氷の鎖がスミスの体に巻き付く


「ガ、ガアァァ?!」

「まだ行くわよ!」


絶対零度(アブソリュート・ゼロ)!!】


 エレノアさんが唱えた魔法はスミスの足元からゆっくりと氷漬けにしていく


「グギャアアアア!!!グオオオオオオオ!!!


 スミスは抵抗しようとするも凍り付くのは止まらない

 腰元まで凍り付いたところでギースさんも手を放す


「グゥゥゥ!」


 そして首元まで氷に包まれたところで止まった


「さ、それを外しましょう?」


 エレノアさんが笑顔で僕たちに声を掛けた

 先ほどの強烈な魔法を目にしたのでこの笑顔が怖い・・・

 しかし、そこまで活躍しなかった僕が取ろうと思う


「じゃ、じゃあ僕が・・・」

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」


 ネックレスに手を掛けたところで叫ばれた

 顔が近いのでとてつもなくうるさい

 しょうがないかぁ


消音(サイレンス)


「------!!!----??----!!!」

「よし、これでいいですね」

「お前も割と容赦ねぇな」


 前に【消音(サイレンス)】を掛けられた人が何か言っているけど無視する

 そしてネックレスに手を掛け・・・外した


 スミスが強く目をつむり大きく口を開けた表情に一瞬なった後、体から力が抜け首がだらんとしたに下がった

 そして肥大した体が縮んでゆく


「もう必要なさそうね」


 エレノアさんが指を鳴らすと氷がみるみる溶けていく

 そしてスミスが床に崩れ落ちた


 その時、空間がゆがみ始める


「どうなったんだこれ!?」

「何が起こるんですか?!」

「元に戻るのよ」

「いやそれだけじゃわからないですって!!!」


 視界が歪み、辺りが暗くなり、ゆっくりと明るくなっていく

 そして僕たちがいた部屋が、先ほどとあまり変わりのない鍜治場へと変わった


「収まった・・・?」


 何の変化も起こらなくなったのでひとつため息を漏らすと

 ドアを激しく叩く音が聞こえる


 僕は二人と目を合わせてドアに近付く

 ドアの向こうから声がする


「スミス!!!開けねぇかこのボケナスがぁ!!!もう許さんぞ!!!儂の孫を攫いおって!!!!!」


 ドアの向こうにいるのはどうやらゴブニュさんだ

 僕たちは鍛冶部門にちゃんと戻って来れたようだ

 多分僕たちが謎の空間に入っていったのをルフタさんに知らされたのだろう

 ドアの向こうで激怒しているようだ



 僕たちは無事に戻って来れたことに安堵して、ドアを開き、ゴブニュさんを部屋に迎え入れた

続き鋭意執筆中

ライブ感だけで書いているので矛盾があったら教えて欲しいです


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@moongekko01

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