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36話

 鍛冶部門 鍛冶師 スミス ドワーフ族 155歳

 ドワーフの国 炎の山の麓にて 王宮鍛冶師の父と武器屋の母との間に生まれる

 15歳  国立学校を卒業 母の武器屋に卸していた鍛冶師に弟子入り

 20歳  初めて剣を打つ

 35歳  数打ちを任されるようになる

 50歳  鍛冶屋の相槌となる

 80歳  鍛冶屋の主が無くなる 主の息子が新たな主人になるも経営悪化

 90歳  王宮鍛冶師であった父が亡くなる 今まで勤めていた鍛冶屋を辞める

 他の鍛冶屋を回る流れ鍛冶師になる

 110歳 母が亡くなる 国を発ち世界を巡る流れ鍛冶師となる

 125歳 王都にて自分の鍛冶屋を開く

 140歳 鍛冶部門隊長に引き抜かれる 鍛冶部門所属となる

 152歳 『あるもの』を作るために備蓄の素材を無断で使う

 打った剣は素材費ほどでしか売れないためスミスのみ赤字が出始める

 155歳 貴重な素材に手を付け始める

 材料費の回収が困難になる



 うちの部門のドア相手に悪態をついていたゴブニュさんと話をして、分かったスミスの情報がこれである


「この国の方ではないんですねぇ」

「儂らドワーフは半分以上がドワーフの国出身だ

 それ以外は大抵ハーフだったり親が別の国に雇われた奴だったりだ」

「へぇ~そうなんですねぇ、私は王都から出たことが無いので知りませんでしたぁ」

「まぁドワーフは職人ばかりだし自分の話なんかより仕事と酒の話しかしないからな

 儂もそんな話あんましたこと無いしな」


 ゴブニュさんとニーナがお茶をすすりながら和やかに話している

 彼のさっきまでのドアへの怒りは何処へ行ったんだろうか

 ドワーフ族の髭のおかげでおじいちゃんと孫のように見える

 ゴブニュさんてお幾つだっけ

 とりあえず仕事をしよう


「それではスミスを追放したい理由をもう一度お聞かせ願います」


 僕は和やかな雰囲気を吹き飛ばす

 ゴブニュさんはさっきまで穏やかな様子だったが急にピリつき始めた

 ニーナは自分も穏やかなようではいられないと思ったのだろうか

 自分のデスクに戻りメモを取る態勢を作った


「うむ、スミスはな、鍛冶部門では地味な仕事を任せていたんだが・・・

 装飾や鍔や鞘、そして数打ちを任せていた

 特に奴の作る数打ちはとんでもないぞ!鍛冶部門の若いのに作らせたものと比べたら天と地の差があるほどだ!」


 いきなり目を輝かせ出すゴブニュさん 

 さっきまで話を聞くだけだったラビヤーが割り込んでくる


「数打ちっていわゆる乱造品ですよね?」

「おう!嬢ちゃんその通りだ!新人冒険者の最初の武器とか警備兵や軍からの大量発注などで卸しとるのが中心だな!」

「それが天と地の差ですか・・・」


 やはり先週まで現役だった斥候だから気になるのだろう

 僕はちょっとしたナイフと音魔法だけだったから剣の話は詳しくわからないからなぁ

 この案件中に、少しでも勉強しておこう


「数打ちが天と地ってどう違うかよくわからないんですけど」


 僕はゴブニュさんに質問してみる


「スミスの作った数打ちはな!普通に打ったロングソードの強度の3倍もあるんだ!」


 ・・・3倍?!

 さすがにそれがナイフだったとして、強度が3倍も差があるなら違いくらい分かるぞ!

 普通に打ったものを乱造品が凌ぐってとんでもないなぁ


「さっきゴブニュさんが話してくれたスミスの過去にあった『20年で数打ちを任せられる』って早いんですかぁ?」

「いや、それは師匠とその鍛冶屋によるだろうな

 儂は経験を付けさせるために5年師事した奴には数打ちを作らせるようにしとるが、小さい流行ってもいない鍛冶屋だとな、数打ちでも大きな発注だ

 まぁ小さい鍛冶屋なんぞに数打ちの注文が入ることなんぞ滅多にないがな

 田舎の町ぐらいじゃないか?」


 なるほど、仕事に手を抜かない人か・・・

 それとも数打ちにもそれなりの自信があるのか・・・


 とりあえず部下たちに指示を出そうかな

 いつまでもゴブニュさんとお茶飲んで長話している場合でもないし

 彼は今ニーナとラビヤーに鍛冶についてべらべらと解説と自身の自慢をしてるし・・・


「じゃあそろそろ仕事の話に移りましょう

 ニーナ、勝手に使われた素材をリスト化してくれ

 金額と貴重度も一緒に頼む

 ああ、それとゴブニュさんもニーナに教えてあげてください」

「了解ですぅ!」

「あぁ?何で儂が?」

「いや貴方鍛冶部門の隊長でしょう」

「そういうのは苦手だし書類仕事なんぞも秘書に任してる!嬢ちゃんよ、後で儂の秘書を紹介してやるからそいつに聞いてくれ」


 まさかこの人雑務は全部秘書に押し付けてるんじゃないのか・・・?

 鍛冶師としてすごい人だったとしても他はてんでダメな人だったりして・・・

 ・・・・後でギルド長に報告しておこうかな


「じゃ、じゃあラビヤーは僕と一緒に鍛冶部門に向かおうか

 今回は話を聞けそうな人が限られそうだし君の仕事で手伝えることがあったら何でも言ってくれ」


 話が聞けそうなのは素材の管理をしている人くらいだろうか

 鍛冶部門の弟子たちに話を聞いたらそこから追放のことが漏れてしまいそうだし・・・


「そうですね・・・じゃあ私は鍛冶をしている所を観察します

 ゴブニュさん、あとで鍛冶部門の目立たない場所とか部屋の構造とかいろいろ教えてください」

「おう!詳しく隅々まで教えてやるぞ!鍛冶の秘伝以外はな!」


 ガハハと笑うゴブニュさん

 懐は深いのだろうな

 やはり隊長達は癖があっても人格者ばかりだ

 ギルド長はどんな基準で彼らを選んだのだろうか・・・


 さて、調査の方針は決まった

『スミス』の追放調査を始めよう!

続き鋭意執筆中

ライブ感だけで書いているので矛盾があったら教えて欲しいです


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Twitterにて更新のお知らせ等しています

@moongekko01

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