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29話

 ブロアの案件が空けた次の日

 僕たちは次の追放対象をどうするか話し合う


「次の追放する人どうしよっか?」

「そうですねぇ・・・今一番ギルドに損害を与えている人にしましょうかぁ?」

「そうなると・・・鍛冶部門か購買部門の人になりますね・・・」


 僕たちは前に隊長達に面接した時の資料に目を通しながら話す

 追放って言っても片っ端から追放していたら最初は害のある人を追い出したとしても、最終的に気に食わない奴を追い出すだけになってしまうかもしれない

 それは阻止せねばならない

『牡牛の角』の評判を守るのも僕らの仕事の内である


「その二人だと購買部門のほうが悪質では?金銭的被害が大きいらしいですしぃ」

「でも鍛冶部門の方は貴重な素材や注文されていた使う予定の素材まで使っちゃうみたいですよ」


 うーむ・・・

 2件とも似たようなものだなぁ

 どっちも横領には違いないし・・・

 考えているとニーナが書類を見て違いに気づく


「あっ鍛冶部門の方は一応作られたものは出来上がっているのでそれを売って損害の補填はされているみたいですぅ

 購買部門はまだ疑いの段階ですけど日に日に被害金額が増えてるみたいですねぇ」


「じゃあ次は購買部門にしよっか、確か名前は・・・」

「『アントン』です」


 次の追放対象は『アントン』に決まった

 ここで前に行った各部門隊長達への面接を振り返る

 購買部門隊長のマイルズさんの話を・・・




「マイルズさん、お時間をいただきありがとうございます」

「いえ、ギルド長の命とあらば私に拒否権はありませんもので」


 少し高圧的な態度だが丁寧な言葉遣いの彼の名はマイルズ

 60歳の購買部門の隊長の人族である

 彼はギルド長の行きつけの店の店主だったが、ギルド長直々に誘われてギルドの購買部門の隊長となったらしい


「最近の購買部門はどんな感じですか?詳しく話してください」

「そうですねぇ、売り上げはかなり伸びましたね

 これはあの双子を看板娘に変えてからなんですが・・・

 私の采配が上手くいったようです

 おかげで仕入れや書類仕事に時間をかけられるようになりました」


 彼が自信満々に答える

 あの双子とは購買部門名物のアマゾネスのストゥアとスタンドだろう

 彼女たちを初めて見た時、まさかアマゾネス族が接客をしているとは思わなかったのでとても驚いた


「あの二人は元々戦闘部門にいましたよね?

 マイルズさんがご自身で勧誘なさったんですか?」

「ええ、購買部門に二人でよく買い物に来ていた時、商品の良し悪しを一瞬で見分けていました

 二人が、私ですら気付かなかった剣の柄の中の異音にまで気づいていた時には大変驚きました

 そして二人は購買部門の店員にとても丁寧に楽しそうに接していたので、あの才能が欲しいと思い勧誘したのです」

「なるほど・・・そんな経緯が・・・」


 彼女たちはただ美しいだけで看板娘になったわけじゃなかったんだな

 マイルズさんは商人としてすごい人物だが人を見分ける力もあるのだろう


「では次の質問です、今の仕事に不満はありますか?」

「無いですね」


 即答である

 しかも少し不機嫌そうだ


「私はギルド長自ら勧誘されたのですが、素晴らしくやりがいのある仕事を紹介してくれたと思っています

 そんな彼に感謝を述べたいですし、不満などあるはずがありません」


 僕はマイルズさんに睨まれる

 だってこの質問は隊長全員に聞いてるものだもの・・・

 仕方ないじゃないか・・・


「で、では次です

 仕事において事故や事件などありましたか?」

「私の部門では事故が発生した時は事故報告書を書かせております

 荷物を落としたとか壊したとか下敷きになったとかありましたがしっかりと書類に残し、怪我の見舞金も出してます

 後でその書類をこちらに届けますね」


 これが仕事の出来る上司って奴か

 質問しただけで欲しい情報の書類が届くって

 彼は商人よりも上司としての才能を持った人物なのではないだろうか


「最後の質問です、追放したい人物または追放に値する人物はいますか?」


 さっきまでザ・仕事のできる男!だったマイルズさんがため息をつく

 落差が激しい!


「これは我が購買部門にとって・・・いや私が一番恥じる事でしょう

 我が部門では今横領が多発しているようなんです」

「横領ですか・・・」

「ええ、先ほど事故報告書を書かせていると言いましたがその事故報告書に書かれた破損した荷物が消えたり安く売られたりしているのです

 まぁ破損したものを安く売るのは特売コーナーでもやっていたのですが、その規定より安く売られていたり、貴重なものも修理することなく即座に売られてしまっているのです」

「事故報告書を書いた者に話を聞いたりはしたのでしょうか?」

「してみたのですが、書類は偽造されているようなのです・・・

 書かれた名前の人物に話を聞いても書いた覚えがない、と・・・」


 結構悪質な事件のようだ

 これは調べるのに骨が折れそうだ


「では我々はその者をまず調べて名前を報告した後、追放をします」

「いえ、名前は分かっているのです」

「えっ」


 分かっていたのか

 ならば最初に言ってくれればよかったのでは・・・


「事故報告書が書かれた時間に勤務していた人物を、報告書と照らし合わせたのです

 その結果挙がった名前が『アントン』といいます」



『アントン』


 それが購買部門の追放対象の名前だ

今日は更新が遅くなってしまいました

続き鋭意執筆中

ライブ感だけで書いているので矛盾があったら教えて欲しいです


感想 いいね ブックマーク よろしくお願いします

Twitterにて更新のお知らせ等しています

@moongekko01

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