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27話

 3日後、僕たち追放部門は会議室へと赴く


 待っていたのはギルド長と開発部門隊長のカミーラさん


「まってたよ、やっとブロアを追放する説明をするんだね?」


 とカミーラさんが言う


「その件なんですが・・・ギルド長」

「ブロアの追放は見送ることにした」


 カミーラさんが驚いて僕とギルド長を交互に見た

 ギルド長には事前に話をしてあるのだ


「それは・・・どうしてさ?」

「では、その説明をさせていただきます」


 僕は数枚の書類を取ってギルド長とカミーラさんに渡した


「まず、ブロアさんのあの『臭い爆発するポーション』についてですが

 最初に・・・『臭くて爆発するポーション』をここで作りたいと思います」

「はぁ?」


 僕は片手を上げてニーナに合図をした

 彼女はポーションの材料と道具を台車に乗せてやってくる

 その後ろから魔法部門の魔法使い、回復部門からシアさん、そして・・・

 ブロアが現れた


「ブロア?もしかして・・・本当にここで作るのかい?」

「はい・・・追放されないためにポーションを作りに来ました・・・」


 カミーラさんは突然ブロアが現れたことに驚いている

 僕はポーションを作る環境について話始める


「まず彼は魔法部門から来てくれたディフさんです

 爆発した場合に備えて防御魔法を使ってもらいます

 次に回復部門からシアさんです

 彼女には匂い消しのために【浄化(ピュリフィケーション)】を使っていただきます

 そして今回の当事者のブロアさん

 彼女にはここでポーションを作っていただきます」


 それぞれがギルド長とカミーラさんに頭を下げてから、ブロアがポーション作りを開始する

 ニーナがその間に全員にマスクを配った

 少しでも匂いを食らわないために・・・


 用意された鍋に材料を入れて混ぜる

 魔法を使い火にかける

 だんだん匂いがきつくなってきた

 ブロアがディフに合図を送り防御魔法を唱える


障壁(バリアー)!】


 そして爆発!

 今回はボムン!という軽い音とともにブロアの作ったポーションが爆発した


 匂いが辺りに充満する

 シアさんが魔法を唱える


浄化(ピュリフィケーション)!】


 少しずつだか匂いが消えていく


「ごほっ長いことかかるな」


 ギルド長が匂いに耐えかねて悪態をつく

 その間ブロアとニーナがポーションと鍋を片付けている

 爆発したのだからそりゃあその辺汚れるよね・・・

 ギルド長たちに説明するためにポーションを爆発させるなんて普通怒られるけど

 事前にギルド長に話した時に彼は笑いながら許可してくれた

 多分面白がっていたのだろうけど

 カミーラさんは鼻を押さえて涙目だ

 ちょっと我慢しててください


 そうして片づけが終わり、匂いも消えたので説明を続ける


「あのポーションの材料は『薬草数種』『精製水』『殺菌剤』そして『自身の魔力』でした」

「えっなんで普通のポーション以外の材料が入ってるんだい?」


 カミーラさんが思わず僕の話を遮る

 僕はそれを気にせずに話を続ける


「通常のポーションは『薬草数種』と『精製水』ですよね?

 しかしブロアさんは『殺菌剤』と『自身の魔力』を入れていた・・・

 何故でしょうブロアさん?」

「はい・・・実は近年、王都の騎士団からポーションの発注が多くなったことはご存じですよね?

 そのポーションを効率よく作る方法を探していたのですが・・・」

「それで爆発するようなポーションになった?」

「はい『魔力』を入れるとポーションの性能が上がり薄めれば通常のポーション2個分になることが分かったんです

 でも・・・」


 彼女がここで口を閉ざす

 僕は話を続けるように彼女を促す


「隊長、最近新しい開発部門では殺菌剤を作っていますよね?」

「ああそうだね、従来のより強力なものが注文されたんだ」

「その手伝いを先輩方に押し付けられてしまって・・・」

「はぁ~~?何で言わないんだい!」


 カミーラさんが立ち上がってしまった

 ダメだ、このままじゃ話が進まない


「カミーラさん最後まで口を挟まずにいてください」

「う・・・わかったよ・・・」


「ブロアさん続きを」

「はい・・・殺菌剤とポーション開発を同時にしていた結果・・・

 眠すぎて混ぜてしまったようなんです・・・」

「眠すぎて・・・とは?」

「はい、ポーション開発に魔力を使ってしまい、殺菌剤の開発もあって忙しくて眠気がとんでもないことになってしまって・・・

 それに最近は風邪も引いていたようで鼻が詰まってしまっていて匂いに鈍くなっていたようなんです」

「だからポーションの臭さに気づかなかったと?」

「そうです・・・」


 ブロアが完全に下を向いてしまった

 カミーラも口を大きく開けたまま動かない

 もうちょっと詳しく聞かないと


「それで、なぜ臭く、なぜ爆発するようになったか説明していただけますか?」

「あっそうですね、臭くなったのは殺菌剤のせいです

 今開発部門で作っているポーションに使っている薬草の中に、薬草臭さを消して回復効果が微量にあるものがあるのですが・・・

 その効果を殺菌剤が打ち消してしまったと言いますか・・・

 さらに他の薬草の臭さを倍増させてしまったようなんです」


 アレは薬草本来の臭さだったのか・・・

 臭すぎて薬草とすらわからない臭さにまでなったなんてとんでもないな


「次に爆発した理由ですが、最近分かったんです

 入れた魔力が多すぎると魔力が瓶の中で飽和してしまって泡を大量に発生させて爆発するみたいなんです」

「なるほど、そうだったんですね」


 これはここでブロアに説明してもらう前に聞いておいたがあえて今聞いたように振舞うテクニックである

 広報部門ではギルド募集に来た加入志望者の理由を引き出すのも良くやっていたのだ

 てか魔力の飽和が起きるって何さ

 爆弾作ってるみたいな言い方だな


「以上です」

「ブロアさん、ありがとうございました」


 ブロアに礼を言った後、僕はギルド長とカミーラさんの方に向き


「以上の情報と証言によって、ブロアさんの追放は不当だと判断いたしました」

「ありがとうマーク君」


 ギルド長が僕に礼を言って立ち上がる


「カミーラ、ブロアが優秀な開発者であることが判明した、彼女の報酬を上げるように

 その後、彼女に仕事を押し付けたものに処分を下すことを命じる」

「わかりました・・・」


「ブロアを追放しなくて済んだ、これでこの話は終わりとする」


 ギルド長の締めの一言でこの会議が終了したのだった




続き鋭意執筆中

ライブ感だけで書いているので矛盾があったら教えて欲しいです


感想 いいね ブックマーク よろしくお願いします

Twitterにて更新のお知らせ等しています

@moongekko01

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