25話
ブロアのポーションをよく買っていたという新人冒険者たちに話を聞くため
僕は受付部門にやってきた
「すいませーん」
「はーい!あっ追放部門の隊長さん!今日は何の御用でしょう?記録が見たいなら記録室へご案内しまーす!」
「違うよ、今日は依頼を出しに来たんだ」
「ご依頼ですか?でしたら3つ隣の依頼受付カウンターに行ってください」
「ありがとう」
昔冒険者をやっていた頃は受付に来たら依頼を受けるだけだったが
今回初めて依頼を出す
少しワクワクしている
「依頼受付カウンターへようこそ!今日はどんなご依頼をお持ちですか?」
「新人冒険者たちの話を聞きたくて彼らを集めてほしいんだけど・・・」
「新人冒険者ですか?かなりの数がいますけど」
「その中でもちょっと特殊な奴らなんだよね」
「もう少し詳しく教えてもらってもいいでしょうか」
僕は受付の女性に自分の部門、今やっている仕事、集めたい新人冒険者たちの特徴を教えた
ちなみにしっかりと公言しないように言い含めておく
「そうですね・・・さすがに特殊なポーションを買った子たちまではわからないので・・・
では新人冒険者たちの中でも特にお金に困っていそうな子たち限定の依頼にしましょう!」
「それいい!いい案だよ!」
なるほどなぁ
その特殊なポーションを買うような新人冒険者たちは金に困っているはずだろうと
目の付け所が違うよこの受付の人
「では、話を聞く・・・つまり新人冒険者へのアンケートで依頼を作らせていただきます」
「よろしくお願いするよ」
僕は受付の女性に礼を言うとその場を去ろうとする
「またこんな依頼をするかもしれないから名前を教えてもらってもいい?」
「はい!受付部門依頼受付カウンターのアンナです!またのお越しをお待ちしております!」
「アンナ・・・ありがとう!」
そうして僕は特殊な新人冒険者たちから話を聞くための依頼をしたのだった
アンナ・・・覚えておこう
そして有能だから受付部門の隊長に彼女を報告しておこう
褒めてあげてください
依頼を出して次の日から新人冒険者たちから話を聞いた
普段どんな依頼を受けているかとか今後の目標、やりたいこと
食生活
そして怪我をしたらどうしているか
もしも彼らがブロアから直接ポーションを仕入れていて、何かの拍子に僕の仕事が知られてしまわないようにまんべんなく質問をし、たまに聞きたいことを織り交ぜる
彼らは冒険者になったのだからやはり金が要ると言っていた
身売りさせられそうになったり、村が潰れてしまったり、家族を食べさせるためだったり・・・
僕が冒険者になった時は周りはみんなでかくなりたいとか、成り上りたいとか、有名な冒険者にあこがれてとかそんなのばっかりだったのに・・・
まぁ僕はとりあえず都に来て、できそうな仕事が冒険者だけだったんだけどね・・・
彼らの話を聞いていると、近年王都以外の領地では増税の動きがあるそうだ
まさか反乱とか無いよね・・・?
怪我をしたら大抵がポーションを使っているようだった
回復術の素質がある子は大半が教会が保護していたり、他の回復術師の弟子になって暮らしているので彼らのように冒険者になる子は少ないのだ
新人冒険者の中にブロアの作ったポーションを使っていたり持っている子たちは結構いた
彼らは皆、購買部門の特売品コーナーからこのポーションを仕入れているようだった
しかもこの臭くて爆発するポーションの使い方は回復役としてではなく魔物避けとして使うものもいるそうだ
たしかに、獣人が嫌がるくらい臭いのなら彼らよりも野性的で嗅覚に頼って生きてそうな魔物なら逃げるんだろうな・・・
ちなみに爆発は稀でほとんどが臭い回復ポーションらしい
稀でも爆発するのは怖いんじゃないか・・・?
彼らの中に一人だけ、爆発する奴とそうでない奴を見分けられる子がいた
なんでも中に魔力が充満している奴が爆発するようだ
その子の名前を書留めておいた
彼女はアナ
僕は
「また話を聞くことがあるかもしれない」
と言って連絡先を聞いておいた
彼女は魔力を見分けられるみたいなので魔法部門あたりに紹介して確保してもらおう
いつか優秀な魔法使いになるかもしれない
広報部門で働いていた時こういった子を確保するのも仕事だった
まぁ今回は情報提供者の確保・・・つまり連絡が取りやすくするって意味もあるんだけどね
必要な時に見つからなかったら仕事にもならないし・・・
僕は実利と彼女の将来を買った気分だった
・・・魔法部門で確保してもらえば彼女を拘束する経費も抑えられるしね
「とまぁこんな感じだったよ」
僕は二人に新人冒険者から仕入れた情報を話し終わった
「私は冒険者をしたことないから新人さんってそんな感じなんですねぇ・・・
知りませんでしたぁ」
「ええ、こんな感じでした・・・
あの頃は生活も苦しくて報酬が美味しい依頼を見つけるのも大変で・・・
難しい依頼をこなすためにいい装備を買いたくてもそのお金が無くて日々の食事でお金が消えていく・・・・そんな毎日でした・・・」
ニーナとラビヤーが僕の話を聞いて感想を言っている
特にラビヤーは自分が新人だったころのことを思い出して遠い目をしている
・・・恵まれた冒険者生活を送ってごめんなさい
「とにかく!爆発する原因に見当がついたんだ、この情報があっているか開発部門の人に聞いてみよう
そして、これは必要経費になるけど回復術師に報酬を払ってブロアの研究室に【浄化】をかけてもらおっか」
「そうですね・・・後匂いを感じないためのマスクなども必要です・・・」
「購買部門に頼んできますねぇ」
「あと、【浄化】をかけている間にブロアには何か用事を出してその間に研究室を調べよう」
こうして、もっと情報を得るために僕たちはそれぞれ動き出したのだった
続き鋭意執筆中
ライブ感だけで書いているので矛盾があったら教えて欲しいです
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