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21話

 ステーレンが部屋から出ていった後、残った隊長達と話をする


「なるほどこんな感じなのね」

 魔法部門の隊長エレノアさんがはじめに声をかけてくる


「私は追放して欲しいってお願いしたらすぐしてくれるだけだと思ってたわ

 こんなにしっかり調べるのね」

「ええ、ギルド長に初めに言われたんです

『どんな粗忽者でも追放となれば聞こえが悪い』って

 たしかに、ただ追い出すだけでは今後変な噂を流されたりしてギルドの印象が悪くなるかもしれませんし

他のギルドからどう思われるか・・・

評判にも繋がりますね」

「そうね、私もこの間の面接で何人かの名前を教えたけど少し考えないといけないかもしれないわ」

「一応こちらでも検討して魔法部門からは1名に絞っておりますけど・・・」

「私のところは後にして頂戴、その子迷惑っちゃ迷惑だけどそこまで緊急じゃないわ」

「わかりました」


 エレノアさんが部屋から出ていった

 次はギースさんだ

 さっきから上を向いたり下を向いたり、腕を組んで首を傾げたり・・・

 何やらいろいろ考えているようだ

 エレノアさんと話している間ずっと視界にいたから気になってしょうがなかった

 僕と目が合うとドスドスと近づいてきて・・・


「・・・ッ!」


 自分の口に指差した


 やっべ、【消音(サイレンス)】かけたままだった

 他の部門の隊長が笑いを堪えているのを見て眉が潜むギースさん

 あわてて解呪する


「・・・あー、あー・・・やっと喋れる・・・」

「すみません、あの時は邪魔されたくなかったもので・・・」

「いや、まぁ急に大声出して、奴に殴りかかった俺も悪いわ

 ここまで長い間魔法をかけられるとは思ってなかったがな」


 と、少し恨み言を言ってくる

 だってあの時は無我夢中でしたよ・・・


「とにかく、ありがとうな」


 と頭をポリポリと掻きながらお礼を言ってくる


「あいつは俺が隊長になってから最初にチーフに選んだ奴でな?

 信頼もしてたんだが長い事仕事を見てない間にこんなことになるとは思っていなかった

 それに、奴の今後を考えてくれてそっちも感謝している」

「それはギルド長に言ってください、僕は案を出しただけで決定権はギルド長です」

「いや、それだけでもありがたい

 何か礼がしたいんだが・・・」


 お礼・・・お礼か・・・

 急にそんなこと言われてもなぁ

 今追放部門に足りてないのは・・・

 あっ、あった


「でしたら戦闘員が欲しいんですが」

「戦闘員だ?」


 ギースさんが目を丸くする


「はい、今うちの部門は戦闘能力が皆無です

 今後は今日みたいに隊長達勢ぞろいで追放をすることは無いと思うので、どこかの誰かさんのような人が暴れだしたら手に負えないんです」

「言うなぁお前、ちょっと度胸がついたか?」


 ギースさんがガハハと笑っている


「さらにですが、今回は他国の警備の方が来てくれて情報をくれましたよね?

 その手段は裏の素材屋の摘発でした

 追放対象が危ないところにいたりした場合はうちの調査員だけではとても行かせられそうに無いんです

 なので護衛役兼牽制役・・・制圧役かな?そんな人が欲しいです」


 ここぞとばかりに希望を述べてみた

 今回は運も良かったんだよなぁ

 正直割と短い期間で追放まで着手できたのはそのおかげだし・・・


「そうか・・・わかった!誰か行けそうなやつをそっちに送るわ」

「ちゃんと本人の了解を得てから、お願いしますよ?」

「了解だ、もう一度言うが・・・

 今回はありがとうな」


 普段の強面から想像もつかないような少年のような笑顔でギースさんはドスドスと去っていった

 照れての言い逃げだよね?

 とにかく、解決してよかった

 これで彼の胸のつかえも取れただろう


 次はハイムリッヒさん

 なんか皆、律義に順番を守って話しかけてくるな・・・


「やぁやぁお疲れ様ー

 ラビヤーが役に立ったようで良かったよー」

「ええ、優秀な調査員です

 ありがとうございました」

「今回、彼女の悪癖は出なかったー?」

「そうですね・・・ステーレンの悪事を書類にまとめている時に無意識に出ていましたけど・・・

 調査をしている時には出なかったようですよ、本人が言っていました」

「ほんとー?本人に聞いてみようかー」


 そう言って彼が指を鳴らす


「ラビヤー!」


 またあのかっこいい仕草だ

 でも、どうせ彼女は歩いてく・・・


「はい」


 ・・・彼女が上から降ってきた


「うおぉぉっ?!」

「あははははははー!君があの時期待してたみたいだったから、ラビヤーに次に指を鳴らしらこれやるように言っておいたんだー!びっくりしたー?どう?」


 彼は自分の足をバシバシと叩きながら爆笑している・・・

 やっぱりあの時は表情を読まれてたんだなぁ


「ええ、びっくりしましたよ・・・」


 ラビヤーはハイムリッヒさんとハイタッチをして笑顔で僕に向かって指を二本立てている

 してやられた

 歩いてくるとばかり思っていたんだから


「とにかくこの子はまだそっちに置いてあげてねー

 楽しそうだから」

「隊長!」


 ラビヤーが耳をぴくぴくさせながらハイムリッヒさんに抗議をする


「もう隊長はマーク君だよー」


 と言いながら彼は手をひらひらと振って部屋を出ていった


「・・・これからもよろしくね」

「・・・はい、マーク隊長」


 その後、残りの部門の隊長達から質問などを受けた

 ぶっちゃけ、囲まれて質問攻めである

 どうやって調査を行ったのかや経費がどれくらいかかったのか、ギルド長からの指示やどこまでやっていいか許可を貰ったことなど・・・

 ギルド長に聞いたほうが早いこともあったが

 当の本人はいつの間にか消えていた・・・

 厄介ごとを押し付けたのか

 ただ単にめんどくさかったのか

 それとも他に仕事があったのか

 1200年生きているエルフの考えは全くもって読めないなぁ・・・


 そうして隊長達が満足し、部屋から全員が退出する

 僕はニーナとラビヤーともに会議室の片づけを行った後、追放部門の部屋に戻っていった

続き鋭意執筆中

ライブ感だけで書いているので矛盾があったら教えて欲しいです


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Twitterにて更新のお知らせ等しています

@moongekko01

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