救世主
夢を見ていた
「~と~て~た?」
どことなく懐かしくもあり
「~て~た。」
果てしなく遠くの出来事にも感じた
「~は?」
でも、
「~はね~て。」
確かなことが一つだけあった。
「君は?」
この夢はきっと、、、
「私?私はね!」
俺たちにとって、とても大切なことなんだと。
第一章、、、
「眩しいな~、もう朝かよ。」
朝、俺佐久間陽向は眩しい日射しを感じて目が覚めたが、どうしてだろうか身体がだるい、
「あーー!起きたくねぇ!」
まぁ、体がだるいのはいつもの事なのだが 、、、
全く誰だよ、、、義務教育とか考えた奴は
「それじゃ、一生寝てろ!」
「ゴフッ!」
ものすごい衝撃と共に、死ね発言が、聞こえてきた
「ねぇ、お兄ちゃん。起きたくないとか言ってる暇があったら今すぐ起きるか、そのまま楽になるかどっちがいい?」
笑顔で言える言葉じゃないよな?我が妹よ。
まぁ、仕方がない
「起きます。はい。」
「おはよう陽向、昨日はよく眠れた?」
あぁ、この母親からのおはようが今日も平和だなということを、つよく実感した
「おはよう母さん。よく眠れたよ。妹からの虐待を受けるまでなー。」
「だってお兄ちゃんがぐずぐずしてるからー」
こればっかりは、性分なので理解いただく他ないよなー
「陽向はちゃんと、自立できるように頑張らないとねー」
と言うと母さんは、白米と、みそ汁、それにザリガニを、、。ん?ザリガニ?
「母さん、これは一体?」
「いやーね!昨日言ったじゃない、動物ショップに、海老がすごい格安で売ってたから買っちゃったって!」
まって、ツッコミたいところがわんさか出てきたぞ
この母親は、まずどこで海老を買ったって言ってた?
「母さんエビの特徴を応えてみて?」
「赤い事と、甲殻類ってこと!どやぁー!」
ハサミがないことは?一番わかりやすい違いを言えてないから、ドヤらないでね?この天然親は
「ご馳走様でした!」
え?
「食ったの?陽和」
「土の肥料に、なったよ」
いつの間に!?
でもその手があったか!
「母さん俺ちょっとトイレに、、、」
「あぁ、美味しかったわー。」
天然の枠超えてたわこの人。
「お兄ちゃん時間!遅刻しちゃうって」
あぁもう!情報量が多いわ!
「行ってらっしゃーい。」
「行ってきます」
「そんじゃ、まぁ」
「陽向」
「ん?どうした?」
「気をつけてね」
「なんだよ今更、行ってきます」
そして、この日がはじまった
「はぁ、朝一番から怒涛すぎて疲れたなー」
なんかいい事あってもいいと思うんだけどなー
例えば女の子が空から落ちてくるとか。
「ちょっと君!どいて!危ないよ!」
「まさか本当に空から落ちてくるとか!?」
空を見上げると何も無かった、、、
はぁ、そんなことあるわけないか、、、
「ちょっと聴いてる!?どいてってば!」
疲れすぎたのか?幻聴が聞こえてくる。
いよいよ末期か、、、どうしよ。
「ちょっとブレーキが効かないんだってば!ぶつかるよ!?本当に!」
今日はもう学校休んで医者行こう医者。
病院近くにあったっけ?
「あー!もうダメ!ぶつかるー!!」
ガシャーン!
何が起こったのか理解が追いつかなかった
でもそんな中一つだけわかったことがあった。
「水色のしましまか。」
ばたっ。
「いたたたたぁ。ん?わぁぁぁー!!
人引いちゃったよ!やばいよー!!こんな時どうするんだっけ?あ、そうだ!消防か」
「そこは、、、救急だろ、、、」
「あ、生きてた。」
「勝手に、、、殺すな。」
全く、今日は厄日かなにかか?
「ごめんね!さっきは引いちゃてでも、君も君だよ?私の言うこと全然聞いてくれないんだもん。」
「いや、それは悪かった。俺もボーとしててさ
というか今も実のところ意識がボーとしてきて、、、」
あーなんか、世界が赤くなってきたぜ、、、
これほんと末期だ、、、まじで、まじで、、
「どうしよぉーおれぇー!!」
ブシャーー!
「ほんとにどうしようだよ!今の君!」
そう言うと女の子は、手を差し伸べてきた
「ほら、立てる?手かそっか?」
「いや。大丈夫。一人で立てるから」
女の子に手を差しのべて貰ってるとか、少しかっこ悪いしな。逆ならシチュ的に大ありなのだが。
「ところで君本当に大丈夫?頭から血出てるけど?」
「へぇー、道理で。」
目の前が赤色だと思ったらそういう事か、、、ん?
「頭から血出てるの俺?」
「うん。凄い出てるよ。でも喋れてるし!大丈夫そうだね。」
頭から血、出てるのか。あ、やべそう言われると
目の前が赤色から、黒に、、、
ばたっ、、、
「え?ちょっと?ねぇ大丈夫!?ねぇてばー!!」
「っつ、えーとなんでここにいるんだっけ?」
目が覚めるとそこは学校の保健室だった
でも、おかしいことがひとつ目が覚めるとしたら
俺は登校していた道で目が覚めるはず、
誰かが俺を運んでくれたのか?
「お?ようやくお目覚めか?」
横に振り向くと 、いつも目にする奴の姿があった。
「出来ればそこは、美少女が待っていてくれたりするはずなんだが、、、お前かぁ、、、」
「悪かったな。美少女じゃ無いが、お前の幼なじみが、お前をここまで運んでやったんだからさ、ありがたく思えよ?」
あいも変わらず恩着せがましい奴、、、
あれ?でも、、、
「女の子いなかったか?うちと同じ制服の。」
意識が朦朧としてたのと下着の色に気を取られすぎてたけど、確かにあれはうちの制服だった
「あぁ、夜桜さんな。」
「夜桜?誰だそれ?」
「隣のクラスの人。割と人気者なんだぜ?優しくて、あの容姿女友達も多ければ、男子からの人気もあるって人だぜ?知らなかったのか?」
いや、全然知らんかった、どちらかと言えば日陰者の俺は、そういう話題に疎い。ましてやそんな人気者のことなんて眼中に入ることすらなかった
「で、その夜桜さんはどうしたんだよ?」
「いや、俺が登校してる途中でな。夜桜さんお前を運んでたんだよ。んで俺が変わるって話したら、
「私が引いちゃったから申し訳なくて」って言ってなかなか変わろうとしなかったんだよ。女の子の体に男子高校生の重さは辛いと思ったからなんとか言って代わってもらったんだ。」
そいつは、申し訳なかったな、、、
「んじゃ、まぁ行きますか」
「行くってどこにだよ?」
「夜桜さんとこ」
「律儀だねー」
「うるせーよ」
大変な思いさせちまったんだし、お礼と謝罪くらいしないとな、男が廃る
「あのーすいません。夜桜さんいますか?」
「えーとどちらさんですか?1年の人?3年の人?」
「いえ、隣のクラスのものですが」
「あ、ごめん!あんまり見ない顔だったから誰かと思っちゃって」
まぁ知ってたさ、でもこれほど俺の知名度って壊滅的だったの?
しかも一年か三年の選択肢しかなかったなんて
同級生かもって考えはするまでもないってか。
泣くぞこら、、、
「ちょっとまっててね?」
「あ、はい出来れば早くお願いします。」
さっきから周りの男子が殺意剥き出しの目で俺を見てて、早急にこの場から立ち去らないと殺されるかもしれない勢いなんで、
「私に何か用ですか、、、って、朝の人!」
「あの実はお礼と謝罪がしたくて」
「いや、いいよ!いいよ!私がちゃんと点検してればこんなことにはならなかったんだし、それに怪我大丈夫だった?致命傷にならなくて本当に良かったよ。」
何この天使
「いや、俺もボーとしてたからさほんとにごめん。しかもそのあとも運んでくれてたとか、そのありがとう。」
「困った時はお互いさまだよ?」
「そう言って貰えるとありがたい。」
「そのお礼と言っちゃなんだけど、なにかさせてくんないかな?このまんまだとスッキリしなくて。」
「別にいいんだけどなー、じゃぁ、お言葉に甘えて、今日のお昼私と一緒にご飯しようよ」
「へ?」
wattuha-pun?この子何言ってんの?
「いや、でも友達とかと食べたりとか、」
「大丈夫、大丈夫!一日くらいどーってことないって!」
「いやでもその、、、」
「それとも、私と一緒なのは嫌だった?」
くそなんだその上目づかい、可愛いなちくしょー!
「いや、全然嫌ではないんだけど、」
「良かった!じゃぁ、決まりだね!屋上で待っててよ。絶対だからね!」
にこっ。
「今日ついてるかも。」
と浮かれていたら、ボールペンが数十本俺の目に向かって飛んできた。
前言撤回、厄日だわ今日。
「おぉ、おかえりひなたって傷だらけだなどうしたよ?」
「隣の男子生徒全員からの殺意の念を、かわしてきた。」
ほんと酷い目にあったぜ、あいつら本当に人間か?
常人を上回る動きしてたが、
「そりゃ災難だったなwんで夜桜さんなんて?」
「昼飯一緒に食おうって誘われた。」
「ん?すまん。話がぶっ飛びすぎて理解が追いつかんのだが最初っから説明頼む。」
かくかくしかじか
「へぇー、そりゃ良かったじゃねーのよ。お前みたいなの、昼飯に誘ってくれるなんて今日は魚でも降ってくるんじゃねーかw」
「お前みたいなのは余計だけどな」
でも確かになんで日陰者の俺なんかととは思ってるけどさ、
「んじゃ、俺もそのお誘いに乗っちゃおうかな?」
え?なにいってんなこいつ?
「いや、俺が誘われたってだけでもお前は誘ってもらってねーだろ?」
「だって、お前と俺はいつも一緒にいる中だろ?なら、今回も行かないとなーw」
ちっ、こいつついてきてからかうつもりか、そうはいかんぞ!
「なぁ、陽向くんw」
「なぁ、もゆるちょっちスマホ貸してくれ。」
「ん?急にどうした?」
「いいから、いいから」
「わかったさ、はいよ。」
馬鹿め!かかったな
「ところでもゆる。今日久瑠美はどうしたんだ?」
久瑠美へ、あ、ちなみに久瑠美というのは本名久瑠美柚葉と言って俺の幼なじみの一人だ。
「ん?あいつか?あいつなら、今日はなんか休むって聞いてるけどな」
昼飯をお前と食いたい
「そうか、そうか、許嫁がいるのは、羨ましいヤツめ」
今日の昼12時に体育館倉庫の中で待ち合わせにしよう
「よせよ、親が勝手に決めたことだぜ?」
愛してる柚葉
ポチ、ティロリン♪
「おい待て今何を送信した!」
「お前の許嫁に送っただけだが?」
「ちょっと見せろ!」
愛してる柚葉、、、ゴフッ!!
「てめーなんてもの送ってやがる!」
「お前が来ると邪魔になるんだよ!」
「だからってお前、」
ティロリン♪
「メールが届いたようだが?もゆるくん。」
「まさかあいつ本気になんて」
わかった、全力で用事を片付けて、シャワー浴びて勝負下着で行くから待ってて
「ごふぁ!!!!」
排除完了、しかし少し悪い事をしたな、
なんて思ってもないけどな!
そして、昼飯の時が来た。
茂の奴は何故か、産まれたての子鹿のようにビクビクしている。初めて見るなあいつのあんなとこ
「さて、屋上に行けばいいんだよな」
ガチャ。
「あー、きたきたもう、来ないかと思ったよ」
「そのすまん、待たせて待って」
「まぁ、いいや来てくれたし許そう!」
何この可愛い生き物
そして俺と夜桜は、昼飯を食い始めた。
もちろんこの子昼飯を食っている間も可愛かったので、俺は飯どころの話ではなかった
そして、飯を食い終わった
「そういえば私まだ君の名前聞いてなかったね」
「俺?俺の名前は佐久間陽向、もし呼ぶことがあるなら陽向でいいよ。」
「なら私も、改めて私の名前は夜桜夏鈴、だから夏鈴って呼んで。」
「んじゃ、夏鈴さんは、なんで俺と昼飯を?」
「んー。なんでかって言われると、ちょっと陽向くんに聞きたいことがあったからかな?」
「ん?俺に」
「そう、陽向くんさ実は昔、、、」
ドカーン!!
「え?何?」
突如、空から無数の何かが落ちてきた。
いくつかは中学校や、町に落ちたでも、大半はこの学校のグランドに落ちてきた。
数にしてみれば六つになる。
そして土煙が消え、落ちてきたものの正体が見えてきた。そうその姿はまさに、
「人なの?」
確かに人の形をしていた。でも人として、一番欠けてはいけないものがかけていた。それは、、、
「ちがう、あれからは感情ってものを感じない、、、」
ニヤリッ。
「うっ、、、!」
「陽向くんどうしたの大丈夫!?」
「だ、大丈夫、、、」
大丈夫じゃなかった、確かにあの時あの人型の何かが笑った。その瞬間全身を駆け巡る悪寒を感じた。そして一つだけ理解出来た。あれは何かすごくやばい!
「夏鈴さん、今すぐ逃げよう。」
「どうしたの?陽向くん顔真っ青だよ、」
「うまく説明はできないけど、今すぐここから逃げよう!じゃないと俺たち、、、」
「俺たちがどうかしたの?」
「殺される。」
ピカッ、、、ドカーン!!
その瞬間光と同時にすごい衝撃が俺たちを襲った。
「まさか、、、!」
「う、嘘でしょ、、、」
何が起こったのか見てみると、さっきまで楽しせうな声が聞こえていた教室、、、いや、夏鈴さんのクラスの教室が、壊されていた。
「みんな、みんなが、死んじゃったの、、、」
「クソッ!夏鈴さん早くしたに降りよう!」
「いや、そんなの嫌、みんな死んじゃやだぁ!!」
やばい、我を忘れてる!クソッ、一か八か!
パチン!
「え?」
「ごめん夏鈴さん。確かに夏鈴さんの教室が壊された。でもまだ全員死んだって決まったわけじゃないんだ。だから今から生存してる子がいるか確認に行こう。いいよね?」
そう言うと夏鈴さんは落ち着いたのか俺の問いかけに、真っ直ぐな眼差しで「うん!」と答えた。
全くこの子は優しいだけじゃなく強い子なんだな。
「よし!まず教室に向かおう。そして1人でも多く助けよう。」
「うん!わかった!」
よし、それじゃぁ、、、
「陽向くんちょっと待って!」
「ん?どうしたの。」
「あれもしかして。」
「まさかあいつら、、、」
数十分前体育館倉庫
俺こと、黒瀬もゆるは今、命の危機に直面している。
「まて柚葉!それは本当にまずいって!」
「大丈夫。私覚悟は出来てるから。お嫁さんになるためにまずは既成事実から作らないとって、お母さん言ってたし!」
「間違えてる!それ、ぜってぇ間違ってるから!」
なぜこんなことになっているのかと言うと、あの馬鹿陽向が、午前中用事で休むと言っていた柚葉に
あるメールを送ったことに事を発している。
あの馬鹿次会ったらマジで殺す!
「それじゃまずは大人のキスから、、、」
「待て早まるな!落ち着いて考えろ柚葉!第一許嫁なんて親が勝手に決めたことだから、無視してもいいんだぞ!」
「私は、別に構わないよ?」
クソッ!止まらない!こうなったら
「あっ、あそこに未確認生物が!」
「もゆると、既成事実を作ってから、ゆっくりと見るね。」
なんでだこんちくしょー!!
ビクッ、
「ん、んぅ、どうした柚葉?」
「もゆる来るよ。」
「来るってまさか、、、」
「うん。」
嘘だろだって奴らは、、、
「この街には来れないはずだろ、、、」
「うん、、、私も今びっくりしてる。」
「こうしちゃいらんねー!早くみんなの避難を。」
じゃないと、、、
「ごめんもゆる、もう遅いみたい。」
「まさか、、、」
ドカーン!!
ガラガラガラ!!
まじかよ、、、
倉庫から出て衝撃のした方に向かうと、そこには奴らがいた。間違いない、小さい頃俺たちを襲ってきたあいつらだ、、、
「くっ、、、」カチャ、、、
昔からじいちゃんに言われて持ってた刀を、俺は制服の裏から出した。すると横から
「もゆる、やるの?」
と声を出したのは、柚葉だった。俺にはその声が、震えているように聞こえてきた
隣にいる女一人安心させられないなんて俺はまだまだだな。でも、、、
「あぁ、やるさ。じゃないと大切なもん全部失っちまうからな。」
この街も、街に住む人も、横にいるこいつも、みんな俺にとっちゃ命張ってでも守りたいもんだから。
「わかった。なら!」
そう言うと柚葉は、片手でモテるほどの大きさの刃物を二つ手に持った
「私も一緒に!」
「っ、、、わかったよ。頼りにしてるぜ!」
「うん!」
その瞬間だった。
ピカッ、、、ドカーン!!
「くそっ、どこに当てに行きやがった、、、はっ、」
「隣のクラスが、、、そんな、、、」
くそっ、、、でもやっぱり俺は弱い、、、今目の前にあった命すら、助けられなかった。
「二発目来るよ!」
なら、、、!
「もうこれ以上殺させてたまるかぁぁぁぁ!!」
ガキン!!
「「「きゃーーーー!!」」」「「「逃げろ!!!!」」」「押すなって!!」「神様、、、助けて、、、」
くそっ、人が多すぎてはぐれちまいそうだ。
「夏鈴さん!大丈夫。はぐれてない?」
「うん、私は大丈夫。それより早くしなきゃね。」
「そうだ、急がないと救える命も救えなくなる。」
今の俺には、一人でもいいから助け出す。
そして、絶対いきのびる。それしか頭になかった。
「ついた、、、」
「ひどい、、、」
確かにさっきまで人がいたとは思えない有様だった。
「ここで止まっててもしょうがない。とりあえず瓦礫をどかして中に入ろう。」
「わかったよ。」
ガラガラガラガラガラ、、、
「とりあえず瓦礫はどかせたけど、夏鈴さん一応言っておくけど、ここから先は見ない方がいいと思うんだ、だから目を瞑って、、、」
「大丈夫、覚悟はできるから。行くよ私!」
やっぱり強いなこの子は、、、
「じゃぁ、行くぞ。」 ガラッ
「うっ、、、」
知ってたでもやっぱりしんどいなこれは、
周りからは鉄の匂いが充満してる。でも単純に鉄の匂いって訳じゃない、鉄分、いや、血の匂いだ。
さらに追い打ちをかけるように、ついさっきまで人だったものが転がっていた。
さすがにこれには、、、
「うっ、、、うぇ、、、」
覚悟は出来てても辛いよな。さっきまで普通に話してた子だっているかもしれないんだし、、、
ガラッ、、ガラッ
「物音、まさか!」
ガラガラガラ!!!
「ん、、、んぅ、、、」
良かった!生きてる。
「夏鈴さん一人生きてる。早くこっちに!」
「はっ、、、」ばっ、、、
「明日香!明日香だ!良かった、、、生きててくれた。」
どうやら、知り合いみたいだこんな時だ、とっても嬉しいだろうな。涙まで流して。
「よしじゃぁ、引っ張り出すから夏鈴さんも手伝って」
「うん、、わかったよ!」
「よし、引き出せた。」
「明日香!明日香!」
「うっ、うぅ、ここは、、、あれ?夏鈴?どうしたの?涙なんか出して?らしくないぞ?」
「馬鹿っ、でも生きててくれてありがとう、、、」
良かった、一人でも助けられてよかった。
「さて、じゃ、君の名前はなんて言うの?」
「あなたは?」
「俺は佐久間陽向。」
「佐久間、、、誰だっけ?」
そのくだりはもういいよ!
「で君の名前は?」
「香坂、香坂明日花って言います。」
「よし、じゃぁ香坂さん一人で歩けそう?」
「うん、」
「よしそれじゃ香坂さん夏鈴さんと一緒に避難用のシェルターに行って、いい?」
「わかったよ。」
よし、それじゃ俺はあいつらの所へ、、、
「まって。」
「へ?」
「夏鈴?」
「陽向くん、どこに行くつもりなの?」
「いや、どこって、その、、、」
いえない、あの化け物のいるところに行くなんて
「はぁ、どうせあの化け物のいるところに行くつもりなんでしょ?」
ギクッ、なぜバレた、、、
「全く、嘘つくの慣れてないでしょ、バレバレだったよ?」
「うぅ、、、」
「私も一緒に行くよ!」
「はぁ!?」
「ごめん明日花、そういう事だから」
「どうせ行くなって言っても行くんでしょ?」
「うん。」
「はぁ、分かったよ。行ってらっしゃい。その代わり生きて帰ってきてね?」
「わかった!」
たくっ、しゃーねーか。
「それじゃ、行きますか。」
「行ってきます!」
「うん、、、」
ドカーン!!ドカーン!!ドカーン!!
「クソッ、こっからじゃなんにも見えないか!」
今俺と夏鈴さんは戦いが起こってるグランドに来ていた。
「陽向くんあそこ!」
そう言って指を指した場所には刀を手にして戦っている幼なじみ黒瀬もゆるの姿あった。
でも、あいつあんな武器持ってたっけ、、、
それにあの動き妙に戦い慣れしてるというか、、、
キーン、、、
「いってぇ、、、、」
「どうかした?」
「いや、頭が少し痛くなっただけだから大丈夫、、」
なんだったんだ、いまの、、、
「陽向くん上!上!」
「上?」
見上げてみると瓦礫が落ちてきていた。やっべ詰んだかも、、、
「「うわぁぁぁぁ!!」」
ガキン!!
ん?あれ俺生きてる?
「ここで何やってるの?陽向」
ん?この声。
「柚葉!」
「はぁ、こんな所に居ないで早く避難しなさい。でも無事でよかったよ。」
「ところで柚葉、お前ともゆるが、なんで戦ってんだよ!それにその武器なんなんだよ。」
「説明は後。今はとりあえずシェルターに急いで!」
「、、、わかった。死ぬなよ。」
「陽向もね。」
「行こう夏鈴さん」
「うん。わかった。」
俺と夏鈴さんはその場からは離れようとした。
その瞬間だった。
キィーン!!
「あぁ、うがぁぁぁぁ!!」
すごい頭痛がした。さっきとは比べ物にならない。
周りの認識すら難しくなるような激しい頭痛が、
俺は、たっていられずその場に頭を抱えて座り込んでしまった。
「ちょっと!陽向くん!陽向くん!!」
「か、鈴さ、ん、俺、は、いい、から、はやく、いって、」
「そんなの絶対やだ!一緒に逃げるの!もう私の知ってる人を失いたくないの、、、失わせないで!」
「か、鈴さん、、、」
やばいもう意識が、、、
「まずい!こいつらの標的が陽向に変わった!柚葉!」
ガキン!!
「させない!」
ザッ!もう一体!
ドカッ!
「きゃー!!」
「柚葉ぁ!!」
(ヒャハハハハハハ!!)
ドカーン!!
「うがぁ!!」
「ま、ずい、陽向、逃げろぉーーー!!!!」
「ひ、なた、、、」
(ヒャハハハハハハ!!!!)
終わったな俺の人生、母さん、陽和、柚葉、もゆる夏鈴さん、ごめんな俺死ぬわ、、、
グサッ!!!!
「!!」
「、、、!!」
「う、そ、だろ、、、」
バタッ、、、
何が起こったのか頭が追いつかなかったでも確かに俺の目の前で女の子が一人、血を流して倒れていた。
「夏鈴さん、、、」
「ねぇ、、、夏鈴さん」
「だ、い、じょ、う、ぶ、?ひ、なた、くん。」
俺は、倒れていた夏鈴さんの体を抱き抱えた。
抱えてみると、夏鈴さんの体温が冷たくなっていくのがわかった。こんな細い体で俺を、、、
「な、んでぇ!俺を庇ってぇ!」
「いっ、た、でしょ?も、う、うし、なわ、せ、な、いで、って、」
「だ、から、これ、は、わた、し、が、の、した、かっ、た、ことだ、から、な、かない、でよ、」
「ひ、なた、く、んは、えがおで、い、き、て、ね、、、」
そう言って夏鈴さんの手は俺の頬を触る手前で、こぼれ落ちた。
「うっ、うぅ、、、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
失いたくないから、自分を犠牲にするなんて、、、
そんなの間違ってるよ、、、
それじゃ、誰も救われないよ、、、
(ヒャハハハハハハ!!)
何、笑ってんだよこいつ。
ドクン!
何がおかしいんだよ。
ドクン!ドクン!
(ヒャハハハハハハ!!!!)
「人が命はってやったことをお前は、、、!お前らは!!そうやって、あざわらうのかぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ばっ!!!!
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「陽向、ダメだ!逃げろ!」
「陽向!!」
(ヒャハハハハハハ)
シャキン!
せめて一発!死んでった人たちの分コイツにぃぃぃ!!!
「うぉぉぉぁぁぁ!!!!」
(ヒャハハハハハハ)
グサッ!!!!
ん?ここは何処だ?周りが真っ白で何も無い
あぁ、そうかさっき俺死んだのか。となると、
「ここは天国なのか?」
「何をバカげたことを抜かしておる。」
「!!誰だ!」
と声のした方に体を向けても誰もいない。
たくっ、死んだって言うのに俺の耳は大丈夫かよ、
「こっちだ。」
そう言われ、振り向いた先にいたのは、、、俺だ。
「なんで、、、」
「驚くか、我らにとって姿、形など、瑣末な問題なのだが、貴様ら人間のように見たものをそのまま認識する存在からしたら、同じ姿をしている何かが立って、喋っているのだからな。無理もないか。」
そういうと俺と同じ姿をした何かは、俺に近寄ってきた。
「何が起こっているのかと、聞きたそうな顔をしているな。なら、説明してやる。まず、我はまぁお前達からしたら、神、とよばれているものだ。」
神様、はっ、何言ってんだこいつ。冗談はほかでやってくれ、、、って、うぉぉぁ!
「我の言うことが信じられんか?」
こいつ今何した、、、なんか急にすごい風が身体を浮かして、吹っ飛ばした。こんな芸当できるのは、
「わかった、仮に神様。まず聞きたいことがある。ここはどこだよ。」
さっきから死んだにしては、痛みも感じるし、
なんか違和感しかねーんだよな。
「ここか?ここは、次元と次元の狭間だ。簡単に話そうとすると、貴様ら人間がいる地上、我らがいる天、本来人間は死んだら我らがいる天へと向かうのだ。つまり地上と天へ行く時に通る中間地点みたいなものだ。」
「ん?、中間地点ってことは、やっぱり俺は死んで天に行く途中ってことか?」
「話は最後まで聞け。ただし例外もある。神がここに人間を召喚した場合がな、、、」
つまり俺は、その例外ってことなのか?つまり?
「俺!死んでねーのかよ!」
「貴様理解だけは早いな。」
ん?でもなんで神様は、俺をここに呼んだんだ、、、
「質問は終わりかそれでは本題に、、、」
「いや、ちょっとまって!これで最後にするから、、、神様はここに俺を呼んでどうするつもりなんだ。」
ニヤッ!
「貴様、さっき大切だと思っていた人間を救えなかったことによる怒りで奴らに向かっていったな?」
「っ、、、」
そうだ、、、確かに夏鈴さんは死んだ。俺が不甲斐ないばっかりに、、、
「実の所、我は奴らの存在をいっぺん残らず消し去りたいと思っている。だが、今我には体というものが存在しない。今も貴様の姿を保つので精一杯な、状況だ。」
つまり、、、
「つまり、俺の体を引き渡せって言いたいのか?」
今の話からするとなんだかそんな感じがした。そう言うと神様は
「はぁ、、、」
と、大きなため息をついた。え?間違えちゃったのか?俺。
「まぁ、早とちりするでないわ。貴様の大切な人間もし救えるといったら、貴様はどうする?」
!?救えるのか!夏鈴さんを!
俺は、神様の言葉に、胸が踊った。
あの子を助けられる、、、俺を庇って死んでしまった、、、あの子を。
「でも、そんなことが本当にできるのか?」
「時を戻せば造作もない。だが神にも限度はある。時を戻せるのは一度きりだ、しかも、さっきも言った通り我はまだ、全力では無い。つまりせいぜい10分前までしか時は戻せない。」
「わかった!なら、今すぐ戻してくれ!」
早くしねーと。助けられなくなっちまう。
「まて、」
「なんだよ!」
「貴様、馬鹿か?なんの力も持たずに行く気か?
今度こそ死ぬぞ?貴様も大切な人間も。」
くっ、、、
「流石に、この言葉の意味が分からないわけではあるまいな?」
「じゃぁ!どうしろって!」
すぅ、、、
「なんだよこの手、、、」
「契約だ。」
「契約?」
「そうだ、我が時を戻したところで今の貴様では、無駄死にするだけだ。なら無駄死にしないためにも、奴らを倒せる力を手に入れなければならない。で、その力を我は持っている。」
なるほど、そういう事か、、、
「つまり、身体がない神様の代わりに、神様の力を使って俺が奴らを殺せばいいってことか?」
「理解が早くて助かるな。」
「で、どうする。危険に身を投じ先に進める未来を掴むか?それとも、そのまま消えるかさぁ貴様はどちらを選ぶ?」
んなもん決まってんじゃねーかよ!!
「俺は、先に進みたい!先に進まないといけない気がするんだ!」
「ふっ、、、」ニヤッ!
「でも、神様。あんた何か隠してそうだよな。あんたの本当の目的が何なのか知らねーけど、俺はあんたの思いどうりには絶対にならねーからな!」
「でも、ありがとう。なんにもなかった俺に、未来に進む力をくれて。」
「ふっ、、、ふはははははははは!!」
腹を抱えて笑っていた。
「神に向かってありがとうとは、、、やはり面白いな貴様!」
「まぁ、せいぜい足掻いてみせるがいい!我はいつでも貴様らのことを見ているぞ!」
それを最後に、俺の意識は遠のいていった。
そして
ばっ!!!!
「ここは確か、、、」
帰ってきたみたいだな、、、
「まずい!陽向!逃げろぉー!!!」
「ひ、なた、」
(ヒャハハハハハハ!)
「陽向くん!!」ばっ!!!!
もう二度と君を、、、
「いいか?力を使う時はこう口にしろ!」
「こい!アトゥム!!」
死なせはしないから!
ガキン!!!!
(ヒャハ!?)
「え?」
ドカッ、
「消えろ。俺の目の前から永遠にぃぃぃぃ!」
キュイイイイイイイイイ!!ドカーン!!
ドカーン!!
ドカーン!!
やっぱりすげーな、神様の力っていうのは、これで全力じゃないって、絶対嘘だろ。
「陽向くん?」
「ごめん夏鈴さん。ちょっとまっててね。」
ザッ!
(((ヒャハハハハハハ!!!!!)))
「陽向まさか、、、」
「嘘、、、」
「いいか!よく聞け!今からお前らを倒すのは、
お前らのせいで未来を失った人達の思い全てだ!!」
「俺たち人間の底力を、なめるなよ!!!!」
いくぞ!!