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『べつにいーけど』   作者: 藤乃 澄乃
第4章 大切な人たち
42/150

 42 なんで一緒に?

 甲子園出場が決まり、我が家では夕飯時にちょっとしたお祝いの会を開いてくれるらしい。

 今日は思いっきり食べてやると、料理好きの母の手料理に期待が膨らむ。


 愛優ちゃんとの束の間のメールのやり取りで、すっかり舞い上がっていたオレを階下から呼ぶ母の声。返事をし、足取りも軽く階段を降りる。


 今日のメニューは何かな。


「あ~お腹減った~。今日はいっぱい……」


 言いながら期待を込めて勢いよく開けたリビングのドア。


「食べる…………ぞ」


 オレはそのとき目にした光景に、一瞬全身が固まってしまった。

 思考回路までフリーズしたのだ。

 そのため、機械のように口を動かすだけの動作になってしまう。


 ただ心臓だけはバクバクと急ぎ足で波打っているのだが。


「おめでとう!」


 オレの姿を見るやいなや、みんな口々にお祝いの言葉を告げてくれる。


 なぜ? どうして?


 そんな言葉が頭の中を行ったり来たりしている。

 あっけにとられるとはこんな状態のことを言うのだろうか。


 青天の霹靂へきれき

 藪から棒。

 寝耳に水。

 馬の耳に念仏……は違うか。


 半分固まりながらも、オレはなんとかみんなの言葉に「ありがとう」と礼を述べた。


「どうした?」


 兄の言葉に「いや」と返すのが精一杯だ。

 驚きの反面、チクッと胸に痛みが走る。

 泣きっ面に蜂……これも違うな。


「そんなところに立ってないで早く座れば?」


 思考回路停止中のせいで、今の状況を上手く表す言葉が見つからない。


「あ、ああ」


 兄に促されて席に着く。


「今日はご馳走作ったから、いっぱい食べてね」


 母の嬉しそうな笑顔にも「うん」と返すだけ。


 いつものオレなら「わあ! 美味うまそう」とか「何から食べよっかな~」なんて言いながらにやにやしているのに、今日はそういうわけにもいかず。



 しばらく経って、ほんの少し気持ちが落ち着いてきたので、改めてみんなを見る。

 そう。テーブルを囲んで座っている人物を端から順に。


 まず、どことなくそわそわしている風に見える父親。そして機嫌のいい母。

 今気づいたが、やけにニヤニヤしながらオレを見つめる兄。


 そしてなぜかあと2名。

 この2人は何故にここに?

 どういう経緯で?

 

 ことの全容が掴めぬまま、オレが困惑している様子を察したのか、兄が口を開いた。


「今日はダブルでお祝いだな」


 え、どういうこと?

 

 そこでオレは思い出した。


 あ、そういうこと。


 って、でもなんで一緒に!?



お読み下さりありがとうございました。


次話もよろしくお願いします!

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