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『べつにいーけど』   作者: 藤乃 澄乃
第4章 大切な人たち
41/150

 41 地方大会決勝戦(3)

 先制点を取ってひと安心したのも束の間、3回表にチームメイトのエラーにより同点に追いつかれてしまった。

 その後は投手戦となり、お互い一歩も譲らぬ投げ合いとなった。

 スコアボードに『0』が並ぶ。


 相手ピッチャーは立ち上がりこそ投球も乱れたが、その後は立て直し、気迫溢れるピッチングを続けている。

 オレもこの決勝戦を勝ち抜いて、なんとしても甲子園の大舞台に立ちたいとの思いで、あまり力まずに一球一球大事に投球しようと心がけた。

 そして大きな乱れもなく、無事8回の表まで投げ抜いた。


 迎えた最終回。ここで点を入れられると後がなく、一気に緊張が高まる。が、三者凡退と意外とあっけなく終わってしまった。

 次はいよいよ我がチームの攻撃だが、1点入れば『サヨナラ』いわゆるサヨナラ勝ちだ。反対に点が入らないと延長戦になってしまう。


 9回の裏、打順は下位打線の八番からだ。よくボールを見極めて誘い玉に振らされないようにとの監督からの言葉を受けて、気合いを入れ打席に向かう後ろ姿を見送る。

 ベンチのみんなは祈る思いで打席を見守るが、相手ピッチャーはプレッシャーに弱いのか、下位打線2人に続けてフォアボールを与えてしまった。


 わがチームはノーアウト1、2塁で上位打線の攻撃に入る。

 一番のバッターがネクストバッターズサークルからゆっくりと打席に向かう。



 相手ピッチャーが振りかぶって第一球目を投げた、刹那、カキンと快音が響く。

 

 ライト前へのヒットで2塁ランナーは一気にホームまで走る。

 ライトからのバックホーム。キャッチャーの元には好返球。

 しかし我がチームの1番打者は足の速い選手なので、返球よりわずかに速くホームベースを踏んだ。


 試合終了。


 2対1で我が『姿薔薇紫すばらし高校』が地方大会決勝戦を制した。


 整列し球場内で流れる校歌に喜びもひとしおだ。


 さあ、いよいよ甲子園。

 気を引き締めて頑張ろう。




* * *


 家に帰り自室でくつろいでいると、愛優ちゃんからお祝いのメッセージが届いた。


おめでとう! お姉ちゃんから聞いたよ

あ、お姉ちゃんは海さんから聞いたって――――


――――ありがとう! コンクールはどうだった?


3位入賞。まあまあかな

ホントは優勝したかったケド――――


――――そっか。でも、全国で3位なんて凄いよ!

    おめでとう!


そうだね。ありがとう!――――



 そんなやり取りをしばらく続けていると、階下から母親の夕食の時間だと告げる声が聞こえた。

 なんでも、『祝・甲子園出場』ということで、ちょっとしたお祝いの会をしてくれるのだそうで。


「はーい。今行く」


 そう返事をして、愛優ちゃんとのメールのやり取りを終えた。


 料理好きの母がどんなご馳走を用意してくれたのか楽しみに階段を降りる。


 そしてリビングの扉を開けて、オレはその光景に驚いた。



お読み下さりありがとうございました。


次話もよろしくお願いします!

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