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『べつにいーけど』   作者: 藤乃 澄乃
第4章 大切な人たち
39/150

 39 地方大会決勝戦(1)

 地方大会決勝。オレは先発を任された。

 試合開始の挨拶を終え、そのままピッチャーマウンドに向かう。

 まずピッチャーマウンドの土をスパイクでならし、自分の投げやすい状態に地面を整える。


 足で土をつついたり踏みしめたりしているが、その間の頭の中は今日の試合の成り行きを、良いイメージで想像している。

 立ち上がりの第1球目が肝心だ。

 先頭打者はなんとしても抑えたい。


 バッターボックスに相手チームの一番打者が入った。

 キャッチャーからのサインはストレート。

 まずはど真ん中の直球で勝負したいというオレの気持ちと一致していたので、コクリと頷き投球フォームに入る。


 試合開始直後の第1球目は大事だ。

 上手く決まればその後の投球にも良い影響を与えられる。

 だがもし……いや、を思い浮かべるのはよそう。

 

 両手を大きく振りかぶって、左足を大きく前に出し、全身の力を込め腕に集中させる。


 パアンと乾いた音がキャッチャーミットから響き渡った。


 判定は?



「ストライーク」


 審判の右拳みぎこぶしが握られ、ストライクと大きな声で告げられる。


 よし。この調子でいこう。


 案じていた第1球目をストライクで決めることができて、それが自信になり、その後もそつなく投げ続けることができた。

 弱気は禁物だ。強い気持ちを持った方が優位に立てるように思う。

 1回表は三者三振と立ち上がりもよく、この調子で次の回もいけるだろう。


 1回の裏。いよいよウチのチームの攻撃だ。

 相手のピッチャーは立ち上がりが不安定だということなので、ここは序盤に点数を入れたいところ。


 オレは4番バッターなので、先に誰かに塁に出ていてほしい。

 そしてオレまで回してほしい。


 そう願いながら1番の打席を見守る。

 

 スリーボール、ノーストライク。

 いきなり相手ピッチャーはピンチに陥る。やはり立ち上がりが悪いようだ。

 このまま1球様子を見るべきか、甘い球は振りにいくかだが。


 第4球目が投げられた。


「ボール」


 フォアボールだ。バッターは一塁に進む。


 これでオレまで打順は回ってくる。

 次の2番バッターは送りバント。成功は必須。

 だが案外バントは難しい。


 祈る気持ちで打席を見守る。


 1、2球とボールが続いた。

 その後様子を見た3球目はストライク。

 次、決めてくれよとバッターボックスを見る。


 そつなく送りバントは成功し、ワンアウト2塁となった。


 次の3番打者は最近調子がいいので、ヒットで塁に出ることができ、ワンアウト1、3塁となる。


 そしてオレの出番だ。

 できればホームランといきたいが、少なくともヒットを打ちたい。

 若しくは外野フライでタッチアップを狙いたい。


 頑張れ空。

 4番バッターの仕事をちゃんとこなしてやると、意気込んでバッターボックスに向かう。

 その時ベンチの監督から「思い切って行け」と声がかかった。



お読み下さりありがとうございました。


次話もよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
ここまで読ませていただきました。愛優の気持ちを描いた第36話では、泣き出しそうなグレーの空から、こころが弾むように変わるところがとても印象的でした。 そして迎えた地方大会決勝、初回は幸先良く抑えて上…
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