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『べつにいーけど』   作者: 藤乃 澄乃
第1章 はじまり
3/147

  3 ある雨の日

ジャンル別ランキング 4位ありがとうございます!


今話は主人公『空』がお慕い申し上げている涼風愛優の心情を綴った詩です。


降りだした雨に

急いで折りたたみ傘を

さそうとした


だけど

あることがふと過る


伸ばした手を止め

スクールバッグから

……出すのをやめた



公園の先の軒先まで

小雨のうちに走った


ここは彼が部活の帰りに通る道


もし

もしも彼が傘を持っていなければ

そっと差し出してあげよう



まだかな


緊張と少しばかりの期待


この胸の高鳴りは

まるで軒先にかかる

雨音のよう


静かにそして時には激しく

私の胸を締め付ける


まだかな



時間の流れがいつもより

ずっと遅く感じる


まだかな


だんだん強まる雨音に

諦めかけて俯いた



そんな時かけられた声

ぶっきらぼうな話し方で

すぐに解る


顔をあげたその前に

照れくさそうに差し出して


でも私

傘を借りたいんじゃないの



強引に傘を押しつけて

去りゆくうしろ姿に

トキメキとハラハラを胸に

思いきって言ってみた


一緒に入ろ



お読み下さってありがとうございました。


次話「4 とある雨の日の」もよろしくお願いします!

本日夜に更新します!

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― 新着の感想 ―
こういう不器用な恋愛は良いですね。 合間に心情が込められた詩が綴られるのもとても好みです。 ゆっくりと読ませていただきます。
「この胸の高鳴りは まるで軒先にかかる 雨音のよう」、この言葉が心に残りました。詩のように綴られた想いが、雨音と胸の高鳴りとともに、心に響いてくるようなエピソードですね。 そして、傘を借りたかったの…
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