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『べつにいーけど』   作者: 藤乃 澄乃
第1章 はじまり
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  1 とある雨の日

淡く甘い恋模様をお楽しみ下さい。

ラストまでお付き合い下さると嬉しいです。


 ああ、腹減ったな。

 それにしてもこんな蒸し暑い日に部活だなんて、勘弁してほしいよな。

 しかも高校2年生で成長期のオレはただでさえお腹がすくのに、あんな激しい練習のあと、夕飯までもつわけがない。

 でも、夏の甲子園の地区予選突破のために頑張らないと。

 


 オレこと夏野なつのそらの通う高校は、県下でも有数の進学校だ。

 その上、スポーツにも力を入れているので、全国でも名の知れた学校である。


 スポーツ特待生として入学してきた『スポーツエリート生』でも、入学したからには部活の練習がきついという理由で、学業が疎かになることは許されない。

 もし、成績が著しく下がってしまうと、クラブを辞めなければならなくなる。


 みんなその種目をしたいがために名門の我が校の門をくぐるわけだが、成績が下がったからといって退部させられたら元も子もない。

 地元の期待を背負って、全国から集まってきたのだから。


 文武両道ってやつだ。


 オレはたまたまこの姿薔薇紫すばらし高校が地元にあったからよかったものの、地方からやってくる生徒は、寮生活をすることになる。

 



 ああ、腹減ったな。お腹の皮と背中の皮がくっつきそうだ。

 だけど空模様も怪しくなってきたことだし、今から一人でファストフード店に入るのもなんだし、夕飯までのつなぎに何か買って帰って家で食べようかな。


 そんなことを考えながら歩いていると、何か冷たいものが頬にかかる。


 なんだ?


 急に降り出した雨に慌てたが、母親の言うことを素直に聞いておいて正解だ。

 今朝はあんなに晴れていたのに、出かけるとき母に「天気予報で夕方から大雨って言ってたから持って行きなさい」と無理矢理押しつけられるように手渡された傘を開いた。


 新緑に降りかかる雨音は、緑の爽やかなにおいを連れてくる。

 公園の横を通り過ぎて角を曲がると、オレの心臓は一瞬固まった。

 遠目にもわかるクラスメイト、涼風すずかぜ愛優(あゆ)を見つけて、心臓だけでなく思考回路までフリーズしたのだ。



 どうする?



お読み下さりありがとうございました。


次話「2 とある雨の日に」もよろしくお願いします!

本日更新します!

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